学戦都市アスタリスク ≪因果を曲げる者≫   作:まぐなす

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不定期ですが、どうぞよろしく。



第零章 願う者
0ー1.プロローグ


寒い......

 

 

周りは一面の雪景色。

 

 

痛い.....

 

 

少年の周りは紅に染まる。

 

 

ザッ....ザッ...

 

 

雪を踏む音。

 

 

「のぅ...お主、よい星辰力を持っておるのう」

 

 

誰だ.....

 

 

「どれ、わしと来てはみんか?」

 

 

何故.....

 

 

「まぁ答えは聞いとらんがの。お主名は何と言う?」

 

 

.....

 

 

「ふむ、わしがつけてやろう」

 

 

何.....

 

 

「そうじゃのう....うむ、今後は『空 高原(コン タオイェン)』と名乗るがよい」

 

 

 

 

▼▲▼▲▼▲▼▲▼▲

 

 

 

 

 

「さてさて!とうとうやって来ました!王竜星武祭準々決勝二回戦!もう既に準決勝進出を決めた≪戦律の魔女≫と対戦することになるのは果たしてどちらか!」

 

 

 

俺はステージへ続く通路を歩きながらその声を聞く。

 

 

 

「まずは東ゲート!前回王竜星武祭チャンピョン!全試合一瞬でカタが付く圧勝!レヴォルフ黒学院序列一位≪孤毒の魔女≫オーフェリア・ランドルーフェン!」

 

 

 

大きい歓声が上がる。

 

 

 

「そして西ゲート!なんと序列外にして今大会のダークホース!星導館学園≪氷狼≫高原 空!」

 

 

 

スポットライトを浴びながらステージに降り立つ。

 

 

 

「さて今回の注目ポイントはずばり、どこでしょう?」

 

 

 

「そうですね、今まで相手を瞬殺してきたランドルーフェン選手と、全ての試合堅実に自分のペースで戦った高原選手。いかに高原選手が自らのペースに持ち込むかが勝利の鍵になりそうです」

 

 

軽く体を動かす。

 

 

「一瞬の一撃なランドルーフェン選手、安定遵守な高原選手、勝利の女神はどちらに微笑むのか!」

 

 

 

息を深く吐く。

 

 

 

「バトル......」

 

 

 

前を見据える。

 

 

 

「スタート!」

 

 

 

瞬間、星辰力を放出した。

 

 

 

 

 

**********

 

 

 

 

 

「≪塵と化せ≫」

 

 

 

 

「≪破城氷槌(はじょうひょうつい)≫!」

 

 

 

 

≪孤毒の魔女≫の声と同時に叫ぶ。

 

右腕が氷に包まれ、やがてそれは俺の体の十倍近くまで成長する。

そしてそれを大きく振りかぶり....

 

 

 

「おぉぉおお!」

 

 

 

振り抜く。

 

 

ガガァァン!

 

 

瘴気の奔流と氷の拳がぶつかり合う。

 

ギリッ...ギリッ...と氷が軋む音がするがその場で押し留まる。

 

 

 

『受け止めたー!今大会誰も止められなかったランドルーフェン選手の攻撃を受け止めたー!』

 

 

『ランドルーフェン選手の技の星辰力には流石に及ばないようですが、氷の質量と腕力がそれをカバーしているのでしょう』

 

 

 

だがこのままでは負けるのは明確。

だから次の手を打つ!

 

「≪氷雷針(ひらいしん)≫!」

 

体の回りに氷のエストックを生成し、≪孤毒の魔女≫に向かって飛ばす。

 

だが...

 

 

パリン

 

 

 

『何と言うことだ!高原選手の氷の槍が星辰力だけで止められ、挙げ句握りつぶされた!』

 

 

 

そんなものは予想通りだ。

それは時間稼ぎ。

俺は右手に繋がる氷に星辰力とイメージを流し込む。

 

 

 

「目覚めろ...≪スリュム≫!」

 

 

 

体から抜け出るよう生成された氷と右腕の氷が繋がり、やがて十メートルを越える氷の巨人となった。

 

 

 

 

 

グオオオォォォォォォオ!!!

 

 

 

 

 

巨人は拮抗していた右手を無造作に振り抜いた。

 

 

ブゥォン!

 

 

毒の奔流は霧散した。

 

 

 

『な、な、何と言うことだー!先ほどを上回る驚愕!高原選手の生み出した氷の巨人によって、ランドルーフェン選手の毒が消し飛んだー!』

 

 

 

 

そして俺はまた能力を発動する。

 

「≪ヨトゥンヘイム≫」

 

俺から広がるように一瞬にして氷が生成されステージを覆う。

 

同時に...、

 

 

『どういうことでしょう!?す、ステージに...雪が降っています!』

 

 

 

頭上から《氷の結晶》が降り始めた。

 

 

 

グオオオォォォォォォオ!!!

