じまんのうらやま   作:麦わらぼうし

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全3話構成のお話です。低クオリティです。


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 森の中を、私は歩いている。

 いや、正確には山の中なのだが……とにかく私は、青い木々が生い茂った道無き道を歩いていた。この山は私が生まれてからずっと遊び場として過ごしてきた所であり、私にとっては庭のようなものだ。

 

 クマのような危険な動物は居ない。小鳥や小動物、小さな昆虫たちが住む私たちの楽園である。私と両親以外に人間が入ってきたことは無く、木の実やキノコなどの森の恵みをその場で取って食べたり、持って帰って両親を驚かせたこともある。

 

 そして、この森の中でも私しか知らない秘密の場所。そこに私は向っていた。

 草をかき分け、時に木と木を飛び移って山の奥深くへと進んでいくと、開けた空間に私は辿り着いた。

 

「≪とーちゃーく!≫」

 

 私は笑顔で声を出すと、その声が木霊になって山に響いて――――いかなかった。何故か私の声が違う音で響き渡る。きっとこれは山彦をする奴らが仕事をサボっているのだ、そんな存在など私は知らないが、きっとそうに違いない。

 

 それはともかくとして、私が視線を前に向ければ広場には木箱や筒状の金網などが置かれているのが視界に映る。

 

 そう、ここはエサ場である。目の前にあるのは、バードウォッチングなどで餌を置いておくことなどをするための台座だ。

 

 森の動物たちは警戒心が強い所為か、私が近づこうとすると逃げてしまうのだ。別に取って食う訳でもない、むしろ私は触れ合いたい、仲良くなりたいのだ。

 

 故にここで餌をやりながら、間接的にでも動物たちと触れ合い、あわよくば毛並みを触らせてもらい、一緒に遊ぶという素晴らしい作戦なのである。

 と言う訳で、私は森の中で見つけた木の実などを台座や金網に入れる。本当は(あわ)や脂身なども用意したいのだが、子供の私ではコレが限界だ。

 そして、私は広場の隅にある茂みに隠れて森の動物たちが来るのを待つ。すると、すぐに数匹の鳥が木の実を置いた台座や金網に降りて来た。もう少し待てば、リスなどの小動物も来るかもしれない。

 

 そして木の実を食べる鳥を見ながら数分、茂みから小さなガサゴソと音が聞こえて来た。私は息を潜めて小動物を待つ。

 

 果たして今日は、どのような動物が来るだろうか? 私は、この森に住んでいる動物を思い浮かべる。リス、イタチ、キツネ、シカ、他にも何匹か居るが、今までこの場所に食べにきたのはコレぐらいである。

 

 そんなことを考えている間に、今日の動物は茂みから姿を現した。

 

「ぴか~?」

 

 ………………………………………………………………………………………………。

 

 ――――いや、まて。

 

 待て待て待て待て待てまてまてまてまてマテマテマテッ!?

 

 ―――ふぅ。

 

 よし! 一旦落ち着け。

 私の名前は?

 津雪(つゆき) 美々(みみ)。とっても可愛い女の子。特技は森の中を縦横無尽に移動できること。大好きなのは、皆で一緒に遊ぶこと。

 

 じゃあ目の前に居るあの生き物は?

 雷のようなギザギザの尻尾、丸くて赤い(ほほ)、頭から伸びる黄色と黒の細長い耳。

 知らない人なんて、まず居ないだろう。世界的に有名な人気者。子供から大人まで広く愛されている(にく)きあんちくしょう。

 そう、それは―――

 

「チュウ~」

 

 その汚れていても愛らしさ失わずに後ろ足で立って、前脚で木の実を食べるその姿はまさしく――ピカチュウだった。

 

「…………………」

 

 いや、なんで?

 

 なんでピカチュウが居るの!?

 

 私はこの森の動物なら全部把握している筈、その中にピカチュウなんて居なかった!

 

 いや、そうじゃない! そもそもピカチュウが居る筈が無い! 空間を操るポケモンが此処にピカチュウを送ったとでもいうのか!? あながち本当に存在したら有り得なくないのが、なんか嫌だ。

 というか、居ない筈の存在が突然に現れるとか何処の裏庭だ! いや、ここは山だから裏山か? どうでもいいわっ!

 

「チュゥ……」

 

 あれ? なんか、あのピカチュウ弱ってない?

 よく見ると身体が汚れているだけじゃなくて怪我もしているような……。

 

「ちゃぁ……」

 

 なんか突然、倒れちゃったんですけどっ!?

 

 どうすんの? いや本当にどうすればいいの!? 何も見なかったと現実逃避して家に帰ればいいの?

 

 できるか! だってピカチュウだよ!? 弱っているピカチュウを放って置くなんて世界中の人間から怒りを買っても不思議じゃないよ?

 と言う訳で私はピカチュウの傍に近づいた。

 

 うん、間違いなくピカチュウだ。さて、近づいたのは良いもののどうしたものか……。

 

 いや、だってピカチュウだよ!? 本物を前にして緊張しない訳がないじゃないか!

 と、取り敢えず手を伸ばして頭に触れてみる。すると、ピカチュウは目を開けてこっちを見てきた。

 

 う、うわぁ~! こっち見た~! どうしよう!?

 

 そんなことを考えていると、ピカチュウは私の手をペロペロと舐めて来た。

 

「ちゃあ~」

 

 あ、あれ? 意外と元気?

 取り敢えず私は、予備で取って置いた木の実をピカチュウに手渡ししてみる。するとピカチュウはスンスンと匂いを嗅ぐと木の実を受け取ってモグモグと食べ始めた。

 取り敢えず、大事が無さそうなので私は気持ちを落ち着けようと空を見上げた。

 

「ショオォーーッ!!」

 

 ―――おい待て、なんか虹色に輝く巨大な鳥が飛んで行ったぞ。現実逃避しようとしたのにどうしてくれる。

 この山、一体どうなっちゃったんだよ!

 




オリジナルを書こうとする→息抜きで別の作品を書く→オリジナルの出来に納得いかずに削除→息抜き作品が完成する。
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