東方四面楚歌   作:ソーヤー麺

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はい17話です。

今回から碧生編です!


ではどうぞ!





三人目の男、名は碧生
三人目の男 碧生


 

 

 

 

 

 

 

 

ボクには記憶がない。

強いて言うなら産まれてから13歳までの記憶を一切失っている。

本当は自分自身が人間なのかも解らない。

だって気付いたら生まれていて、しかもいきなり13歳、正直に言えばボクが人間なのかも解らないのだ。

 

ボクは施設で産まれた、らしい。

13歳から面倒を見てくれていた義母が教えてくれた。

ボクが産れる時、酷い難産でそのせいで13年間意識が無かったのだと教えてくれた。

その時に本当の母さんが死んだとも教えてくれた。

 

父さんは既にこの世を去っていて、ボクには父さんがいなかった。

だけど義父が本当の父さんの代わりをしてくれた。

義父さんは凄く優しくて、ボクに色々な事を教えてくれた。

勉強、マナー、一般常識、果ては娯楽や楽器なんかも教えてくれた。

元から空っぽだったボクの頭は、それをスポンジみたいに吸収して、全くの無能だったボクはすぐに同年代の知能指数を越えた。

 

それから義母さんと義父さんはボクを学校に通わせてくれた。

中学校に行くようになってからは沢山の友達が出来て、部活も頑張った。

毎日が凄く楽しくて、義母さんと義父さんへの感謝の気持ちはさらに増していく。

 

 

 

ある日、義母さんがボクに言った。

 

「やっと人並みに笑うようになったわね」

 

ボクは考えた、人並みって、なに?

ボクは教えてもらってないよ?

 

 

 

ボクは毎日考えるようになった。

人並み、それはどう言う事なのか。

人並みに遊んで、人並みに笑って、人並みに悲しんで、人並みに怒って、人並みに死ぬ?

そんなのみんな同じじゃないか。

そんなの、みんな同じ人形みたいじゃないか。

 

ボクは人並みと言う言葉が嫌いになった。

みんなと同じが耐えられなくなった。

 

それからボクは、他人と違う事を始めた。

 

とにかく、他人と同じになりたくなかった。

人並みと呼ばれたくなかった、生きてる気がしないから。

ずっとそうして生活を続けていた。

 

そんなある日、義母さんと義父さんが紅葉を見に行こうと言ったので、ボクもついて行った。

鮮やかな紅葉を初めて見て、ボクは感動した。

紅葉が好きになった。

 

一人で山を歩いていると、とある花が目に入った。

紅葉よりも紅く、孤独に一輪だけ咲いていた花。

それを見てボクは興奮を覚えた。

 

僕もあの毒の花の様に咲いてみせよう。

 

初めて見た彼岸の花を、ボクは持ち帰れ無かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

20××年 11月6日 午前1時34分

ーー京都府、篝燈神社

 

その日、男女五人の集団が篝燈神社に来ていた。

 

「ここだよね~心スポの神社って」

 

若い、化粧の濃い女が笑いながら呟く。

 

「そそ、さて行きますか!」 

 

若い、金髪にジャージ姿の男がハイテンションのまま境内へと近付いて行く。

 

「ウチちょー怖いって!」

 

「大丈夫大丈夫、なんかあったら守ってやるよ」

 

「マジかっこいい!///」

 

一人の男が、拝殿を通り、本殿へと向かう。

 

「開けるぜ、カメラ回しとけよ」

 

「待ってLINE来た…………よし良いぜ」

 

ーーガラッ

 

「……………」

 

そして金髪のジャージ男が、本殿の襖を開ける。

だが中にいたのは般若の面を被り、袴姿の男が正座していた。

 

「ぎ、ぎゃああああ!!」

 

「出たでたででで出たあああ!!!」 

 

「きゃあああ!なになになに!!?」

 

「ちょ、おいていかないでよおお!!」

 

「ひゃあああ!!」

 

男女五人は叫びながら走って逃げた。

特に男は女を無視して慌てて逃げて行った、守ってやるよ、とは何だったのか。

 

「…………くくっ…ふふ…っ、あははははっ!」

 

暫くすると袴姿の男が爆笑し始めた。

 

「くくく…今の顔ケッサクだったねぇ…いやぁ良いリアクションしてくれるよww」

 

ひとしきり笑い終え、男は般若面を取る。

 

「はぁ、しかしせっかく神様が直々に出てきてあげてるのになぁ…勿体ない事するねぇ」

 

そう、彼はこの神社で祀られている神である。

天神、または雷神、雷様、雷電、等と呼ばれる神で雷を司る神体でもある。

 

「ふぅ、着替えよ」

 

彼は演出のためだけに着ていたのか、すぐに袴を脱ぎ、白いブカブカの肩出しセーターに、黒いブレザー、キルトの付いたゴシック調のズボンに革のベルトが5つ付いたロングブーツに着替える。

 

「さってご飯っ♪ご飯っ♪」

 

軽快なリズムに乗りながら余り袖、俗に言う萌え袖を振り回しながら冷蔵庫に向かい、中からチョコレートケーキやクッキー、ミルクティ等の甘い物を沢山取り出す。

 

「いっただっきまぁす……ん~やっぱりカントリィマームは最高~♪」ムグムグ

 

クッキーを頬張りながらケーキを食べ、ミルクティで流し込む。

ケーキをおかずにクッキーを食べ、お茶の代わりにミルクを飲む、余程の甘党でなければ発狂しそうな光景である。

 

「けふ…ご馳走さまでしたぁ…」 

 

大きな袋(24枚入り)のクッキーとケーキ10個、ペットボトルのミルクティ二本を飲食して彼は満足したのか、ポータブルオーディオプレイヤーにイヤホンを挿し、耳にハメて音楽を掛けながらノートパソコンを開いた。

 

「えーっと…「マーメイドのマーって何だよ」か…

確かにマーってなんなんだろう…まあ良いや。

「神社に祀られてる神様だけど質問ある?」と…」

 

ニヤニヤしながらスレを建てる碧生。

最近のマイブームらしく、毎日似たようなスレを建てては総叩きにあって爆笑している。

 

「お、レスだー…「子供は早く寝なさい」「厨二の妄想乙」「今度参拝します!」…最後だけ嬉しい!ww」

 

笑いながらパソコンを眺めていると、届かないはずのメールが一件届いた。

 

「ん?メール?」

 

碧生は不思議に思うが、好奇心には勝てず、メールを開く、へとマウスを動かす。

 

「ブラクラだったらどーしよぉ~w」

 

 

 

そして碧生はクリックしてしまった、これが重大な惨事を引き起こすとも知らずに… 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ん……ここは…?

確かボクは…2ちゃん見てて、そしたらメール来て、メールを開いたらそれが…

 

「ちょっと!ちょっと貴方!大丈夫!?

どうして此処にいるの!!」

 

「……うぇ?」

 

「どうやら気が付いたみたいね…」

 

「……」ジー

 

「…何かしら?」

 

 

 

 

 

 

 

誰だろうこの人、綺麗なメイドさんだなぁ…

 

 

 

 

 

 

 

 

 




はい、17話でした!

碧生どんだけ甘党だよ、書いてて気分悪くなったわ…←

感想、批判、アドバイス、誤字脱字指摘
お待ちしております!

ではまた次回!

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