 

 

 

そんな中、氷の巨人が≪孤毒の魔女≫に向かい両腕を振り抜く。

 

 

が、それも≪孤毒の魔女≫の両手に阻まれる。

 

しかしそれはいつもほど余裕な顔はしてなかった。

 

 

「...シッ!」

 

 

俺は≪スリュム≫の横を通り抜ける。

 

 

「≪破城氷槌≫」

 

 

そして右腕に生成していた氷の腕で≪孤毒の魔女≫を殴り飛ばす。

 

「...!」

 

壁にぶつかる≪孤毒の魔女≫。

 

 

 

『誰が予想できたでしょう!高原選手がランドルーフェン選手を押している!』

 

 

『今は高原選手のペースでしょう。完全にいつも通りの戦闘ができています』

 

 

 

 

今のは良いのが入った。

だが校章が宣言してないからまだ試合は終わってない。

 

 

 

「.....ッ!」

 

 

 

仕掛けておいた能力に何が反応したため俺はその場を飛び退いた。

 

 

 

『おおっと高原選手ここで距離をとった、やはり堅実にダメージを重ねていく戦法なのか?』

 

 

『しかし今のは追撃すべきだったでしょう。それに距離を取るには離れすぎて...』

 

そこで解説の声が途切れる。

 

 

『どうしました?』

 

 

『もしかしたらランドルーフェン選手の瘴気には見えないものもあるのかもしれません』

 

 

『ええっ!?そんなの避けようがないじゃないですか!』

 

 

『はい。ですから彼は避けたのです。我々にはランドルーフェン選手から距離を取ったように見えましたが、恐らく()()()()()()を避けたのだと思います』

 

 

『で、ですが見えないと今...』

 

 

『そのための雪でしょう。能力者にとってその能力は感覚器官でもあります。高原選手の能力は見ての通り氷なので、同じ氷の結晶である雪は彼の感覚器官となるわけです』

 

 

 

 

客席かひときわ騒がしくなる。

 

だがそれを意にしないように≪孤毒の魔女≫は瓦礫を落としながら出てきた。

 

 

「...まさかあなたの運命がここまで強いとは」

 

 

「俺はお前の言う運命は単に強いか弱いかだけで決めてるようにしか思えないんだが」

 

 

俺は十分に警戒しながら会話を繋ぐ。

 

 

「...それがこの世の摂理だからよ。その人の力、それを運命と呼ぶの」

 

 

「そんなのは単なる結果論だ。力と運命は確かに通じるものがあるだろう。だがそれが全てではない」

 

 

「...いいえ、それだけよ。この世界は、それだけ」

 

 

「悲観な運命論者には現実を、反例というものを見せてやろう」

 

 

 

星辰力を込める。

 

 

「≪白月華≫」

 

 

巨大な逆円錐形の氷の塊が≪孤毒の魔女≫の頭上に生成される。

 

そしてそのまま落下する。

 

 

「≪塵と化せ≫」

 

 

≪孤毒の魔女≫が能力で対抗する。

 

が、

 

 

 

 

オオオォォォォォォオ!!!

 

 

 

 

≪スリュム≫が≪白月華≫を上から殴り付けた。

 

 

「...!」

 

 

≪孤毒の魔女≫が息をのむ。

 

 

 

「≪雪鎖鉄≫」

 

 

 

地面から現れた氷の鎖が≪孤毒の魔女≫の両腕を拘束する。

 

しかしそれも、一瞬で壊された。

 

 

 

 

 

ーーーそれだけで十分だった。

 

 

「≪氷死針≫」

 

 

≪氷雷針≫よりも細い、まさに氷の針が≪孤毒の魔女≫が鎖を壊した直後、その校章に突き立つ。

 

 

 

 

パリン...

 

 

 

 

『オーフェリア・ランドルーフェン、校章破壊!』

 

 

『勝者!≪氷狼≫高原空!』

 

 

 

その音声を皮切りに、歓声がドームを覆い尽くした。

同時に氷の巨人は姿を消す。

 

 

 

『なんと!激闘を制したのは!高原選手!いやー、素晴らしい戦いでしたね』

 

 

『やはり最初から最後まで自分のペースで戦えたことが良かったんでしょう』

 

 

 

 

しかし、空はそんなこと気にしてられなかった。

 

「ぐっ....」

 

 

 

『おおっと、どういうことでしょう...高原選手が苦しんでるようですが...』

 

 

『もしかしたら...避けきれてなかったのかもしれません、ランドルーフェン選手の瘴気を』

 

