東方四面楚歌   作:ソーヤー麺

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はい記念すべき(?)20話です!


今回も特に注意は…あ、一応吐糖注意←

ではどうぞ!





三人目の男 紅魔館で過ごす毎日

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ボクが紅魔館のみんなを助けてから三日が経った。

最初は一日だけ、置いてもらうつもりだったのに何時の間にやら空き部屋をあてがわれてた。

 

最初はなんとか逃げようとしてたんだけど最近はもうめんどくさいし良いかなぁ…って思うようになった、咲夜さんの作るご飯(お菓子)美味しいし。

 

「…ねぇ、碧生聴いてるの?」

 

「………あ、ごめんボーッとしてた」

 

「昨日もフランと朝まで遊んでたのね?

少しは寝なきゃダメよ?」

 

「いやぁ…解ってるんだけどねぇ…」

 

大きな食堂、そのテーブルにとなり合わせに座るボクとレミリア。

ちなみにボクが食堂でご飯(バタークリームケーキと熱いココア)を食べてたらレミリアが急に入ってきて、となりに座ったのだ。

 

「で、なんの話だっけ?」

 

「だから、パチェが後で大図書館に来るようにって、それを伝えに来たのよ」

 

「ん、解ったよ~」

 

大図書館か、あそこ苦手なんだよねぇ…

なんか静かだし…カビ臭いし…薄暗いから。

 

「……なにかな?」

 

「碧生って何で甘いものしか食べないのかしら?」

 

「ん、ん~…?

考えたこともなかったねぇ…強いて言えば好きだから」

 

本当に考えたことなかったなぁ…

物心ついた頃、まぁ物心つく頃の記憶はないけど。

気付いた頃にはすでに主食はお菓子だったしねぇ。

 

「そ、そう…ならもしもよ?

もし仮に私が崖から落ちそうな時に、私とは反対の方向に凄く美味しいお菓子があったら、どっちを取るの?」

 

「……………お菓子」

 

「っ…そ、そう」

 

「って言いたいけど、まぁレミリアを助けるだろうねぇ。

だって生きてたらまたお菓子は食べれるけど、レミリアが死んじゃったらレミリアに二度と会えなくなるからねぇ」

 

「……そう、ならいいわ…っ///」

 

レミリアは真っ赤になってそっぽを向いた。

しかし子供みたいな例え話だなぁ、まぁ見た目も中身もまだまだ子供なのかねぇ…

 

「…あ、ココアなくなった」

 

「お代わりをお注ぎ致しますわ」

 

声に出した瞬間にポットを手にした咲夜さんが現れた、この人万能だなぁ…気苦労多そうだけど。

 

「うわ、さすが咲夜さん、仕事が早い~」

 

「ふふ、ありがとうございます♪」

 

「……すっかり女の顔ね、咲夜」ボソッ

 

「…お嬢様?何か仰いましたか?」ニコッ

 

「さぁ?私にも紅茶のお代わりを」シラッ

 

あ~…ココアの苦味と甘味が体に染み渡る…フワフワのスポンジに濃厚なバタークリーム、そして確かな甘味。

最高の組み合わせだよコレ。

 

「美味しい~…」

 

「…可愛い顔して食べてるわね、撮りなさい」ボソッ

 

「承知しました」カシャカシャカシャ

 

「……盗撮魔どもめ」

 

まぁ、写真くらいなら…良いか………やっぱ良くない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーー紅魔館、大図書館

 

朝食の後、珍しく朝方に起きたレミリアは再び寝室へ行き、ボクはパチュリーのご要望通り地下にある図書館にやって来た、もちろん盗撮写真は雷で灰にしてからね。

   

ボクが図書館に入り、辺りをキョロキョロしてると小悪魔がやって来てパチュリーの元へ案内してくれた、言葉数は少ないけど良いコだよなぁ…

 

「いきなり呼び出して悪いわね」

 

「気にしなくて良いよ、で?どうしたの?」

 

「…実は、貴方に折り入ってお願いがあるの」

 

「ボクに出来ることなら良いけど、あんまり無茶苦茶なのは勘弁してね?」

 

「大丈夫よ、新しい服を試着してみて欲しいだけだから」ニッコリ

 

あ、あれ~?

嫌な予感しかしないぞぉ~…はははw

ま、まさか、ね…?

