はい21話です!
今回はちょっとエゲツナイ描写があるので一応注意です。
「」は日本語
『』は英語だと思ってね
ではどうぞ!
とても暗くて、重い、重い、重い
海の中の様な、沼の底の様な、
とても痛くて、残酷な、残酷な、残酷な
流れる血の様な、腐臭漂う臓物の様な、生きたいと叫びながら首を切られる様な…
そんな御話
白い吐息を漏らし
白い指を揺らし
碧い髪を垂らしながら
目尻に
謝罪を述べる
願いを述べる
「人として、在りたかった」
碧い髪の人、だが人間ではない
「さぁさ皆様!彼処を御覧あれ!
私は高さを
猿のような人々
「「「うわああああ!!」」」
碧い眼の人、だが人間ではない
「さぁさ皆様!!我と共に月の者に
片腕がない人々
「「「あいやー!!!」」」
天神に魅入られた人、だが人間ではない
「
産まれながらに赤い人々
「「「ああああ!!!!いやあああ!!」」」
「
歪な形をした人々
「「「あいやいやー!!!」」」
天神を名乗る人、もちろん人間ではない
「短い腕に短い脚、足りない眼に足りない鼻、利けない口に聴こえない耳、人間は足りないのに賢い頭だな」
ーー紅魔館、碧生の部屋
ご飯(お菓子)を食べたあと、ボクは一足先に部屋に戻らせてもらった。
どうやら寝不足が祟ったらしくかなり疲れてて、部屋に戻ると同時に寝てしまったらしい。
「……また来たの?」
「えへへ…ごめんなさい…」
「フランちゃんはまだ良いよ、で?なんで君までいるのかなぁ?レミリア?」
ボクが目を覚ますと、スカーレット姉妹がボクのベットの両端で寝ていた。
驚きのあまり、ひぎぃって変な声が出てしまいその声で二人が起きたのだ。
「いや、あの…フランがね、行こうって言うから、仕方無く…よ…///」
「お姉様が勝手に付いてきたくせに…」
「……ま、良いけど、ベッド大きいし」
「碧生が細いだけよ」
「ぐッ、」
言われたくないなぁ…太れってこと?
でも太らない体質なんだよねぇ…
「好きで細い訳じゃないけどねっ」
「あ、お姉様のせいで怒った~…」
「私は事実を言ったまでよ」
フランちゃんに指摘され、ふてくされるレミリア。
そんな二人をボクは優しく撫でた。
「よしよし」
「子供扱いしないで…」
「ん~、お兄様に撫でてもらえるならフラン子供でいい」
「…裏切ったわね、フラン」
レミリアがフランちゃんを睨み付ける。
少しばかり素直になれば楽なのにねぇ。
するとフランちゃんがボクに質問をする。
「ねぇ、お兄様って何歳なの?」
「ボク?ボクは……ちょっと解らないかな」
「そうなんだ…」
フランちゃんが残念そうな表情を浮かべる、でも本当に解らないからなぁ……
フランちゃんを撫でていると不意にレミリアが口を開いた。
「ねぇ、碧生」
「ん?なに?」
「貴方は誰とでも変わらず接するのね?」
「そうかな…考えたことなかったよ」
「えぇ、貴方は…穢れた私とも変わらず接してくれるわ」
「お姉様…」
「……君たちは穢れてなんかないさ」
「…穢れてるわ…こんな…っ」
レミリアはボクに抱き着き、涙を流す。
堪えきれなかったのか、フランちゃんまでがつられて泣き出してしまった。
「…ボクは、体が穢れようと壊れようとどうでも良い。
それよりも怖いのが、心まで穢れてしまうことだよ……」
そうだ、心まで穢れてしまえばそこで終わりなんだ。
「…碧生……」
「お兄様…うわああ…ん…っ」
「おー、よしよし…可愛いねぇ…」
二人の頭を抱き、優しく撫でる。
二人はわんわん泣いていたが、しばらくすると疲れたのか寝てしまった。
「……おやすみ、そしてさようなら、二人は純粋で、穢れを知らない…その瞳をずっと持っていてね」
ボクは二人の頬にキスをすると、静かに部屋を出た。
「碧生さん」
廊下を歩いていると、後ろから声を掛けられた。
この声は……
「……咲夜さん」
振り返り、名前を呼ぶ。
咲夜さんは何時ものメイド服ではなく、暖かそうなパジャマを着ていた。
「やはり、この時間でしたか、思った通りです、差し詰めお嬢様達を寝かし付けて抜け出したんですね?」
「……やれやれ、咲夜さんには敵わないなぁ」
「ふふっ……こんな夜更けに寝てしまわれるなんて、お嬢様達も早寝するほど良い子になりました」
ボクは、彼女達と関わりすぎた。
「ねぇ、咲夜さん…ボクにはね、眩し過ぎるんだ」
「…碧生さん」
「あの二人、ううん、君達全員がね…ボクには…高すぎる…ボクはひねくれものだからね、そんな高見には近付けないのさ」
「……貴方は、人の愛を知らないわ」
「…それがボクだもの」
「私は貴方を否定しない、いえ、紅魔館は貴方を歓迎するわ…だから…」
「……孤独はツラいことじゃない」
「…っ…」
「愛を知って、初めて孤独はツラいんだ」
「…私は貴方を愛してる、お嬢様も、妹様も、パチュリー様も、美鈴も、小悪魔もみんながみんな貴方を愛してる、貴方は…もう家族よ」
家族……か、
「君達を助けたのは…家族が欲しかったからでも、孤独に堪えきれなかったからでもないよ、ただ…」
