最近不定期になりつつある、少し忙しいのでそのへんはご了承ください。
今回も暴力、流血表現注意
ではどうぞ!
「つまり、その萃香って鬼を生き返らせられるのはその鬼達だけって事か?」
「…うん、アンタの言う通りだよ」
「…新たな四天王、ね」
浅木は勇儀から話を聞いた。
今現在、勇儀と萃香に起きている理不尽な事情を聞き、浅木は腹を立てる。
「ふざけてる…」
「確かに、ふざけた話さ…
でも、私が我慢すればあの子は帰ってくる…」
「我慢?それこそふざけてるぜ…
何で勇儀が我慢しなくちゃいけない?」
「でも…私がアイツらを裏切れば………」
「なら、俺がソイツらをブッ潰してやる」
その言葉を聞いた途端に、勇儀の顔色が変わる。
「む、無理に決まってるだろ!?
私相手に苦戦する癖に…アイツらに勝てる訳がない!」
「大丈夫だ、俺は…」
言葉を発する寸前、浅木の背筋が粟立つ。
ゾワゾワと毛虫が這うかの様な悪寒、断頭台を前にした反逆者の様な、首を括られた死刑囚の様な、銃口を向けられた捕虜の様な、例え難い死の予感がしたのだ。
「俺は?何?」
目の前に男がいる。
その男の目は浅木をしっかり捉えていた。
男は不気味な笑みを顔面に張り付けていて、端正な顔立ちをしている青年の様に見えるが、溢れ出る殺気から只者ではないと感じる。
「…お前が、四天王か?」
「質問をしたのは僕だ、質問を質問で返さないで欲しいね」
「……俺は、やる時はやる男なのさ」
浅木の言葉を聞いた途端、不気味な笑みは嘲笑を含んだ笑みに変わった。
「フフ…それ本気で言ってるのかい?」
「…本気かどうかは…その体で判断しろッ!」
「浅木!?止めろッ!!」
勇儀が、浅木の攻撃を止めようと声を張り上げる。
だがその声にも耳を貸さず、浅木は目の前の鬼に向かって全力疾走で接近、嘲笑を浮かべる顔面に向かって全力の突きを放つ。
ーーゴンッ!!
風を切り、十分な間合いを保ったまま、体重の乗った拳は鬼の顔面にクリティカルヒットした。
普通の鬼ならこの一撃で倒れるだろう、だが相手が悪かった。
相手は鬼の中で最も強力な四人の中の一人、更に慧音も念を押していた「悪鬼」なのだから。
「…笑わせるね」
「な…嘘だろ……?」
鬼は笑っていた。
浅木の全力の攻撃は、鬼にダメージを与えるばかりか笑いものにされる程度だった。
「笑わせてくれたお礼に、一つ贈り物を」
ーードスッ…
浅木の腹に、鬼の拳が深々と突き刺さる。
「…ゴフッ…」
浅木の口から、鮮血が吐き出される。
腹部からは夥しく出血しており、浅木は力なく、鬼の腕を掴んだ。
「…触るな、汚らわしい…」
鬼の手が、浅木の内臓を掴む。
浅木は更に激しく血を吐き出し、苦悶の表情を浮かべながら鬼の目を睨み付ける。
「グッ…て、めぇ……!」
「さよなら、名も知らぬ侵入者よ」
ーーブチブチ…グチャッ……ズル…
鬼は、別れの言葉を告げると浅木の内臓を引きずり出した。
腸の大半を抉られた浅木は白目を剥き、その場に倒れ込む。
「…なぁ駄犬よ、これ食えるかな?」
笑いながら、勇儀に引きずり出したばかりの腸を見せ付ける。
まさしく鬼畜である。
「あ、そうそう、そのボロ雑巾と雑巾の仲間はもう死んでると思うから山に捨てといて」
「……はい」
「よろしい、僕はもう少し寝るから…ふぁ……」
「おやすみなさい…」
「うん、おやすみ」
「………」
勇儀は見ていた、腹から血を流しピクリとも動かなくなった浅木を。
ーー旧都へ続く大橋
「さっさと浅木んトコ行こうぜ」
「ちょっと待って~、今ボク充電中だから」
「ハァ…」
グレンと碧生はまだ橋にいる。
