皮肉な僕のヒーローアカデミア   作:ゆず1252

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違和感

「失礼します。1年A組の胞です。相澤先生はいらっしゃいますか?」

 

 

 

まさか入学初日に職員室に来る事になるとは…。

 

 

 

「悪いな、胞。こっちに来てくれ。」

 

 

 

そう言われ案内されたのは応対室。

 

 

 

「ここで座って待ってろ。」

 

 

 

そう言って出てってしまった。

 

 

 

「話ってなんだろう。」

 

 

 

悪い事をした思い出はないけど。思い当たるとしたら個性の話…かな。こんなに早くバレるものなのか。

 

 

 

「やぁ!」

 

 

 

「え、あ、こんにち、は?」

 

 

 

目の前に立っていたのはネズミ…あ、違うこの人校長先生だ。

 

 

 

「相澤くんはクラスに戻ったから僕と二人きりさ!」

 

 

 

「そ、そうですか。」

 

 

 

「そんなに畏まらないでもいいさ。君に話があったのは他でもないこの僕さ。」

 

 

 

校長直々にお話とは…。やっぱり、、

 

 

 

「思い当たる節があるようだね?」

 

 

 

「個性の話…ですよね。」

 

 

 

「驚いた。なら話が早い!君の本当の個性を教えて欲しいのさ。勿論悪意があって隠してるとは思ってはいないさ。ただここの代表として知っておかなければならない義務がある。」

 

 

 

真面目な表情で告げるその顔は可愛らしい姿と相反して威圧感を漂わせる。

 

 

 

「そうですよね…。まあ先生相手に隠すのは無理があると思っていた所です。ちゃんと本当の事を言いますよ。」

 

 

 

「それは良かった。それで、急かすようで悪いけど教えてくれるかい?」

 

 

 

「自分の個性は細胞操作ではあるんですが、操作するのがただの細胞では無く癌細胞なんです。」

 

 

 

「なるほど…。隠していた理由は世間体、と言った所で間違いないかい?」

 

 

 

「はい。その通りです。まあ隠したのは僕ではなく両親が、ですけど。」

 

 

 

少し、間が空く。

 

 

 

「うん。本当の事を話してくれてありがとう。それでも相当強い個性なのは間違いね。」

 

 

 

「…はい。皮肉な事に頼りになる個性ですよ。」

 

 

 

言葉足らずだが分かるでしょ?と自虐気味に言う。

 

 

 

「そんな事言うものではないよ。たとえ君が嫌っていようとも、それは君の一部なのだから。そしてそれが全てでもないことを分かって欲しい。」

 

 

 

「はい。分かっていなかったらヒーローを目指してませんよ。」

 

 

 

「それは大変よろしい。なら君の個性の危険性を聞いてもいいかな?」

 

 

 

「はい。なんでも聞いてください。」

 

 

 

警戒と言うよりは、理解を深めるためと言った意味合いが強いと感じた。不思議な人だ。

 

 

 

「個性を使用した際に周りの人間、いや生物に被害はあるのかい?」

 

 

 

「影響はありません。確かに細胞レベルの粒子のようなものは飛散します。しかしそれも自分の制御下にあるので問題ないと思います。」

 

 

 

「つまり、それを取り込んだ生物の生死は君の自由…ということになるのかな?」

 

 

 

「相手の個性にもよりますし、取り込んだ量にもよりますけど概ねそんな感じですね。ただ戦闘中の場合、それを行うのは集中力がいるので1体1では相当厳しいと思います。」

 

 

 

「なるほどなるほど。味方の傷を癒すのはできるのかい?」

 

 

 

「無理です。あくまで癌細胞なので自分の制御化を離れた場合、最悪死に至ります。勿論何事も無い可能性もありますけど、体の中には癌細胞が必ず残るので将来的には…。」

 

 

 

「治せるのは自分の体だけという事だね。しかし操作というのなら癌細胞を別の細胞に作り替える事もできるじゃないかい?」

 

 

 

「もちろん。出来ないことは無いですが、まだまだ個性を完璧に扱いきれてないもので…。」

 

 

