以前にじファンに投稿していた作品を、全力で書き直し、すこしだけマシになっていると思われます。
StrikerSだけでなく、 A's 後のちょっとした話や、ViVid編以降もちまちま書いていきたいと思います。
プロローグ
ぼくが魔法を知ったのは小学一年の時だった。
ある日、帰ってきた姉さんにいつものように駆け寄ると、隣に大人の女の人が立っていた。
その人はリンディ・ハラオウンという。確か、姉さんの友達の母親だ。その人が珍しく姉さんと2人で居たことに、ぼくは少しだけ疑問に思ったが、リンディさんの言うとおりに父さんと母さん、兄さんともう1人の姉さんをリビングに集め、ぼくもソファに座った。
そして、リンディさんが話し始めた。
『魔法』のこと、次元世界のこと、自分がその『次元世界』を統治する『時空管理局』という組織の『提督』という役職であること。
そして、姉さんが、『魔法使い』だということ。
まだまだガキだったぼくは半分すら理解できなかったが、姉さんが魔法を使える、ということだけは理解できた。
もちろん、父さん達は最初は信じられないでいた。
というのも、いい歳した大人が『魔法』と言うメルヘンな単語を使っている時点で少しアレなうえに、それが実在するとは信じられなかったんだと思う。
確かに、ぼくも普通に育てられ、もっと大人だったなら、そんなことを言われればとりあえず帰らせて、二度と来ないように言っただろう。
だがぼくはその時小学一年生。だから
「お姉ちゃん、魔法使いなの?」
とはしゃいだ挙げ句、
「ねえおばさん。僕にも魔法って使える?」
リンディさんにそう聞いたのだ。
「どうだろう? じゃあ、きみも調べてみる?」
「うん」
この時一瞬リンディさんの眉が吊り上がったのが見えたのだが、ぼくはさほど気にせずにいた。
今思えば、かなり危険な状態だったと言える。
そして、既に隠す必要も無くなったんだろう、『アースラ』という艦船に連れて行って貰い、ちょっとした設備に寝かされる。
「それじゃ、検査始めるよ」
確か、エイミィさんだったか。その人の陽気な声と共に、カプセル状のガラスの様なケースが身体を覆った。
映画に出てくるようなそれに無意味に感動していると、数分後にケースは開けられ、エイミィさんが、
「おめでとう! ぼくにも魔法が使えるよ!」
「ほんと!?」
とまあ、そんな感じでぼくにも魔法が使えると言われた訳だ。
それからは、少しだけ騒ぎになった。
ぼくの魔力資質は姉さんほどでは無いにしろ、かなり高い方だったのだ。
けれど、『魔法』について何もしらないぼくが簡単に魔導師になれるはずもなく――そもそも、そんな危険なコトを簡単に父さん達が認めてくれるはずもなかった。
危険と言えば、家でやっている小太刀二刀の剣術だってかなり危ない物だった筈だ。なんせ、人を簡単に殺せるようなモノだったようだし。
まあ、そんな高等技術はもちろん教えて貰っていないし、やっているのも基本的な素振り程度だったので、そんな事を考えても意味はなかったのだけれども。
だが、ぼくは諦めなかった。
ぼくは姉さん譲りの頑固さで――これを言うといつも怒られるが――、『姉さんと一緒がいい』という馬鹿らしくなるほど勝手な我が儘を貫き通したのだ。
今思い出すと、本当に迷惑を掛けてばかりだな、と我ながら呆れる。
まあ、反省はしていても後悔をすることは無いし、今も父さん達に悪いとは思ってはいるが、それだけだ。親不孝なんてレベルじゃ無い。
まったく、本当に馬鹿なガキだった。
だが、そのバカを貫く真っ直ぐさは、今のぼくには欠けているモノで、なんとまあ、今のぼくはこんなにも捻くれ者になっている。
ともあれ、無理矢理家族にぼくが魔法を習う事を認めさせると、それからぼくの猛特訓が始まった。