東方四面楚歌   作:ソーヤー麺

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はい26話です!

とくに注意はないです。
強いて言えば流血表現注意!


更新できない日が続きまして、すみません。
ようやく用事が終わりました!


ではどうぞ!




26話 旧都への侵入、強者との戦い

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

空は澄み渡り、静かな水面の小波だけが聴こえる。

年頃にしては少し小さな女の子が湖を見ていた。

 

僕はその姿を見て、小さく笑みを溢しながら彼女の後ろに立つ。

 

「此処に居たのかい」

 

「えぇ、御母様から御許しは得てるわ」

 

「…もう秋先、身体を冷やしてはいけないよ」

 

僕は羽織っていた外套(がいとう)を脱ぐと、彼女の小さな身体に被せる。

すっぽりと身体を包まれた彼女は、前が見えないのか少しだけ頬を膨らませ、不機嫌そうに言った。

 

「……貴方様は意地悪です、此れでは前が見えません」

 

「病を患うよりかは幾分マシだと思うよ?」

 

「…分かりました、許します」

 

そう言って僕を見上げる彼女、柔らかい笑顔に思わず見惚れてしまう。

 

「その代わり」

 

「何だい?」

 

「もう少しだけ、此処に居たいわ」

 

「…御一緒しても?」

 

「勿論よ、だって貴方様は私の…好い人なのだから」

 

「僕も、貴女を愛して居ります」

 

「……ずっと、永劫に愛して居るわ」

 

「貴女の傍に居ます」

 

「…………有難う、浅木」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーー魔理沙の家、寝室

 

……体が重い。

酷く怠い体をなんとか持ち上げると、目を擦る。

ベッドには裸の野郎と半裸の美少女がいた、昨日の出来事が脳内でフラッシュバックする。

 

「…ま、魔理沙、生きてるか?」

 

「……ギリギリ生きてる」

 

良かった、昨日のアレで背骨折って死んだかと思った。

冗談は置いといて、魔理沙の顔は本当に死んでる。

 

「……全身が痛い」

 

「誠に申し訳ない」

 

「いや、大丈夫だ……それに、ちゃんと…良かったぜ///」

 

クッソー、可愛いなクソが…

朝からやってくれるよ魔理沙…

 

「ん、そりゃ良かった」

 

「……ふぁ…、浅木、ごめんもうちょっと寝る…」

 

魔理沙が大きなあくびをし、目を擦りながら呟く。

昨日のアレが堪えたらしくお疲れの様子だ、魔理沙は毛布にくるまり、顔だけを出して俺を見詰める。

 

「…行くんだろ?」

 

「ああ、行ってくる」

 

「…行ってらっしゃい、死なないでね」

 

……乙女モードか?

 

 

 

「もちろん、死ぬ訳がない」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーー人間の里、寺子屋

 

昼下がり、浅木は寺子屋へとやって来ていた。

これから地霊殿に向かう報告を、慧音にするためである。

 

「慧音さん、失礼します」

 

「ん、ああ…浅木か…さて、勢揃いだな」

 

「え?」

 

初めは慧音の言葉が理解出来なかった、だが教室を見渡すと見覚えのある顔が並んでいた。

 

「あ、浅木くんおはよ~♪」

 

「テメェ、遅ぇんだよ…朝っぱらから一発ヤってたのか?」

 

変神と変人のコンビである。

二人は浅木を見ると、木で出来たイスから立ち上がった。

 

「んで?行くんだろ、チレイデン」

 

「…誰に……って、魔理沙か…」

 

「ご名答、だよ~」

 

どうやら昨日、浅木が抜かずの三発で先に寝たあと、魔理沙は二人に報告したらしい。

そして助けを仰いだのだ。

なんとも健気な魔女である。

 

「アイツ…まったく…」

 

「あのガキに感謝するんだな、テメェ一人で行ったら多分死ぬぞ」

 

「その言い方だと君がいるから大丈夫、みたいに聴こえるんだけど?」

 

「事実そう言ってんだよ、わかんねぇか?」

 

相変わらず仲が良い二人を尻目に、浅木は慧音に声を掛ける。

 

「慧音さん…あの」

 

「言わなくて良い、どれだけ止めた所で君達は地霊殿に行くんだろ?」

 

「はい、すみません」

 

「…魔理沙がそんなに大事か?」

 

「はい、大切です、だから霊夢ちゃんを見つけ出さないといけないんです。

それが魔理沙の望む事ですので」

 

「…良いか?地霊殿には他人の心を読む、古明地さとりと言う妖怪が住んでいる。

彼女自体は危険性は殆ど無いが…危険なのはその周辺の存在だ」

 

「…と言うと?」

 

「地霊殿がある地底都市、俗に言う旧都には数々の種族が住まっている

鬼、亡霊、妖怪、など他にも居てな、特に危険なのは前にも言った、鬼だ。

更に言えば悪鬼と呼ばれる者は凄まじい驚異になるだろう」

 

(悪鬼、名前からしてやばそうだな…)

 

「今名前からしてヤバそうだな、とか考えただろ?」

 

「な、何故それを!」

 

「それは置いといて、分かるか?

