今回もグレンが若干暴れます、下品、暴力表現注意です。
では13話目をどうぞ!
「俺か?俺は、グレンだ」
ヤクをキメて若干ハイになりながら、俺は周りのヤツらに自己紹介をしてやる。
すると目の前のジャージ小僧、もとい浅木が笑いながら言いやがった。
「グレンか、アンタも十分変な名前だな」
「心配すんな、テメェよりゃマシだ」
「いちいちムカつくなアンタ」
「オーオーそりゃ悪かった、こんな性格なもんでな、許してくれや」
「仕方無いから許してやる、俺は心が広いからな」
やたらと食って掛かって来やがるなコイツ。
メチャクチャウゼェしムカツクがここで暴れても、あまり賢いとは言えねぇ、我慢だ。
「アリガトー」
「……凄い片言だな」
「だって俺カナダ人だもん」
「わざとらし過ぎて突っ込めないぞ」
くだらねぇ問答をしてると、呆れ顔の慧音と魔女が話に入ってきた。
「…話の最中に申し訳無い、私達は何時までこの茶番に付き合えば良いのかな?」
「浅木ー…さっさと食料貰って帰ろーぜー…」
「ああ、そうだったな…」
そう言や、俺も目的があってここに来たんだったな。
この世界、幻想郷っつう場所にいきなり飛ばされた理由、それとこの世界がどんな世界なのか…
あと帰り方も聞かねぇと。
「おいクソ女」
「……君は本当に口が悪いな」
「ウルセェ、生まれつきだ。
それより聞きてぇ事がある」
「何だ?答えられる範疇ならば答えよう」
「この世界、幻想郷とか言う世界と俺の居た世界ってのは違う世界なのかよ?」
「……違う、とも言えるが…同じとも言える」
煮え切らねぇ答えだ、俺が一番望んで無い答えだぜ。
「どういう意味だ、説明しやがれ」
「ふむ、説明しよう。
先ず君が言うこの世界、幻想郷と君が居た世界は繋がっている。
関係性と言う観点でも、地続きと言う観点でもだ。
幻想郷と言う土地は、君達の居た世界で言う「日本」と言う島国の一角に存在している、遥か昔からな」
…こりゃビックリだ、幻想郷ってのは地球に存在する土地だったとはな。
俺はてっきり異星に連れ去られたのかと思ってたぜ。
思わぬ事実に浅木とか言うガキもだいぶ驚いてるみたいだ。
「……ってことは、此処は…幻想郷は日本…?」
「否、違うな。
正確に言えば日本と言う国の中に在るもう一つの国、それこそ外の者、幻想郷に住まっていない他の者が干渉する事さえ出来ない世界、それが幻想郷だ」
「良く出来た設定だな、どこのSFムービーだ?
つうか干渉も出来ねぇ世界ってヤツなら何で俺は幻想郷なんて場所に来ちまってんだよ?」
「……幻想郷には外から何物もが入り込まない様に、二重の結界を張っている。
その結界の効力により何物もが入り込む事を防いでいるのだが…」
「……その結界を管理していた内の一人、博麗霊夢が消えた…と?」
「!!知っていたのか…」
「私が教えたんだぜ…人間である外来人に話す様な話ではないけど我慢出来なくて…」
あー、何言ってんのか全然わかんねぇよ…
退屈になってきたな、ワンコ何してんだろ。
「…致し方無い、この際だ…知って措いて貰おう。
良いか?消えたのは一人では無い…
この幻想郷の実質的な管理者であり、創造主でもある妖怪…八雲紫も消えてしまったのだ」
「…これは、俺が幻想郷に来てしまったのも偶然じゃ無さそうだな…」
「私もそう思う、何か思惑があるとしか思えん……恐らく八雲紫の仕業か…」
要するにヤクモユカリとか言うヤツのせいで来たくもねぇ場所に無理矢理拐われたっつうことだよな?