 

「将来的にできると?」

 

 

 

「恐らく…。何時になるかは分かりませんが。」

 

 

 

「頼もしいね。その将来に私は期待するよ。」

 

 

 

「が、頑張ります。」

 

 

 

「さて、長話に付き合わせて申し訳ないね。あと数個質問したら終わりにするさ。」

 

 

 

「いえ、自分で招いたことなので。」

 

 

 

根津校長は出来た子供だと心底思った。理由としては自分のトラウマを包み隠さず根掘り葉掘り聞き出されているのに嫌な顔せず答えてるところや、自分の非を認めている所。普通嫌な事を聞かれたら濁すか、言ったとしても嫌悪の感情浮き出る。それが全くない…。

 

 

 

「いや、私が無理矢理言わせているようなもの。気にしなくていいさ。話を戻そう、聞きたいのは両親の話さ。」

 

 

 

「親の?」

 

 

 

「そうさ。今…どこで働いているんだい?」

 

 

 

今思い返すとそんな話をした思い出がない。

 

 

 

「すいません。分からないです。」

 

 

 

「いいさいいさ。分からなければ分からないで大丈夫さ!一応君の家庭の事情は理解しているつもりさ。その上で聞きたい。最後に顔を見たいのはいつだい?」

 

 

 

「最後に…。」

 

 

 

最後に見たのは…。あれ?いつだっけ?

 

 

 

「わ、分かりません…。」

 

 

 

「分かった、話はそれだけさ。すまないね、時間を取らせてもらって」

 

 

 

「い、いえ。大丈夫です。」

 

 

 

そう言いながら立ち上がり部屋をあとにする。胞が退出した後、

 

 

 

「胞君…。もしかして君はご両親の顔すら、いや流石にそれはないと信じたいね。最悪なのは最初から居なかったなんて事は…。」

 

 

 

そこまで考え、思考を止める。これ以上は確証がないためである。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

今日はオリエンテーションが殆どで終わった。しかしあまり覚えていない。理由は根津校長と話しに出た両親について。

 

 

 

「あれ?あっくん?」

 

 

 

「緑谷?と、無限さんと足速い人。」

 

 

 

「む、むげんさん…?」

 

 

 

「飯田天哉だ!よろしく頼む!胞君!」

 

 

 

「うん。よろしくね。」

 

 

 

「麗日お茶子だよ〜!よろしく!」

 

 

 

「こちらこそ。」

 

 

 

体力測定でm走とボール投げで好成績を出していたのは覚えてる。

 

 

 

「あっくん。何かあったの?」

 

 

 

ビクッと体か震える。

 

 

 

「2人とも、緑谷を借りてもいい?」

 

 

 

「「どうぞ!」」

 

 

 

「ありがとう。すぐ終わるからさ。」

 

 

 

そう言ってコッチと目配せをする。

 

 

 

「それで…どうしたの?」

 

 

 

「緑谷とはかなり長い付き合いだよね?」

 

 

 

「え?あぁうん、そうだね。かっちゃんの次に長いはず。」

 

 

 

それがどうかしたの?と言わんばかりの顔を向けてくる。

 

 

 

「緑谷ってさ、僕の親って見たことある?」

 

 

 

数秒間が空き、

 

 

 

「ううん。ないと思う。」

 

 

 

「そっか、ありがとう。話はそれだけ。ごめんね、呼び止めて。それじゃあまた明日。」

 

 

 

そう言って足を寮へ向ける。

 

 

 

「あっくん!何かあったならなんでも言って欲しい!僕なんかで良ければなんでも相談に乗るから!」

 

 

 

そう告げると、顔だけ振り向き

 

 

 

「分かった。でも今はまだ相談しようにも何を相談したらいいのか分からないんだ。だからごめん。」

 

 

 

と、笑いながら言う。

 

 

 

「じゃ、またね。」

 

 

 

そんな顔見せられたら何も言えない…。と悔しさを顔に表す緑谷だった。

 

 




次回は戦闘訓練編に行きます!まだ誰と当てるかは迷っていますがやはりあの人しかいないと思います。
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