この作品自体は、ある程度の所まで話を考えているのでそこまではある程度の期間で投稿していけると思います。
それではどうぞ!
「それじゃあ、花楓さんお願いしますね」
「わかりました、当主の命令とあらば」
私の言葉に妖艶な笑みをうかべながら、テレビの向こうで頷くのは世界最強の魔法師と名高い四葉真夜。私の母である四葉深夜の妹であり、十師族の一角である四葉家の当主である。
「…さっ、堅苦しいのはここまでにしましょう。」
真夜さんはそう言うと先程までの威厳をどこかへと捨て、そこら辺にいる叔母と何ら変わらない優しげな表情へと変わる。
「…本当にそんなに心配なら、達也たちにも素直になればいいじゃないですか」
先程まで真面目な感じで会話をしていた私たちだが、内容自体は達也たちが高校生活を滞りなく生活出来るというもの。私と達也は同じ日に生まれた双子であり、深雪は約1年離れた妹。私と達也が生まれた時に、どちらが次期当主になるか揉めることは無く、すんなりと私に決まったという。理由は達也の魔法に秘密があるのだが、それが真夜さんが素直になれない理由でもある。
「でも、達也からしたら私や深夜は恨んでもおかしくない相手だし…、深雪さんも達也のことがあるから………」
「達也に恨むなんて感情ないと思うんですけど…」
問題の達也自身は、母の魔法により感情自体がほかの人に比べて薄い。とはいえ、全くないわけではないため周りから見れば感情の起伏が少ししかない大人しいというだけなのだが。
問題は深雪の方にあると言っても過言ではない。超絶シスコン&ブラコンである深雪はどこから知ったのかわからないが、母達が達也にしたことを知っており、頭では理解はしているのだろうが感情がそれを許さないのか、母たちにどこか余所余所しい態度で接している。
そのため、世界最強の魔法師とも恐れられる叔母である四葉真夜はこんなにも消極的であり、彼らに対して威圧的な態度を取ってしまうらしい。
「…そのうち、深雪も許してくれると思いますよ。まぁその前に、真夜さんがあの態度を直さない限りは無理でしょうけど」
「…うぅ」
私の辛辣な一言により、真夜さんは呻き声を上げ椅子に突っ伏してしまった。
「……葉山さん、ごめんなさい。あと、お願いします」
あの状態になった叔母は中々復活しない。
私はこの会話を影で聞いているであろう叔母専属の執事である葉山さんに一言告げてから電話を切った。
「花楓さん、お疲れ様です」
通話が終わった頃合いを計って、私の元へと紅茶を運んできてくれたのは桜井水波。私の専属メイドであり、この家の唯一の同居人でもある。
「ありがと、水波ちゃん。あと、敬語はなしって言ってるでしょ?」
「で、ですが……」
私の言葉に口篭る水波ちゃんの頬を私は両手で掴んで横に引っ張る。
「い、い、か、ら!」
「……ふぁ、ふぁい」
水波ちゃんは横に引っ張られている口を懸命に動かしながら、私の言葉に返事をした。私も水波ちゃんの頬から手を離し1口紅茶を啜る。
水波ちゃんは、桜井穂波さんの義理の娘でありその穂波さんは今は達也たちの家でメイドをしている。
本来なら、私の家でメイドをやってくれるはずだったのだが穂波さん本人から、水波ちゃんのことをお願いされてしまったため断れず、穂波さんは私の家から達也たちの家へと移動したのだ。
「さて、そろそろ寝ましょうか。水波ちゃんも明日から学校でしょ?私も総代の挨拶なんかを任されちゃったから明日早く行かなきゃ行けないし……」
四葉家の次期当主として力を示しなさい。と叔母から命令され、泣く泣く真面目に試験に臨んだ結果なのだが、まさか歴代最高得点をたたき出すハメになるとは思いもしなかった。
元々将輝に誘われ第三高校に行く予定だった私なのだが、真由美さんと十文字さんに熱烈なアタックを受けた上に叔母からの当主命令により第一高校に行く羽目になったのだ。とはいえ、達也も深雪も第一高校であり私の住んでいた場所から第一高校は遠いということで叔母に交換条件として達也たちの近所に家を用意して貰ったのはかなりの利点だったと言える。本当ならば一緒に住みたかったのだが、四葉家との関係を隠すため残念ながら、それは叶わなかった。
「そうですね、明日は私も学校の方で仕事があるので少し早く家を出ますので」
「それじゃあ、おやすみ」
「おやすみなさい」
私と水波ちゃんは挨拶を交わして各々の部屋へと入っていった。
(……はぁ、明日上手く話せるかなぁ)
人見知りである私が新入生を前に上手く話せるかどうかは、私にとって何よりも心配なことであった。
百合になるか、ちゃんとしたカップリングになるかは皆さんのご要望次第になると思います。
感想貰えると嬉しいです、それではまた!