魔法少女リリカルなのは エース・オブ・エースの弟   作:ロア

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本編に入ってからうまく書けなくなってしまった。

原作の流れを崩したくないので、好き勝手書けないんです。


20話 StrikerS2

 六課に来てから少し経ち、フォワードメンバーはそれぞれに専用デバイスが与えられ、初陣を済ませたらしいが、ぼくらは隊舎で待機をしていた。

 

「まあ、ぼくらは交替部隊だからな。そうそう出番は無いさ」

「けど、さすがにこうも動かねぇと鈍っちまうぜ」

「実戦は無理なら、高町一尉達に訓練してもらうか? 最近はヴィータ三尉達も参加しているそうだが」

 

 そうだな、頼んでみるか、と潤が言い、ぼくも頷く。

 

 

~~~~~

 

 

「「アクセル!」」

 

 ぼくの回りに大量の魔力弾が生成され、姉さんの魔力弾を次々と相殺していく。

 

「イノセントハート!」

 

 ブレードフォームにしたイノセントハートを握って飛行魔法で空を飛ぶ。

 四方八方から飛んでくる魔力弾に向けて剣を構え、それらを全て切り払う。

 

「シュート!」

 

 ぼくに撃ち出される砲撃を高速機動で避け、そのまま姉さんの背後に回ると、イノセントハートで斬りかかる。

 が、それは姉さんのシールドに防がれ、ぼくは左から、姉さんが操作した誘導弾の攻撃を食らってしまう。

 

「一騎はかなりのオールラウンダーだけど、攻撃一辺倒すぎる。せっかく色んなことができるんだから、相手の出方を見て、それぞれの対応ができるように、もっと考えてやってみようか」

「了解」

 

 ぼくは被弾した左腕を押さえながらそう返す。

 そこを軽く撫でながら意識を切り替え、、ぼくはイノセントハートをアクセルモードに戻した。

 

 

~~~~~

 

 

「でりゃああああああ!!」

「ぐ――っ!!」

 

 ヴィータ三尉が振り降ろしたデバイスを、盾で受ける。

 飛行魔法をフル稼働させ、飛ばされないように踏ん張る。

 それでも、小さな身体からは想像できないほどの威力をぶつけられて叩き落とされ、地面を大きく滑ってようやく止まった。

 

「お前は鎧の重量とかがあるな。そのお陰で踏ん張りはかなり強い。けど、あんま防御使ってねぇだろ」

 

 図星を突かれ、俺は頷く。

 

「やっぱりな。前見ててわかったが、お前の盾の使い方は、バッシュで隙を作ったり、相手の武器を弾いたり逸らしたりするような感じだ」

「高町――弟の方です――と手合わせをしていくうちに、防ぐよりも、そうする使い方が多くなりました」

「アイツはスピードと手数で攻めてくるタイプだからな。それはわからなくもねぇ。けど、そのせいでお前は戦い方がごちゃごちゃだ」

「ごちゃごちゃ、ですか」

「手数で攻めることもあれば、力任せもある。それ自体は悪いことじゃねえが、どれも中途半端。つまり安定しねぇ、って意味だ。それは直さなきゃダメだ」

「わかりました」

「時間がありゃ、シグナムやあたしが教えてやれる」

 

 ヴィータ三尉はデバイスを振るい、

 

「お前はあたしたちと同じ、ベルカの騎士だからな」

「――了解しました。よろしくお願いします!」

 

 俺も頷くと、剣と盾を構える。

 

 

~~~~~

 

 

 ステップ。

 右、左とステップを繰り返し、次々と飛んでくる弾を避ける。

 首を傾けて頭を僅かに逸らすと、顔のすぐ横を弾が通り抜け、腕を少しだけ上げると、脇すれすれを弾が掠っていく。

 それにゾクゾクとした感覚を覚えながら、俺は口許に笑みを浮かべ、加速していくスフィアの射撃を身体の傾きとステップを使い、紙一重で避け続ける。

 このギリギリの感覚は、病み付きになる。

 誰だって経験したことがあると思う。スポーツなどの試合の時に、自分と相手との実力がほぼ互角で、ラリーや鍔迫り合いなどの打ち合いが延々と続いていく時に感じる、背筋を駆け上がる快感や高揚感を。

 この感覚は、それに酷似している。弾が自分の身体を掠っていく緊張感、その風圧で短い前髪が揺らされる。

 これが、たまらなく楽しい。

 

「はい、そこまで」

 

 が、テスタロッサ執務官がスフィアを止め、俺はかなり残念な気分になった。

 頭から水を被せられたように、火照っていた身体と頭が急激に冷えていく。

 

「潤の動きはすごく無駄が無くていいと思うよ」

 

 訓練校時代は真逆の事を言われたな、と考えながら、俺は姿勢を正す。

 

「でも、なんだか危なっかしい。わざとギリギリで避けてる、って感じかな。最小限の動きで避ける、っていうのとは違う感じがする」

「と、言いますと?」

「もしかして、楽しんでる?」

「……まあ」

 

 俺が曖昧に頷くと、テスタロッサ執務官は頭を抱える。

 

「あ、あのね。遊びじゃないんだよ。回避の技術は、私や潤みたいに装甲が薄いタイプには一番重要な事なんだから」

「それはわかります。身を以て思い知ってますから」

 

 強行偵察課に居たときは、オフシフト時は模擬戦ばかりだった。

 が、同期にはミッド式が多いので、よく俺とアローンは射撃の的になっていた。捌き方はかなり覚えられたが、しかし自信があるかと聞かれるとあまり無い。

 

「装甲が薄ければ、ちょっとした攻撃が致命傷になる。だから、回避には確実さが求められる」

「ギリギリで楽しんでる余裕はない、と?」

「そういうこと」

「わかりました」

 

 俺は素直に頷く。

 

「感覚としては、拳一個分くらいの隙間があれば、確実に避けられるから。そういうところを意識してみて」

 

 もう一度スフィアが動き出す。

 俺はテンションを調整し、身体を高揚させた。

 

 

~~~~~

 

 

 やれやれ、と集まったぼくらは同時につぶやいた。

 

「お疲れ。どうだった?」

「やっぱすごいな、執務官殿は。逐一俺のダメなところを指摘する。あんな速い動きの中で、よく見付けられるもんだ」

「ヴィータ三尉も――こう言うのはなんだが――身体は大きくないのに、俺を吹き飛ばすほどの力を持っている。副隊長を任されるわけだ」

 

 全員、それなりに有意義だったようだ。

 

「フォワードはあんな訓練をいつもやってんのかね」

「まあ、そういうことだろうな」

「羨ましいのか?」

「少しだけ、な」

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