僕の友人がヤンホモだった。   作:ぐ腐腐

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 昼休み。

 窓の外で元気に飛び回っている鳥達を眺め、ぼうっとしていた。

 席が窓際ということもあり、日差しが入りぽかぽかといい気分になってくる。

 

 

「気持ち悪いんだよお前!」

「………」

「バケモノみたいな目しやがって!クソタニのくせに!」

 

 

 なんだかクラスは騒がしいが、教室でいつも一人でいる僕に関係ない。え?ぼっちだって?いやいや、僕はぼっちじゃない。ただ一人が好きなんだ。……ほんとだよ?

 

 

「ほら!謝れよ!バケモノのくせに生意気言ってごめんなさいってよぉ!」

「………」

 

 

 あまりの騒がしさに騒ぎの方を横目で見るとガキ大将のようなクラスメイトがクソタニと呼ばれた男の子に謝るよう促していた。

 だが、男の子の方は謝る気などさらさらないらしく黙ったまま席に座っているだけ。

 その態度にガキ大将は腹を立てたのか、男の子が座っている席の机を大きな音を立てて叩いた。

 

「おい!謝れって言ってんだろ!」

「……何で謝る必要があるんだ」

「テメェが悪いからだよ!」

「……自分の席で本を読んでいるだけなのに悪いのか?」

「ああ悪いね!お前のその根暗な雰囲気がクラスの雰囲気を悪くしてんだよ!」

「はぁ………?」

「いいから早く謝れよ!」

 

 

 流石に僕も見ててイライラしてきた。

 あの男の子は何も悪くないのにガキ大将の屁理屈で謝せられようとしている。なぜ周りは止めようとしない?明らかにいじめだろう。

 

 

「……はぁ分かった分かった。すまん」

 

 

 彼は面倒くさくなってきたのか席を立ち、頭を下げて謝った。謝る必要のない彼が。

 

 

「はぁ?誠意が足りねぇなあ、土下座しろ土下座」

「…………」

 

 そのニヤニヤとした顔と、自分をこのクラスの王様か何かと勘違いしている様子を見て思う。

 

 

 

 ———くだらな。

 

 

 瞬間、クラスが凍りついた。

 

 

 あれ?僕、今声出てた?

 

 

「あ?お前今なんて言った?」

 

 酷く苛ついた様子で僕に近づいてくるガキ大将を見て、声に出ていたことを理解する。

 ま、まあ、いい機会だし?お灸を据えてやるよ(震え声)

 

 

 ———くだらないって言ったんだよ。なんであの子は何も悪くないのに土下座させようとしてんだ?

 

「はぁ?お前に関係ねえだろ!」

 

 ———嫌でも聞こえてくるんだよ。ていうかあの子が本読んでることもアンタに何の関係もないだろ。

 

「だからそれがクラスの雰囲気を悪くしてるって言ってんだよ!」

 

 ———そう言うお前が一番クラスの雰囲気を悪くしてることにまだ気づかないのか?

 

 ガキ大将は周りを見渡し、自身を見るクラスメイトたちの冷ややかな視線に気まずそうに顔をそらす。

 

 

 ———分かったならこんなことは二度とするな。

 

 

「……ッチ!」

 

 僕が言いたいことを全て言うとガキ大将は舌打ちをしながら自分の席に戻っていった。

 ふう……まあこんなもんよ(震え声)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…………」

 

 

 

 

 

 ****

 

 

「なあ、佐々木…」

 

 放課後、土下座させられようとしていた男の子から声をかけられた。どこか不安そうな目で見てくる男の子。髪の毛のアホ毛がぴょこぴょこと動いている。

 

 

 どうかした?

 

 僕がそう言うと彼は恥ずかしそうに顔を俯かせる。

 

「その、今日は…ありがと」

 

 あー、気にしないで。僕が好きでやったことだし。

 

「へっ、好き!?」

 

 え?

 

「あ、ううん!何でもない!何でもないぞ!」

 

 そ、そう。

 

 なんか変なすれ違いが起きている気がする。

 まあでも彼はお昼の時より元気そうだし、「余計なことすんなよオラァン!?」とか言われなかったし良かった良かった。

 

「あ、あとな……俺の目の事、どう思う…?」

 

 え?目?

 

 どこかにデキモノでもできているんだろうか。彼の目をじっと見つめるも、それらしきものは見当たらない。

 

 

 別に…普通に綺麗な目だな、としか。

 

「ほ、本当か!?」

 

 がばっ!と音が出そうなほど勢いよく顔を近づけてきた彼に驚きつつも本当だ、と返した。

 

「そっか……そっかぁ」

 

 要件はそれだけ?

 

「あ、うん。ごめんな引きとめちゃって」

 

 ううん。大丈夫。それじゃあまたね比企谷君!

 

「うん、また明日」

 

 

 僕は比企谷君に別れを告げると、そのままいい気分で家まで帰った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「俺の目のこと綺麗って言ってくれた……しかも俺の名前もちゃんと覚えててくれてる……そっかぁ、これが運命なんだな。俺の運命の相手はあいつだったんだ。お前もそう思うだろ?咲人」

 

 

 

 

 

 

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