 

「そ、その手に持ってる服……女物の…」

 

「脱ぎなさい」

 

「え、え…」

 

「早く、脱ぎなさい、早く」ニコッ

 

「」

 

ツイてないなぁ……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……可愛い」

 

「…脱いで良い?」

 

「駄目よ」

 

抵抗しました、実は割りと本気で。

でも、結局負けて着させられました、女の子相手に本気出せないし…負け惜しみとかじゃないよ?

 

「さすが魔法使い恐るべし…」

 

「お褒めに預かり光栄の極みだわ、でね…次はこれを…」

 

相変わらずのポーカーフェイスで余裕を崩さないまま次の服を手にするパチュリー、ここまでされて大人しく引き下がれるボクじゃないさ!

 

「もうヤダ…」

 

凄まじく嫌そうな表情で訴える。

するとパチュリーの動きが一瞬だけ止まったのをボクは見逃さなかった。

 

「あー、さすがにこれ以上着させれたらパチュリーのこと嫌いになりそうだなぁ」

 

更に追い討ちを掛ける、するとパチュリーの顔が少しだけひきつった。

 

「それは、困るわ……」

 

もう一押しかな…頑張れボク!

 

「ならボクに女装させないでよ、ボクだってパチュリーのこと嫌いたくないし、ね?」ニコッ

 

良し、これできっとパチュリーが無理矢理女装を押し付けて来ることも無くなるだろう…ボクは勝ったんだ!

 

「まぁ良いわ、目的は果たせたしね…」

 

「……目的?」

 

「今頃、小悪魔がみんなの所に写真を届けに行ってるわ。

もちろん、貴方の写真をね」

 

…なん、だと…?

 

「このゲーム、私の勝ちね!」ドヤッ

 

「ノーー!!」ガクッ

 

ボクは膝から崩れ落ちた、女装のまま。

どうやらパチュリーの狙いは最初からこっちだったらしい、してやられた訳だ。

 

「酷い…酷いじゃないかパチュリー……」

 

「…あ、碧生…?」

 

「酷いじゃないかパチュリー!!」

 

ーービリビリビリビリッ!

 

「むきゅきゅきゅむきゅー!!」パタンッ

 

ヤベ、怒りのあまり軽く電流流したら気絶した…まぁ自業自得だから良いかにゃ?

軽く服焦げてるけど死んでないよね、多分。

 

「パチュリー、パチュリー」

 

名前を呼びながら揺さぶる、あれ起きない?

これヤバイかも知れない。

 

「きゅー……」

 

「あ、生きてる、良かった」

 

「碧生…貴方が恐ろしくなったわ…」

 

「今のはパチュリーの自業自得じゃないかなぁ?」

 

「……何も言えないわね」

 

「…で、ボクもう行っていい?」

 

上に着ていたヒラヒラの服を脱ぐ、ひんやりとした空気がボクを襲う、寒い。

 

「…碧生って本当に男なの?」

 

「いきなりだねぇ、なんで?」

 

「くびれがあるし、筋肉が殆ど無いわ」

 

「…結構気にしてるんだけどねぇ…まぁ男だよ」

 

「顔と言い、体つきと言いにわかには信じられないわね」

 

「信じるも信じないも事実だから仕方ないよねぇ」

 

白いセーター、黒いブレザー、ゴシックなキルト付きのズボン、ベルト付きブーツに着替える、やっぱり私服が一番良いよね。

 

「日本の神様の格好とは到底思えないわ、もちろん神様自体そんな格好しないと思うけど」

 

「自分が好きな格好でいることに価値や意味があるとボクは思うんだ」

 

「それはそうね…」

 

「それに、死ぬときはカッコ良く死にたいでしょ?」ニコッ

 

「…ええ」

 

「さて、ボクは行くねぇ。

また何か用があったら何時でも呼んでねぇ~」

 

「あ、最後に良いかしら?」

 

「ん~?な~に~?」

 

「そのズボン、スカートみたいね」

 

「そうかな~………え、それだけ?」

 

「ええ、それだけ」

 

なかなか意味が解らないなぁ…まぁ良いや、ちょっと部屋で寝させて貰おう。

パチュリーに軽く手を振りながらボクは階段を上がって行った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーー紅魔館、碧生の部屋

 

図書館から出た後、咲夜さんに頼まれて美鈴ちゃんにお菓子を差し入れに行った。

美鈴ちゃんは相変わらず昼寝ばっかりしてるので少しだけ電流を流して喝を入れてあげた。

跳ね上がる美鈴ちゃんを見て笑ってたら美鈴ちゃんに睨まれたので撫でてあやしたら、すぐに許してくれた。

美鈴ちゃん可愛い。

 

