しかし、飛影学園。雄英と並んで称される屈指のエリート学校だ。普通のヒーローのように事務所を構え、相棒(サイドキック)を雇うという形態ではなく、警察や消防、救急救命隊、自衛隊など官営の組織の直属として任務を全うする「特務ヒーロー」教育に特化し、これまでにも数多くの「特務ヒーロー」を輩出してきた異色のヒーロー育成学校。
本来、ヒーローはどのような組織にも迎合せず、個人の活動に徹底し自営業的性格を保つことで民衆からの支持を得てきた節があった。しかし、警察や消防など、何かと協力関係になることの多い官営組織とヒーローが完全に袂を分かつということは、連携の齟齬や認識の相違、要らぬ軋轢を生む温床にもなっていた。
それらの問題を少しでも解消すべく、二十数年前から制定されたのが通称「特務ヒーロー法」だ。警察の特殊部隊や消防、救急救命、自衛隊など、「人命を救うため、また人命を脅かすあらゆる脅威に対抗するため、時に個性を行使する必要のある専門的組織」に限り、一定数のヒーローを組織内に配属することが可能となったのだ。
しかしその門戸は普通のヒーローのそれより遙かに狭く、強力な個性と卓越した身体能力、明晰な頭脳を併せ持つ一握りの者だけが歩むことを許される道。さすがの出久も、特務ヒーローには多少の憧れはあるものの、自分などには到底務まらないと思っており最初から志していない。というか、雄英高校のヒーロー科でもそういう生徒がほとんどだろう。特務ヒーローになりたいなら飛影学園へ。世間にはそういうイメージが定着しているし、事実本気で志すなら雄英ではなく飛影の方が、専門教育も就職サポートも充実している。
そんな学校に通う粒ぞろいの生徒たちが、ここで興味深そうに出久を見つめてくる少年少女たちだと言うのか?
非常に申し訳ないけれど、そういうイメージは皆無だ。部屋着を着ていかにもくつろいでいる感じのこの人たちが、黒スーツをびしりと着込み、指先まで寸分のズレもない敬礼をしているところなど想像もつかない。
「ちなみにこの施設にいるヤツは皆、オールマイトとワン・フォー・オールの秘密を知ってる。それが「継承」されたってこともね。翔の転校先にその継承者がいるって話で、皆盛り上がってたんだぜ。どんなヤツなんだろって」
明は何でもないことのように言ったが、出久は心臓を直に鷲掴みにされたような心地がした。悲鳴のようにひゅう、と音が鳴るほど息を吸い込んで肺が苦しくなる。
やはりそうだ。さっきの桜と翼の発言から気づいてはいたが、ここの子どもたちは皆「緑谷出久が何者か」を知っている。ワン・フォー・オールの秘密も。オールマイトはこのことを知っているのだろうか? 以前「うっすらと心当たりのようなものはある」と言っていたが、ここにいる人たちがそうなのか?
分からない。分からないことが多すぎる。けれどこれだけは言えるだろう。
ーーこの孤児院は、何か変だ。
ヒロアカアニメ、最終話終わりましたね。
大学生から追い続け、劇場版なども欠かさず観に行っていた作品がとうとう終了。何とも感慨深いです。
最終クールは実はまだ観れていないのですが……映像作品を観るハードルが最近どんどん上がっていて、最近はもっぱら小説・漫画しかコンテンツを摂取できていません。こういうの合う合わないがありますよね…。
しかしずっと追い続けてきた作品なので、まとまった時間が取れる年末年始にでもしっかり観ようと思います。
さて、本日分を更新です。
ハーメルンは予約投稿ができるのがめちゃくちゃ良いですね。他の投稿サイトにもぜひ導入してほしいものです。