「……なぁ、今の話聞いてたら俺思っきりとばっちりじゃねぇか」
「そればかりは私に言われても困るな…」
「…元の世界に帰るにはどうすりゃ良い?」
「それは…」
口隠る慧音を見て魔女が口を開く。
「…帰れないぜ」
予想通りの言葉を呟く、そんな事だろうと思ったぜ、クソが。
「魔理沙…理由は?」
「変える方法はあるんだ…でもそれは霊夢が居ないとどうにもならないんだぜ」
「チッ、そう言う事かよクソッタレが」
結局帰れ無い事には変わりはねぇ、もう少しこの幻想郷に居る事になりそうだな。
「で?その霊夢とやらは何処に居やがんだ?」
「それは私が知りたいくらいだ、私も霊夢を探してるんだけど居場所はおろか手懸かりすら見付からないんだぜ…」
はた迷惑なこった、唯一の救いは妹に金を送ってからで良かった。
金は大事だもんな、金がありゃ何でも出来る。
「それはさておき、おタバコ吸ってよろしくて?」
「グレン、一本くれよ」
「ほれ」
「ありがと」
俺はタバコの箱を浅木に差し出すと浅木は礼を言いながらタバコを一本取った。
「ハァ…自由奔放な奴等だ…」
「私の話は無視なのか…」
俺は自分のタバコと浅木のタバコに火を付けると、煙を深く吸い込み、吐き出す。
「要はその霊夢とか言うガキを捜せば、元の世界に帰れるんだよな?
ならさっさとそのガキ見付けて帰ろうや」
「そうだな、賛成だ。
霊夢ちゃんを捜すにしても魔理沙一人より俺達三人の方が手っ取り早いだろ?」
「…でも、二人共人間だし…危ないぜ?」
「少なくとも、魔理沙より強いぜ?」
「………あほ」
「生まれつきアホで馬鹿なんだよ」
何だコイツら、ラブラブか?
スゲェイライラしてきやがる、潰すか?ん?
「…何を怖い顔をしてるんだ?」
慧音が心配そうに俺の顔を覗いて来る、怖い顔は生まれつきだ、クソ女。
「普通だ、てかテメェは何か心当たりねぇのかよ?」
「…二つだけ、ある」
「何処だよ?」
「天界と地霊殿だ」
テンカイとチレイデンか、中々美味そうな名前だな。
「天界、地霊殿…両方極めて危険な場所だ。
現在、天神では圧倒的な力を持て余した天人が、地霊殿では鬼共が蔓延って居る」
「それは妖怪より強いのか?」
浅木が質問すると慧音は首は縦に振る。
「正直に言おう、別次元と言っても過言では無い。
君達二人がどれだけ強かろうがこの場所に行くのは自殺行為だ」
「私も、その場所に近付くのは止めた方が良いと思うぜ」
鬼に天人…本当にSFの世界だぜ。
しかし、心当たりあるって言ったりその場所には近づくなって言ったりややこしいヤツだな…
「天人ってのと鬼ってのには脳ミソあんのかよ?」
「…いきなり何だ?」
「良いから答えろ、心臓は?」
「あるにはあるが…」
「なら簡単な事じゃねぇか、ソイツらのドタマに鉛弾ブチ込んで心臓抉りゃ終いだろ」
「……悪い事は言わない、止めろ」
「だが、行かないことには…」
ーーウワァアアアア!!!
