あれから数ヶ月が経ち雄英高校受験日。緑谷の体はしっかり出来上がったのかは不安ではあるけど、今は自分の事に集中しよう。
「校門…デカ。」
雄英高校に来て最初の一言がコレって…。
「えっと…案内だと、コッチかな?」
案内図に従って進むと教室を見つけたが、
「いや、デカいって…。」
何でもかんでもビックスケールにすればいいってもんじゃないでしょ。緊張感の無いことを考えて自分の席に着く。
結果から言うとテスト自体はかなり簡単だった…。自己採点でも余裕で合格ラインだったし、面接も特に問題は無し…だと思いたい。
今はデカいホールに集まって実技試験の説明をプレゼント・マイクから受けて、メガネ君が質問をし緑谷に何故か注意をしている最中。
「緑谷…ちょっと落ち着こうよ?」
「ご、ごめん!」
「チッ!」
まあ同じ学校なんだから受験番号は近くなるか…。
「あ、かっちゃんとあっくんとは別のグループか。」
「てめぇを潰してやれねぇのが残念だクソナード。」
「ま、頑張ろうね」
周りに流されるがままバスに乗りあっという間に目的地に着く。…少し整理しようか。まずやるべき事、1ロボ撃破によるポイントゲット。単純明快だが…。
「ほんとにそれだけなのか?」
天下の雄英がただ個性が強いだけの人間を受からせるわけない。つまり他にもポイントを手に入れる方法があると見て間違いない。
「考えられるとすれば…。」
手助けをする。ヒーローは助けるのが本業。つまり連携を取ってロボを破壊?もしくは怪我をした人の介抱?
「まあ、考えられる可能性一つ一つをやっていこうか…。」
と、考えがまとまった胞はストレッチを始める。
「なぁなぁ!」
「ん?僕?」
「そう!白髪の!」
初対面で白髪ってなんて失礼な人なんだろう…。
「あんまり緊張してなさそうだからさ!俺の緊張をほぐすために話し相手になってくれよ!」
頼む!と手を合わせ頼んでくる…。
「別にいいけど。でも…もうそろそろ」
〖 ハイスタート!!〗
「え?」
「緊張ほぐせなくてごめんね。じゃ!」
「あ、おい!」
マイクがオンになった時のノイズ音が少し拾えたのが幸を期して、スタートダッシュは完璧。
「見つけた!」
「ハイジョスル!」
左フック気味の大振り…、
「フッ!」
ダッキングの要領で潜り込み個性で硬化させた左腕をボディに叩きつける。
べギョン!という鉄がひん曲がる音と共に吹き飛ばされるロボット。
「うん、最高得点がこの位なら硬化だけで行けるかな。」
ロボの性能を大まかに把握した胞は次の標的を見つけるため走る。
「機動力重視で、接敵したら一撃で仕留めて離脱。仕留めきれなかったのは割り切る方向で。効率的に行こう。」
個性で脚の筋肉を操作。しなやかでバネのある筋肉へ変わっていく。する先程の倍以上の速度で走れるようになった。
「ざっと…68?くらいかな。途中から数えるの忘れてた。」
ふぅ…。とロボの残骸の上で一息つくその姿に抱く感情は、畏怖、尊敬、嫉妬、様々な感情の宿る目で見られるが何食わぬ顔で歩を進めるが…、
「やばい!!逃げろ!!」
「な、何あれ…あれがゼロポイントの…。」
「い、いや、デカすぎるって…勘弁してくれ!」
阿鼻叫喚とする周囲を見渡しつつ、確かにデカいなぁとマイペースな考えを巡らせる。
「お、おい!さっきの白髪の!」
「あれ?君はさっきの緊張してた…。」
「あの馬鹿みたいにデカいの見えねぇのかよ!早く逃げんぞ!」
「逃げるって言っても…。ほら、あれ。」
指差す方向に見えるのは瓦礫の下敷きになった女子1人と助けようとする女子が1人。
「助けを求めてる人がいるなら行かなくちゃ…ヒーローじゃないでしょ?」
「…あぁ!!もう!!わかったよ!乗りかかった船みたいなもんだ!俺も手伝うかんな!」
「じゃあ女の子はよろしく。」
「おう。得意分野だ!デカイのは任せた!」
「なんだドヤ顔なのさ。まあ、得意分野だね。」
拳を合わせて男らしく立ち向かう2人を見てどっかの18禁先生が鼻血を出していたことを、この2人が知る事はないだろう。
「あの大きさは…ちょっと本気で行かないとかな?」
癌細胞操作…そう、操作ができるということは形も質量も硬さも全て自由。自由が故にイメージが重要なのだ。
「とっておきってやつだから…。」
子供の頃から夢見たヒーロー像。剣を使い一太刀でどんな敵も切り伏せるそんなヒーローを夢見た。
癌細胞で形成された赤黒い刀が手に現れる。それを上段に構え、
「セイ!!!!」
短い掛け声と共に振り下ろされ巨大ロボは縦に真っ二つに別れていた。
〖 終ー了ー!!〗
例の男子は女の子達を助け出した後、胞が切り伏せたロボを見て唖然としていた。
なぜ真っ二つになったかは次回説明します!