ロウリア王国強化 作:EC
中央歴1639年3月22日ー
日本国がこの世界に転移してから、二ヶ月が経とうとしている
日本と国交を結び大規模な食料輸出を行なっているクワ・トイネ公国、日本の助けを借り豊富な天然資源を得、それを輸出したクイラ王国
両国はこの二ヶ月間で大きな発展を遂げた
食料や資源輸出の見返りとして日本から入ってくる数々の技術は彼らの国を大きく変え、また日本によって急ピッチで整備されるインフラストラクチャーは今後両国に凄まじい利益をもたらすだろうと予測されている
「すごいものだな、日本という国は・・・。明らかに3大文明圏を超えている。もしかしたら、我が国も生活水準において3大文明圏を超えるやもしれぬぞ」
クワ・トイネ公国の首相カナタは、日進月歩の勢いで発展する祖国を思いつつ、秘書に語りかけた
「かの国の国力・技術力は我々の常識を遥かに超えています。彼らの技術を取り込めれば、本当に3大文明圏をも超えられるかもしれません」
「そうだな。そうなるよう、我々も精一杯頑張ろう」
「はっ」
カナタ達は、突如振って湧いた明るい未来に胸を踊らせていた
国境警備隊からもたらされたロウリア軍の活動増加の報告も、頭の片隅に追いやられていた
ロウリア王国 王都ジン・ハーク ハーク城
月明かりが人々を照らす夜
王国の未来を決める御前会議を行うため、ロウリア王国の指導者達は一堂に会していた
この日の主な議題は、かねてから計画されてきたロデニウス大陸統一作戦に関するものである
「王、そして皆様」
王国軍最高司令官のパタジンが口を開く
「攻撃は二段階で行われます。第一段階として、前線飛行場より出撃した爆撃機部隊によってクワ・トイネ、クイラ両国の軍事施設を空爆。同時に、巡洋艦によりマイハーク港を攻撃し公国海軍主力を撃破します」
「以上が第一段階です、何か質問などありますでしょうか」
「私から」
内務長官のサークが手を挙げた
「海軍によりマイハーク港を攻撃するとの事だが、可能ならば市民には被害を出さないでいただきたい
攻撃で民間人に死者を出せば、戦後統治の障害となる可能性がある」
「分かりました、海軍長官と協議してみます」
「感謝する」
数十年前はよくみられた閣僚同士の権力争い等は、政府が世代交代を迎える時に一掃されており、現在は政府機関間の協力もスムーズに行われている。
「他に何かなければ、第二段階の説明に移らせていただきます。
第二段階では、陸軍2個師団に国境を越えさせ各重要目標を占領します。そして、陸軍の攻撃に敵の注意を引きつけている間に空挺強襲部隊を公都クワ・トイネ近郊に降下させ、空軍の支援の元公都を攻撃し首脳陣を捕縛します。」
「何か質問などありますでしょうか」
「所要時間と使用兵力は?」
国王ハーク・ロウリアが問う
「は、第一段階が命令後30分、第二段階が命令後2時間で完了します。使用兵力に関しましては、陸軍4個師団・艦艇8隻・航空機260機を使用します」
「成る程、予想される反撃と我が国の被害は」
「第一段階で敵航空戦力の無力化に失敗した場合、王国本土に対しワイバーンを用いた攻撃を行なってくる可能性があります。その場合は通常軍のワイバーン部隊に迎撃させますが、何騎か落とされるやもしれません。侵攻軍の損害に関しましては、十数名程の死傷者が出ると予測されています」
「ふむ・・・、分かった。ああ、先月接触してきた日本という国はどうなのかね?彼らの力は列強を超える程のものだと聞いているが」
「日本国はほぼ間違いなく我が国を上回る軍事力を有しております。戦略諜報局からの報告によりますと、日本国は食料の大部分をクワ・トイネからの輸入で賄っており、戦争が始まれば確実に介入してくるでしょう。ですので、日本本土から軍が輸送されてくる前に敵国を降伏させ介入を防ぎます。また、万が一日本が参戦してきた場合に備え、対艦ミサイルを装備した戦闘機をいくつかの空軍基地に待機させておき、日本参戦の際はそれらを使用して軍を遅らせる予定です」
「よろしい。作戦はいつ実行できる?」
「3日後には全ての準備が整います」
「そうか・・・、パタジン将軍!」
「はっ!」
「4日後、3月26日に作戦を実行せよ!」
「了解いたしました!」
国王が立ち上がる、同時に閣僚達も椅子を立った
「諸君、この戦いはあくまで前座に過ぎないが、我が祖国の夢を達成するための偉大なる一歩でもある。大ロウリアの悲願、そして王国の未来のため、全力を尽くせ。ロウリア万歳!」
『ロウリア万歳!』