ハリケーンブロッサム   作:びしゃもん

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第5話です。
ちょっと場面転換が分かりにくかったので、チャプター表示みたいなのやってみました。
少しは見やすくなっているでしょうか?
次回は行間も見直してみようかな…。
そんなこんなで編集は試行錯誤で行なっていきます!どうぞ!


行かないで!

ーーーーーーーーーー鞠莉、大瀬神社ーーーーーーーーーー

 

 

鞠莉は神社の境内で汗をかいていた。

暑いからではない。冷や汗だ。

 

(おかしいわね…こんなに探してもいないなんて…。)

 

もうこの中をざっと3周はしている。

あと調べていないのは神様が祀られている場所くらいだ。

 

(まさかとは思うけど…)

 

鞠莉は神社の神主に事情を話す。

神主は快く鞠莉の申し出を受けてくれた。

 

「ありがとうございます。」

 

神主と一緒に本殿の中に入るが…。

 

「やっぱりいない…。」

 

このままではいたずらに時間ばかりが過ぎてしまう。

 

(仕方ない…ここは神主さんに任せて、外へ行こう。まだ近くを歩いているかもしれない。)

 

そう思った鞠莉は、神主に名前と連絡先を渡して、大瀬神社を後にすることにした。

 

 

ーーーーーーーーーー梨子sideーーーーーーーーーー

 

 

「あの子は…。」

 

突然、花丸が呟き走り出す。

 

「あ!花丸ちゃん!ちょっと待って…っつ!」

 

梨子が腕を掴んで止めようとしたが、花丸の腕の力は異常に強く、振り放されてしまった。

 

【うふふふ…遊ぼう…遊ぼう…。】

「誰!?誰なの!?」

 

妙な声が聞こえる。

走る花丸の周りを不思議なモヤが取り囲んでいた。

このままでは、花丸が連れて行かれてしまう。

 

「待って!!!花丸ちゃん!!!!!」

 

梨子は叫び追いかけたが、境内から出ようとしたところでつむじ風に吹き飛ばされてしまった。

 

「きゃあああああああ!?……かはっ!」

 

背中を強く地面に打ちつけた梨子は、そのまま意識を失った…。

 

 

ーーーーーーーーーー鞠莉sideーーーーーーーーーー

 

 

鞠莉が本殿から出ると、参道の中程に人だかりができていた。

 

「いきなり目の前に出てきてさあ…」

「うん!びっくりしたね!大丈夫かなあ…」

「救急車は呼んだか!?この子大丈夫か?」

 

野次馬の声が聞こえてくる。

 

(!!ーーーまさか…!!)

 

嫌な予感がした鞠莉は、人混みをかき分けて前に出る。

そこにいたのはーー

 

「!!!

梨子っ!!!!!」

 

梨子だった。梨子が仰向けで倒れている。

 

「んん…。んんん…。」

「大丈夫!?…私の声が聞こえる!?梨子!」

「…。」

 

呼吸は正常。脈も変わったところはない。

今のところ急を要する状態ではないことに鞠莉は安堵した。背中を強く打って気を失っているだけのようだ。

 

「すぐに運ぶから我慢して…!

…すみません!通してください!…あ、救急車はとりあえず大丈夫です。…あ、ありがとうございます!」

 

梨子を背負って歩く鞠莉。

神主が社務所を使っていいと言ってくれたので、鞠莉は厚意に甘えることにした。

梨子をベッドに寝かすと、休む間も無く鞠莉は行動を開始する。

まだ花丸が見つかっていないからだ。

まずは神主、海水浴場、ダイビングショップ、周りに点在する旅館…。

あらゆる所を回った。回って、今回のことについて話した。

みんな、手が空いた時に花丸を探してくれるらしい。

そんな地元の暖かさに感謝しながら、鞠莉は梨子の元に戻る。

時刻は夕方を回り、日も沈みかけていた。

 

「ただいま、梨子。」

「…。」

 

ベッドの脇に座り、鞠莉がウトウトしていると…。

ーーピクッ

梨子の指が一瞬振れた。

 

「…梨子…?」




第5話『行かないで!』いかがでしたでしょうか。
気を失う時は「かはっ!」これは譲れません。声を出せず、息だけが肺から追い出される音です。
人間は本当に痛い時、苦しい時、声は出ないんです。気を失う時もね。
次回もお楽しみに!
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