浅木が反論しようとした瞬間、いきなり男の叫び声が教室に響いた。
素早く立ち上がり、慧音と妹紅が寺子屋から飛び出すのと同時に俺はホルスターから銃を抜き、構えながら後に続いた。
「何事だ!!」
「慧音さん…天狗が!!天狗が!!」
外に出ると若い男が慧音に泣き付いていた。
里の広場に目を遣ると明け方に殺ったヤツらに似た格好をしたヤツらが若い女を取り囲んで辺りを睨み付けていた。
良く見れば天狗の足元に血塗れのおっさんが倒れている、多分死んでるだろう。
観察していると、背後から聞き慣れた声が聞こえた。
「グレンさん!これは!?」
「ワンコ…どうやら昨日殺ったヤツらが来やがったらしい」
「そんな!!?」
「グレン!何の騒ぎだ!」
一足遅れて浅木と魔女が寺子屋から出てくる。
浅木は天狗の姿を確認すると目付きを変え、睨み付けた。
「どうやら殴り込みみてぇだな」
「何で今更…?」
「狙いは俺か…クソ共が」
俺はぼやきながら天狗共に近付いて行く、数は12、3匹ってとこか、害虫が。
だが、近付く俺を慧音が手で制すると天狗共に尋ねた。
「何の用だ…」
「…我等の同胞を殺害した者を差し出せ」
「私達はそんな者知らん!その女性を置いてさっさと消えろ!!」
「……知らん?そんな訳があるか…ソイツなのだからな」
そう言いながら俺に指を指す天狗、見た目クソジジィなのが、余計にムカツクな。
「…君なのか?」
「……メンドクセェ、取り敢えずお前死ね」
ーーパンッ!!
そう言いながら引き金を引く、すると放たれた弾丸は天狗の頭に吸い込まれ、消える代わりに紅い花を咲かせた。
「……う…く…」ドサッ
「チッ、行くぞ!」
「貴様等、この娘を救いたいのならその男を天狗の里に一人向かわせろ!」
それだけ言い残すと天狗共は目にも止まらぬ速さで飛び去った、女を連れて。
「……メンドクセェ」
「…グレン君」
慧音が不安気に俺を見て来る。
「ハァ…行く行く行きますよ…」
「一人で行くのか?」
「一人で十分だ、あんな雑魚共」
「だ、ダメです!いくらグレンさんでも里の天狗全てを相手にするなんて絶対に無理です!」
ワンコがワンワンと吠えやがる、はいはいワンワンワンワン」
「ちょっと!途中から考えが口から出てますよ!!」
「ハハハ、気にすんな」
笑いながらワンコを撫でてやりながら銃をホルスターに収める。
同時にずっと押し問答を決め込んでた浅木が不意に口を開いた。
「……グレン、俺も行こう」
「止めとけ、死ぬぞ」
「大丈夫だ、逆にアンタ一人だったら間違い無く死ぬぞ」
「…………チッ、勝手にしやがれ」
「素直じゃないな、ありがとう、だろ?」
「ブチまけられてぇのか?」
俺一人でも余裕だっつうのに、精々足を引っ張ってくれんなよな。
「グレンさん、私も…」
「ダメだ、ここに居ろ」
「で、でも!」
「足手まといだ、居ろ」
「っ……… はい」
ワンコは泣きそうな顔をして俯き、小さく頷いた
「泣くな、素振りでもしとけ、帰ったらまた撫でてやる」
「…はいっ」
深々と頭を下げるワンコ、この耳を見ると無性に撫でたくなるな。
「……私は…」
「魔理沙も居てくれ、大丈夫すぐ戻る」
「怪我、すんなよ?」
浅木が魔女の頭を撫でながら笑う、だが目が据わってやがる。
コイツ、中々肝っ玉でかそうだな。
「済まないな、私は里を守らなければならない、助けにはなってやれない」
「テメェで蒔いた種だ、何とかするさ」
俺はワンコから武器の入ったバッグを受け取り、肩に背負うと歩き始めた。
後ろから一つの影が付いて来る。
「ほら、肩に掴まれ」
「…何でだよ」
「歩くより飛んだ方が速いだろ?」
「……テメェ俺より人間止めてんな?」
「そんな事言うならグレンだけ歩きで行けよ」
ムカついたので浅木くんの肩を強く握ってやる。
「いっ、イテテテ!」
「さっさと行けクソヤロウ」
「うぐ…畜生……落としてやるからな」
「死なば諸ともって知ってっか?」
バカを言いながら俺と浅木は山に向かった。
はい13話でした!
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ではまた次回!