ロウリア王国強化   作:EC

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奇襲

中央歴1639年3月25日

 

ギムの町

ロウリア王国との国境から20kmの場所に存在するこの小さな町は、かつては対ロウリアの最前線基地とされていた。

そのため、ロウリアとの友好が築かれた現在でも有力な騎士団の部隊が駐屯している。

皇国の侵略に備えるため順次配置転換が行われる中、それでも一万人以上の兵力を有する西部方面騎士団の司令部もこの町に置かれていた。

 

「国境部隊との連絡はまだつかないのか?」

西部方面騎士団の騎士団長モイジが通信士に尋ねる。

 

「はい。どの部隊とも、依然応答ありません」

 

モイジがこの部屋に来たのは30分程ほど前。ロウリアとの国境を警備している部隊のいくつかと連絡が取れなくなったとの報告を受けた彼は、直ちに確認のため部隊を派遣するよう命令、また自身も通信室で待機していた。

 

「確認に行った部隊からはどうだ?」

 

「最後の定期連絡から30分が過ぎていますが、未だ連絡はありません」

 

「そうか・・・」

 

(一体どうなっているんだ?事故でもあったのか?それとも・・・)

モイジの頭の中に、僅かな疑念が生まれつつあった

 

「団長、通信です!」

 

考えを巡らせていたモイジに、通信士から声がかかる

 

「何?どこからだ、国境部隊か?」

 

「いえ、通信はエジョイ駐屯部隊からです」

 

「エジョイから?・・・それで、通信の内容は」

 

「は、数分ほど前に正体不明の攻撃を受け、城壁・滑走路・兵舎などが破壊された。そちらも注意せよ。とのことです!」

 

「何だと!?」

この通信内容は、モイジの常識で考えればあり得ない事だった

近年圧力を増すパーパルディア皇国との戦争に備え、3万もの陸上兵力と50騎のワイバーンが駐屯するあの城塞都市を攻撃するには、たとえ第三文明圏国家といえど相応の被害を受けると考えられており、ましてや正体不明の攻撃で主要な軍事施設が破壊されるなど、第一文明圏の国家でもなければ不可能に近い

 

(何が起こっているんだ?まさか列強が侵攻してきたのか?いや、それならば首都から通信がある筈。

 とにかく今は、警戒を強めなければ)

 

「隊長、直ちにエジョイへ騎兵を送ってくれ、状況を確認させたい。それと哨戒兵を増やしてくれ、敵が来た時になるべく早く発見するんだ。

 通信士、公都に魔信を送って状況をーー」

 

モイジの体を、突如として強烈な死の予感が駆け巡る

(何だ、この感覚は・・・!?)

 

突然自身に沸き起こった予感を彼が疑問に思った瞬間、猛烈な爆風と衝撃波がモイジの体を壁に叩きつけた

朦朧とする意識の中、モイジが最後に見たものは、爆発で瓦礫と化した基地の光景だった

 

 

中央歴1639年3月25日

ロウリア空軍第1爆撃航空連隊は、事前の計画に従いクワトイネ各地の軍事施設へ空爆を開始。

レーザー誘導の燃料気化爆弾を使用した一連の攻撃は成功し、国土を防衛するクワトイネ軍部隊はその大半が壊滅的被害を受け、戦闘能力を喪失した。

 

また、同時刻

ロウリア海軍第1艦隊は、マイハーク港を拠点とするクワトイネ海軍主力艦隊への攻撃を実行。

事前潜入していた特殊部隊によって誘導された巡航ミサイルは、停泊していた艦艇27隻を破壊した。

 

これらの攻撃によってロデニウス大陸統一作戦の第一段階は完了し、王国軍最高司令官は作戦第二段階への移行を指示した。

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