「…?」
「甘いものが食べたかったから、かな?」
「……碧生さん」
「だから、甘いものがまた食べたくなったら…またここによっても良いかな?咲夜さんのお菓子美味しいからさ」ニコッ
「っ…もちろん、次は更に甘くして見せますわ」ニッコリ
「楽しみだなぁ……あ、これ…あの男に飲ませてあげて」
ボクは青く輝く液体の入った小さな小瓶を咲夜さんに渡す。
咲夜さんは不思議そうにその小瓶を受け取り、じっと見つめていた。
「これは?」
「ボクが作った電解水、普通のとは比べ物にならないくらい濃度が高いけどね。
後始末だよ、ずっと飲まず食わずな彼なら何も言わず飲んでくれるさ」
「…わかりました、後で与えておきます」
ボクが拘束した妖怪の男は、現在地下の牢に入れてあり、ボクの提案で飲まず食わずの状態だった。
捕まえたのボクだからトドメを刺すのもボクの仕事だよね。
「さて、もう行くよ」
ボクは窓を開け、身を乗り出す。
咲夜さんの表情はどこか晴れ晴れしてしいた。
「じゃあ、またね~」
そう呟き、ボクは窓から身を投げた。
「…紅魔館一同、またの来館を心よりお待ちしております」
咲夜は誰もいない窓に向かって、深々とお辞儀をしていた。
ーー霧の湖
ボクは紅魔館から抜け出したあと、湖の畔にやって来ていた。
辺りはヤケに暗く、夜と言うことも含めて辺りに立ち込める霧によって視界が遮られていた。
「ハァ、寒いなぁ…」
息を吐けば白い
ボクは水面に手を伸ばし、指で掻いた。
水面は静かに波紋を立て、ボクの指先には確かな冷たさが伝わる。
湖の真ん中には月が写っていた、大きな月はボクを見つめてすべてを見透かしている様な気がした。
「さて、行こう」
ボクはポケットからイヤホンを取り出し、耳にするとゆっくりと歩き始めた。
私は逃げていた。
ひたすら、ただ逃げる事しか出来ないから。
『ハァ、ハァ、ハァ、来ないでッ!』
後ろからは男が追って来ている。
私を見た瞬間に、私を追いかけ回す辺り変態さんに違いない、捕まったら大変だ。
「逃げんじゃねぇ!!」
言葉遣いが兄様に似てるなぁ…いやそんな事考えてる暇はない。
今はとにかく男から逃げなくては…!
ーードンッ!
『ハァ、ハァ、きゃっ…!?』
「うわっ!!」
必死に逃げるあまり、前を見なかったせいで誰かとぶつかってしまった。
謝らないと…いやいやそれより逃げないと!
『す、すみません…急ぎますので!』
「え、英語ぉ!?ちょっと待ってもしかして君!」
「邪魔だ退けぇ!!」
「痛いっ!」
私とぶつかって転んだ女の子の顔を、追って来ていた男が蹴った。
酷い…可哀想…て言うか痛そう。
「痛いなぁ!!もー!!」
ーーミシミシ…バチンッ!!
女の子が男の背中に向けて手をかざす、すると凄まじい音と共に電気が放出された。
「ブゴォッ!!」
おかしな悲鳴を上げながら、男が吹き飛んだ。
え、今のは…何…?
「イタタ…頬っぺたが…あー、君大丈夫?」
『あ…はい、貴女こそ大丈夫?』
「ごめんなさい、英語は勘弁してください解りません」
「あ、此方こそごめんなさい…大丈夫です、ありがとうございました、貴女こそ大丈夫?」
「あ、日本語話せるんだ…うん大丈夫、見掛けよりは丈夫だからねぇ」
「それにしても、レディの顔を蹴るなんて…アイツ最低ですよね…!」
「………ボク男なんだけど」
「え……ウソ…?」
「ホントホント」
「ご、ごめんなさい!!」
思いっきり失礼な勘違いをしてた…
だって見た目女の子なんだもん…
「良いよ良いよ、良く間違われるからねぇ…」
めちゃめちゃ苦笑いしてる、これはダメだ、心傷気味だこの人!
「本当に申し訳ありません…」
「良いって、それより君は?一人?」
「あ、はい…兄を捜してたんです…」
「へ~、お兄さんをねぇ」
「兄様を捜すために…私は全寮制の学園から脱け出したんです…そしてなんとか脱け出したのは良かったんですけど…」
「ふんふん…」
「学園から脱け出してすぐ、とある女性に出会って…その女性に「お兄さんの居場所を教えてあげる」と言われて…藁にもすがる想いで付いて行った先で気を失ってしまって…」
「気が付いたら森にいた、と?」
「…はい」
「それはそれは…災難だったねぇ」
私はすべてを話していた。
出会ってすぐのこの人に話すのは、普通いけないことかも知れない。
でも私にはこの人が悪い人にはどうしても見えなかったからだ。
「………ハァ、こんなところに女の子を置いては行けないよ、解った…お兄さん捜す手伝いしてをしてあげる」
「ッ!い、良いんですか!?」
「乗り掛かった船だからねぇ…仕方ない」
「ありがとう…ございますっ!」
「ボクの名前は、姫神碧生、碧生でいいよ」
「私はヴィクトリア・ブレスウェートと申します、よろしくお願いします!碧生さん!」
(ヴィクトリアちゃん、ねぇ…やれやれ…また面倒事かぁ……)
はい21話でした!
ちょっと急展開だったかな、
感想、批判、アドバイス、誤字脱字指摘
お待ちしております!
ではまた次回!