それほどの驚異になりうる悪鬼が沢山住んでいるんだ、一筋縄ではいかないだろう」

 

「ねぇ、慧音さん…俺少しだけ空手やってたんですよ」

 

「…それが、どうした?」

 

「ま、後から分かりますよ。

ご忠告ありがとうございます、そろそろ行きますね…では」

 

浅木は礼を言うと寺子屋を後にした、それに続いて二人も寺子屋を後にする。

 

「慧音さん、また後で~」

 

「じゃあなクソ女、また来てやるよ」

 

三人が去った教室で、慧音は小さく呟く。

 

「……口悪過ぎるよグレン」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーー寺子屋の前

 

 

「じゃあ俺は飛んで行くから、グレンはバイク、碧生は能力で移動、で良いんだな?」

 

「チッ、テメェらは良いよな、便利な能力があってよ」

 

「異議無し、じゃあボクは先に行くから、現地集合でね~」

 

そう言うや否や、碧生は自身を電子化し、消えてしまった。

その姿を見て、残された二人は顔を見合わせる。

 

やがて浅木は空を飛び、グレンは大きなバイクのエンジンを吹かし始める。

 

「行くまでに事故って死ぬなよ?」

 

浅木がグレンに声を掛ける、その浅木に向けてグレンは右手の中指を立てて対応した。

 

「テメェは墜ちて死ね」

 

「とことん最低だなお前…」

 

「…最低か、良いね…まるで俺のためにあるような言葉だぜ」

 

浅木は空を飛んで、妖怪の山の方へと向かう。

その姿を追うかの様にグレンはバイクを走らせた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーー妖怪の山、旧都への入口

 

碧生は二人を待っていた、この山に空いた大きな穴の前で。

どうやらこの大きな穴が地霊殿と呼ばれる所に続く道らしい。

かなり深く、碧生は底知れぬ不気味な印象を受けた。

 

「……嫌な、予感がする」

 

小さく呟くと同時に、碧生の背後から声が聞こえた。

その声の主は浅木だ。

 

「やっぱり速いな、流石だ」

 

「褒めてもなにも出ないよ?」

 

「そりゃ残念、さて、ここか?」

 

「みたいだねぇ…」

 

浅木と碧生が二人揃って穴を覗く、するとエンジンの駆動音が林の向こう側から聴こえて来た。

大きなバイクとそのバイクの持ち主が二人の元にやって来る。

グレンは入口の近くにバイクを停め、バイクのキーを抜き、大きな革のバックを地面に降ろす。

 

「ワリィ、待たせたな」

 

「よし、揃ったか…」

 

「じゃあ…あと五分、各自準備を完璧に終えてから行こうね」

 

その言葉を聞くと同時に、グレンは革のバックから必要な物だけを取り出す。

二挺の「グロック18C」と「ベネリM3」を携行し易い様にソードオフした物、各種弾丸と三つの手榴弾、そして短い鉄パイプをベルトに捩じ込む。

 

「良し、良いぜ」

 

「グレン、お前…戦争でもしに行くのか?」

 

「戦争にグロックとベネリだけで行ける訳ねぇだろ」

 

「名前言われてもわからんし…」

 

「ほら!二人共グズグズしないで行くよ?」

 

三人は穴の前に立つ、三人の表情は地獄へと赴く死者の様な面持ちで、誰が見ても緊張していると分かる。

 

「全員、死ぬなよ?」

 

三人は、地獄の穴へとその身を預けた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーー旧都への大橋

 

 

体が落下する、浮遊感を感じた後、凄まじい衝撃と共に意識を覚醒させる。

背中から落ちた体は悲鳴を上げ、その衝撃は肺に溜まった空気を全て吐き出させた。

 

「ッ!!ゲホッ!ゲホッ……みんな大丈夫か…?」

 

「イテェ、チクショウが…」

 

「こっちは大丈夫だよ~」

 

二人の元気そうな声が聞こえる、どうやら大丈夫らしい。

俺は地面に手を突き、ゆっくりと立ち上がる。

 

「此処が、旧都への入り口か」

 

「大きな橋だねぇ…」

 

目の前には大きな橋があった、まるで来る者全てを受け入れんばかりの大きさ。

だか何人をも通さんと言わんばかりの雰囲気が漂っていた。

 

「……とっとと行くぞ」

 

