前回、嵐花の振り回したボンベに頭を持っていかれそうになった梨子。
それを助けたのは誰なのか?
どうぞ!
しばらくして、鞠莉が床に膝を落とす。
「う…う…。
ーうあああああああぁぁぁぁぁぁぁぁん!!!」
そして、大声で泣き始めた。
「鞠莉ちゃん…。」
間一髪、難を逃れた梨子は鞠莉の近くで膝を降ろす。
「バカっ…バカ…梨子のバカぁ…。
ーバカ…バカバカバカバカ…!」
梨子をひたすらに叩く鞠莉。
「バカ…!死んじゃったらどうするのよ…!」
「ごめん…。」
「私…すごく怖かった…!梨子がいなくなっちゃったらって…!」
「…ごめん…。」
「ダメ…もう絶対許さない…!」
「……………ごめん……なさい……。」
「イヤ。」
そっぽを向いてしまう鞠莉。
梨子はそんな鞠莉に近づき、その背中に額を乗せる。
「鞠莉ちゃん…。私…約束する。ーもう無茶はしない。勝手にどこかへいなくなっちゃうなんてこと、絶対にしないから…。
ーお願い…こっち向いて…。」
「ほんと……?」
そっぽを向いたまま、鞠莉は応える。
「本当だよ。私、もう鞠莉ちゃんの手、離さないから…!」
そう言って梨子は、鞠莉の手をギュッと握った。
その温かさに鞠莉は安堵し、そして振り向き、ハグをする。
「約束…絶対だよ…?ー次やったらもう、罰ゲームじゃ済まさないから…!」
「うん…!」
目の前がぐるぐるしたと思ったら、体から飛び出していた。
「うわわ!なんずら!急に!?」
よく見ると、現実にいる自分がボンベを振り回している。
そして、そこに突っ込もうとしている人影がひとつ。
「!!ーー梨子ちゃん!!」
それを見るなり少女の体は梨子の目の前に移動する。
そして、回ってくるボンベに手を突き出した。
(お願い…!!)
少女の手は光を放ち、ボンベと衝突する。
ボンベは床を突き抜け、砂に沈んだ。
「ふぅ…間一髪ずら…。」
少女は一息つくと、呆然と立ち尽くしている自分を睨みつける。
そして
「こぉぉぉぉ〜らぁぁぁぁぁ〜!!!!!」
大声で怒鳴り始めた。
そのあまりにも大きい声に、嵐花は体をすくませる。
少女は砂に沈むボンベを指差して言った。
「こんなもの振り回したら危ないずら!!もう少しで梨子ちゃんに当たるところだったんだよ!?」
【………。】
嵐花は俯いたまま答えない。
「こんなものが当たったら人の頭なんて簡単になくなっちゃうずら!分かってる!?」
【………。】
少女はなおも責めたてる。
後ろでは鞠莉が大声で泣いていた。
【…なさい…。】
「…なに?」
【ごめん…なさい…。】
絞り出すように嵐花は声を出した。
それに対し少女は頷く。
「うん。
ーでもその言葉はーー
ー…おらに言うことじゃないよね。」
少女は厳しい顔を少し緩め、嵐花の背中を押す。
【うん…。】
「じゃあ…行こっか。」
少女に促され、嵐花は梨子の方へ歩き始めた。
第16話『Promise you』いかがでしたでしょうか。
嵐花と花丸の感情には気を使っているつもりですが、やっぱり思ってたのと違うのは、イレギュラーの鞠莉がいるからかな。
次もお楽しみに!