前回は、嵐花が何かしていましたね。今回は何をするのか…。
気がつくと海にいた。
(あれ…?体が動かせない…。)
目の前には梨子、隣には鞠莉がいる。
自分の体なのに目すらも動かせず、自動で動く映像を観ているかのようだった。
だが。
「梨子ちゃん!!!」
その強い意思は体に伝わり、力を呼び覚ます。
「大丈夫?梨子ちゃん。】
少しだけ自由になった体で、梨子を心配する〇〇
(よかった…。)
梨子の無事を確認すると、それはまた吸い込まれるように体に戻っていった…。
【梨子ちゃん、もう元気?】
「うん!元気よ!」
「次は何する?」
まだ大瀬崎の浜辺にはさんさんと太陽の光が降り注いでいる。
鞠莉は自分が用意したレジャー部隊を全て撤収させていた。先程のフライボードの件があったからだ。
なので今はノープラン。梨子の用意した遊びだけが頼りである。
「う〜ん、そうね…。ー…まだ暑いし、先にダイビングやろっか!」
「いいわね!」
【おー!】
3人は一緒に、観光客で賑わう砂浜まで戻る。
歩く3人の目の前に見えてきたのは、昨日も寄ったダイビングショップだった。
先日お世話になったインストラクターの男性に教えてもらいながら装備を付ける。
フィンもそうだが酸素ボンベは思ったより重かった。
「果南ちゃんって…こんなに重いもの毎日…扱ってるのね…。」
「そうね…というか花丸…」
【?】
十数キロはある酸素ボンベを片手で持つ嵐花。
それでいて体の力は抜いているように見えた。インストラクターの顔が若干引きつっている。
「すごい!嵐花ちゃん、それ片手で持てるの!?」
【?ーうん!】
しかし、ボンベの使い方が分からない嵐花は、それをブンブン振り回し始めた。
「嵐花ちゃん!これそういう使い方じゃなくてねーー」
【お?おお??】
遠心力で回転が止まらなくなる嵐花。
「!?ーー嵐花ちゃん!!」
梨子が嵐花を止めようととっさに前に出る。
「!!
ー梨子っ!!!!!」
嵐花の回転は予想外に速く、回りすぎてよろめいた嵐花のボンベは鞠莉が動くよりも先に梨子の頭を直撃しそうになる。
鞠莉は梨子を止めようと手を伸ばすがーー
(ダメ…!!間に合わない!!!)
あの速度で十数キロの酸素ボンベが人の頭に直撃すればどうなるか。
このままでは確実に梨子はーー
目の前の世界がスローモーションになる。
(梨子…!
(梨子…!!
(梨子…!!!)
目の前が霞む。
(イヤだ…!!
(イヤだよ…!!!
(梨子!!!!!)
「………!!!!!!」
その時
鞠莉は永遠にも感じられる時の中で確かに見た。
梨子にボンベが直撃する直前、何かーー
ドボゴォォォォン!!!
ものすごい音を立てて、酸素ボンベは床を突き抜け砂浜に沈む。
海が、人が、空が静まり返る。
鞠莉と梨子、そして嵐花も、時が止まったかのように固まっていた。
第15話『死相』いかがでしたでしょうか。
正直強引な話の持って行き方だと思いましたが、「勢いで行っちゃえ!」というわけでこんな話です。
ちなみに、鞠莉が走馬灯の様な体験をしていますが、梨子が何を思っていたか。
(あっ…これ…。 …私、)
です。次回、どうなっているのか、お楽しみに〜。