再び咲夜さんに報告して、お礼の言葉を受け取ってから部屋で寝ると伝えて自室に戻った←今ここ

 

「ふぁ……ねむ…」

 

ブレザーを脱ぐとベットに寝転ぶ、フカフカのベットにボクの体が沈んで行くのを感じながらこれからのことを少しだけ考えてみた。

 

(これからどうしようかなぁ…ずっとここでお世話になる訳にはいかないし、何より元の世界に帰りたい…

はぁ………駄目だ…眠い…難しいことはまた後で考えよう)

 

ボクの意識は深く沈んでいった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

……重い、さっきより…体が重い…?

ゆっくりと意識が覚醒し始める、窓から射していた光は既に無く、代わりに月明かりが射し込んでいる。

暗い部屋は明るく照らされ、少しだけ目を開くと大きな満月が窓からボクを覗いていた。

 

「ん……」

 

いまだにボクの意識は混濁していた。

だからだろうか、さっきよりも重い体、微かに感じる人肌の温もり、ボク以外の者が奏でる規則的な寝息、鼻腔をくすぐる甘い匂いに気付かなかったのは。

 

ボクはそれに気付くとゆっくり頭を起こす。

月明かりが反射して煌めく金髪、宝石の様に輝く羽を蓄えた翼、陶器製の人形の様に白い肌。

 

「………フラン、ちゃん?」

 

ボクの上にはフランちゃんがいた、どうやらぐっすり寝てる間に入り込んで来たらしい。

ボクがフランちゃんに小さく問い掛けるとフランちゃんがゆっくり目を開いた。

 

「んん…っ、お兄様…おはよう…」

 

紅い双眼がボクの眼を見つめた。

その瞳は酷く綺麗で、でも何処か残酷だった。

 

「…おはようフランちゃん」

 

フランちゃんは何故かボクを「お兄様」と呼ぶ。

ボクはフランちゃんに理由を聞いたことがある、するとフランちゃんは「お兄様が欲しかったから」とだけ答えた。

 

「勝手に部屋に入ってごめんなさい…」 

 

ボクがボーッと考えていたら、それを怒っているのかと勘違いしたフランちゃんが申し訳なさそうに呟く。

ボクはフランちゃんの頭を優しく撫でながらそれをたしなめた。

 

「怒ってないよ…ただちょっとビックリしたかな」

 

「ん、ごめんなさい…」

 

フランちゃんがボクの胸に顔を擦り付けて来る。

まるで猫みたいだなぁ…可愛い。

 

「ねぇ、フランちゃんの眼って…凄く綺麗だよね」

 

「…フランの眼?」

 

「紅くてさ、深い海みたいで、飲まれそうで…綺麗だよ」

 

「お兄様の眼も、綺麗な色だよ…?」

 

「……僕の眼は、穢い」

 

「……?」

 

「ねぇ、フラン…その眼を、僕が欲しいって言ったら?」

 

僕の右手が、フランの頬を撫でる。

 

「…お兄様……様子が変…」

 

「…………」

 

僕の人差し指と中指、親指がフランの瞼に当たる。

 

「………おにい…さま……?」

 

 

 

 

 

「……なんてね、ビックリした?」ニコッ

 

 

 

 

「え、ええっ…お兄様のバカ…」

 

「よしよし、ほらそろそろご飯の時間でしょ?食堂に行っといで~」

 

「…わかった、お兄様は?」

 

「ボクは後から行くよ」

 

「わかった!じゃあ…チュッ…また後でね♪」

 

ーーカチャ…バタンッ

 

ボクの頬にキスをすると、フランちゃんは部屋から出ていった。

 

(…やれやれ、イヤだなぁ…ボクは今なにをしようとした…?)

 

頭を抱えて考える。

あんなことをしようと考えるなんて、ボクは…

 

いや、やめよう…今は取り敢えず…甘いものが食べたい。

 

「おっと、早く行かないと咲夜さんが来ちゃうな…」

 

 

 

 

 

 

ボクは階段を駈け降り、食堂へ向かった。

 

 

 

 

 

 




はい20話でしたー!



感想、批判、アドバイス、誤字脱字指摘
お待ちしております!


ではまた次回!

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