グレンが先に行ってしまう、一定の歩幅でスピードを保ち、右手には銃がしっかりと握り締められていた。

どうやらそれなりに警戒はしているらしい。

 

「先に行くなよ、危ないぞ」

 

「ウルセェ、さっさと帰りてぇんだよ俺は」

 

俺と碧生も、続いて橋を歩く。

気を抜かず、何時でも戦えるような体勢を取り続けた。

 

 

 

 

 

 

 

「貴様等は誰だ…?」

 

 

 

 

 

「ッ!?」

 

橋の向こう側から、聞き慣れない声が聴こえる。

ドスの利いた、腹の底から震えるような低い声。

俺達三人は正面を見る、そこには、半裸で筋骨隆々の大男が二人立っていた。

 

「…どうやら、お出ましみてぇだな」

 

「アレが、鬼、なんだねぇ」

 

般若の様な表情の男の額には二本の角、口をへの時にした男の額には一本の角があった。

 

「我が名は阿形(あぎょう)

 

「我が名は吽形(うんぎょう)

 

 

 

「「旧都へと続く此の橋の番人である」」

 

 

 

「ハモってんじゃねぇよ…気色ワリィ」

 

「…浅木くん、コイツらはボクたちに任せて、先に行ってよ」

 

「……任せて、良いんだな?」

 

「「…おう!」」

 

「ハモんじゃねぇよ!」

 

「あは☆ごめーん♪」

 

俺は走った、番人の元へ突っ込むように走り込んだ。

番人は、それぞれ手にした槍と剣で俺を襲うが…

 

 

 

ーーガキンッ!バシンッ!!

 

 

 

「「…ぬう」」

 

銃弾と電撃により攻撃は弾かれた。

 

「オラ!テメェの相手は俺だッ!」

 

「君達に、神罰を…なんてねぇ」ニコッ

 

 

 

「邪魔立てする者は」

 

「容赦せん!」

 

 

 

四人の戦いが、始まった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーー旧都、入り口

 

俺は、旧都までもう一息と言う所まで来ていた。

あと少し、あと少しで地霊殿だ。

早く霊夢ちゃんを見付けてあげたい。

 

 

 

「アンタが侵入者か?」

 

 

背後から女の声がする。

俺はゆっくりと振り返り、内心焦る気持ちを悟らせない様に穏やかに話し掛けた。

 

「……お前は?」

 

「ん~、鬼?」

 

「…そうか、俺を始末しに来たんだな?」

 

「そう言う事、てかアンタ達凄いね、三人だけで旧都に来るとか自殺しに来たのかい??」

 

「…博麗霊夢」

 

「なるほど…アンタ霊夢を捜しに…」

 

「その口振りからして、なにか知ってるな?」

 

「……そうだと、言ったら?」

 

「喋らせるまでだ」

 

俺は構えを取り、魔理沙から教わった通りに妖力を全身に纏わせる。

 

「ヒュー!良いねぇ…人間に喧嘩売られんのなんか何十年振りかな…アンタ名前は?」

 

「…浅木だ」

 

「そう浅木か、私は星熊勇儀!その喧嘩、買うよ」

 

 

辺りが静寂に包まれる、俺と勇儀は互いの目だけを見ていた。

先に動くべきか、否か。

この考えは止めた方が良かっただろう、少なくとも今はそう思う。

 

メキメキと、骨が軋み、肉が裂ける音と共に今まで受けた事の無い衝撃が俺の顔面を襲った。

 

鼻がひしゃげ、歯は砕け、口内は血の味と硬い異物しか感じなくなる。

 

そしてそのまま背後の岩に叩き付けられて、初めて俺は勇儀に殴られたのだと悟った。

 

「ウッ…グ!」

 

目の前に星が廻る、視界をチカチカとした光が遮り、後頭部が重くなる。

地面にはボタボタと大量の血が流れ落ち、鼻を抉られた事により無意識な涙が頬を濡らした。

 

「あれ?今の避けられるくらいにしたんだけどな?」

 

勇儀が頭をポリポリ掻きながら呟く。

どうやら本気で殴った訳ではないらしい…

 

面白いじゃないか……

 

「ペッ…やってやる…よ」

 

口内の血と歯の破片をを吐き出し、鼻を元に戻す。

粘りけのある鼻血が垂れ、鈍痛と脳震盪が襲い掛かり、俺は思わずよろけてしまう。

 

「そう来なくっちゃね」ニヤリ

 

 

 

 

そう呟く勇儀に底知れぬ恐怖を覚え、俺は無意識にファイティングポーズを構えていた。

 

 

 

 

 

 

 

 




はい、26話でした!

急ぎ足のところはすみませんw


感想、批判、アドバイス、誤字脱字指摘
お待ちしております!

ではまた次回!

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