二人の鬼を殺し、これから浅木を助けに行こうとしていた。
「早くしろよ、メンドクセェ…」
「五月蝿いよ、ちょっとくらい待って」
グレンはイライラしながら碧生を急かす。
だが碧生はそんなグレンを無視して、お菓子を口一杯に頬張っていた。
グレンが再びため息を漏らす、その瞬間碧生は何かを感じ取った。
「………なにか来る」
「あ?」
「グレンくん、戦闘準備」
「……チッ、今度は何だよ」
悪態をつきながら、グレンは腰に下げた銃に手を伸ばす。
グレンがグロックのグリップを握りしめた瞬間、その何かは姿を現した。
「……」
「やっふー、お二人さんお元気?」
無口な男と陽気な口調の女だった。
二人は一瞬の内に、グレンと碧生の前に現れたのだ。
グレンと碧生は必然的に二人が只者ではないと直感する。
「…何だテメェら」
「テメェじゃないよ!私は
こっちの無口な奴は
「聞いてねぇよ…」
「そうなんだ、ボクは姫神碧生、こっちの外人さんはグレンくん、よろしくね♪」
「テメェも名乗ってんじゃねぇよ!」
「そうなんだー、じゃあお互いに名乗った事だし!灯夜♪」
「ああ……」
殺そうか
「グレンくんッ!!危なっ…!」
碧生がグレンの背中を押す、グレンが後ろを振り返るとそこには全身に切り傷を作り、血塗れになって膝から崩れる碧生がいた。
「……逃げ…」
ーーザク!
グレンに逃げるように伝えようとした碧生、その言葉は再び襲う斬撃により途絶える。
首を裂かれ、そこから血を吹き出しながら碧生は倒れた。
「おー!灯夜の攻撃から君を守るだなんて!
そこで死んでる子はかなりの実力者だったみたいだねー♪」
「…ああ、そうみたいだな」
グレンは固まっていた。
何度も経験した感覚が体を支配しているからだ。
友の死、共に戦う者の死には慣れたグレンだからこそ感じられる感覚。
「テメェ…ら…ッ」
「あれ?怒っちゃった?どうしよ灯夜!彼怒っちゃったよ!」
「…みたいだな」
グレンの表情は、憤怒を体現したかの様な表情になっていた。
その表情から見て取れるのは、例えようもない感情。
殺意である。
「ブッ殺すッ!!」
「今度は私の番ね?良いでしょ灯夜ー」
「…ああ」
「クソヤロウどもが…、腐ったpumpkin,headに鉛弾くれてやるぜ…ッ!」
グレンは両手に構えたグロックの引き金を引く。
確かな反動を抑え、全ての弾丸を目の前の二人の頭部へと撃ち込む。
だがその弾丸は虚しく空を切った。
「な…ッ!?」
グレンは驚く、確かに頭を吹き飛ばしたはずだった。
だが二人の頭が吹き飛ぶどころかグレンの両腕は本来曲がらない方向へ折り曲げられていた。
「さよーなら…♪」
「テ…メェ………!」
グレンの、肩から胸に掛けての部分が二つに別れた。
鎖骨と肋骨の白、内臓と筋肉と血の赤が見事な色彩を放つ。
そんなグレンを見て雫は笑みを浮かべた。
グレンはその笑みを見ながら倒れてしまった。
「ふー、終わった終わった♪あのワンちゃんが片付けに来るらしいから私達は帰りましょー」
「…星熊勇儀か」
ーー妖怪の山
勇儀は、三人の男を担いで洞窟から出てくる。
外は寒く、何時の間にか雪が降っていて、山を白く染めていた。
そんな雪の積もった山に三人を投げ捨てる。
「……ごめん」
一言だけ告げて、勇儀は洞窟へと戻って行った。
残されたのは血塗れの三人の男。
三人から流された血で、真っ白な雪は深紅へと変わりつつあるのだった。
はい28話でした!
最近更新が亀で申し訳無い…
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ではまた次回!