 

『で、ですが、試合は普通に戦ってるように見えましたが...』

 

 

『恐らくですが、星辰力を放出し続け瘴気が回らないようにしていたのではないかと思います。それで緊張が解けたのと同時に星辰力も切れ、瘴気が体に回ったのかと思います』

 

 

 

解説のそんな会話を聞きながら、俺は意識を手放した。

 

 

 

 

 

 

▽△▽△▽△▽△▽△

 

 

 

 

 

世界は≪落星雨(インペルティア)≫と呼ばれる隕石群の襲来により世界は変質。既存の国家は衰弱し、統合企業財体が台頭した。

 

ここは水上学園都市≪六花≫、通称アスタリスク。

 

星辰力(プラーナ)≫、及び≪万応素(マナ)≫による新人類、≪星脈世代(ジェネステラ)≫の少年少女達が様々な目的を持ち、生活を送る都市。

 

アスタリスクでは≪星武祭(フェスタ)≫と呼ばれる世界最大の総合バトルエンターテイメントが行われていた。

≪星武祭≫は個人戦の≪王竜星武祭(リンドブルス)≫、タッグ戦の≪鳳凰星武祭(フェニクス)≫、団体戦の≪獅鷲星武祭(グリプス)≫がある。

そして≪星武祭≫で優勝した人には、統合企業財体がなんでもひとつ願いを叶えるという物だった。

 

 

 

 

 

**********

 

 

 

 

 

 

「知らない天井だ...」

 

 

目を覚ました俺は別途に寝かされているようだ。

消毒液の匂いもするため、治療院だろう。

 

「ぐっ.....う....」

 

体を起こそうとするが、思ったように動かない。

この様子では治癒能力者による処置は受けてないようだ。

 

≪星武祭≫参加者は治癒能力者による処置を受けた場合、その時点で失格になる。

 

その観点では俺はまだ失格にはなってないようだ。

しかし、それでも...

 

 

「ほぼ優勝は無理だなぁ...」

 

 

口に出して呟く。

 

 

「そんなことを仰らずに」

 

 

病室の入り口にはいつの間にか入ってきていたのだろう、金髪美人がいた。

 

 

「よう、エンフィールド」

 

 

クローディア・エンフィールド。我らが星導館学園生徒会長にして序列二位。

 

 

「そろそろクローディア、とお呼びください」

 

 

「嫌だね」

 

 

何せこの女は腹が黒いことこの上ない。

そのため一定以上信用しない、という意味をこめて姓で読んでいる。

 

 

「もう...、それで、体調はどうです?」

 

 

どうもこうも...

 

 

「大丈夫に見えるならお前が病院に行け」

 

 

なにせ体も起こせない程。

 

 

「瘴気が随分回ったようですね」

 

 

「まさか...≪スリュム≫の動きでそこまで雪が乱れるとはなぁ...」

 

 

そう、空が気づけなかったのは≪スリュム≫が≪白月華≫を押し込むのに動いた風圧で一部の雪がなくなり、瘴気の接近に気付けなかったのだ。

 

 

「まぁ明日の試合までは休んでいて下さい」

 

 

「ああ、有り難くそうさせてもらうよ...」

 

 

そのまま眠りに落ちる。

 

 

 

明日は準決勝。

相手はクインヴェール女学院序列一位にして生徒会長、そして世界の歌姫である≪戦律の魔女≫シルヴィア・リューネハイムだ。

 




空「さてはて後書きコーナーですが初回は残念ながらゲストは用意できませんでした」

空「ので、司会進行回答俺が行わせて貰います」

空「でまぁ最初になんだけど少々今後について」

空「ひとまず前書きでも言ったように、書きたくなったからで始めています」

空「あ、だからって失踪はしないよ!うん、たぶん、きっと、めいびー...」

空「ですが、お伝えした通り、状態が状態なので恐らくこれもバハムートも春までは投稿できません」

空「一応余裕があれば編集していきますが...、まぁモチベーションもそんなに保たない方だから期待薄かな?」

空「んでこれの話なんだけど、ヒロインどうしようかなー...と」

空「あ、今話と次話は原作の一年前、皆が中三の時の話からです」

空「恐らく三話辺りから綾斗が入ったりすると思うんだけど...」

空「リースフェルトと綺凛ちゃん、あと紗夜は天霧ガールズの予定で、空のヒロインはシルヴィアってのは決定事項なんだけど...」

空「クローディアをどうするかっていうのと、オリジナルでもヒロインを追加すべきかなーと迷ってて」

空「こんなテキトーな作者の作品に意見が言ってくれる人がいたら喜ばしい限りです」

空「それではこれからもよろしく!」
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