東方四面楚歌   作:ソーヤー麺

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はい。三話目です。
御指摘をいただき読み返してみると、やはり空行が多すぎますね、反省します。
スッカスカな文章ではなく、緻密な文章が書けるように頑張っていきたいと思いますので、
感想や指摘、批判を頂けたら幸いです。

では前書きが長くなりましたが、三話目をどうぞ!



一人目の男 白黒の魔法使いと出逢う

 

 

 

あれから何時間経っただろうか。長い時間、妖怪の傍らで笑っていた青年は、再び立ち上がり、既に暗闇と化した、森を歩いていた。

 

「……流石に、腹が減ったな…」

 

そりゃそうだ、俺はこの世界に来る前からずっと飯を食ってない。

所謂、断食と言うやつを敢行していた。

まあ…今では後悔しかない。

もう3日も何も食べていないのだから…

更に、その状態でこんな森を走り回っていたんだから、空腹に追い討ちを掛けられている。

兎に角、何かを胃に入れないと倒れそうだ。

 

「…こんな事なら、断食何かするんじゃなかった」

 

口を開けば後悔の念だけが飛び出す。

今なら、虫だって食えそうだ、いや食わないけどね?

だって見るだけで鳥肌モノなのに触るどころか食うとかマジでないない……

 

「っ!やば…力入んね…」

 

突然、体がガクッと膝から崩れ落ちた。

どうやら遂に体力の限界が来たらしい。

どうにか立ち上がろうとするが、産まれたばかりの小鹿の様に、膝がガクガクと震え立ち上がる事を拒否している。

どれだけ怪我が治せようと、どれだけ強い力が出せようと、どれだけ爽快な気分になろうと腹は満たせない。

食事と言う概念が、どれだけ大事な物か、今なら解る気がする…

 

「あ、ダメだ……眠い……」

 

意識はまだハッキリしていた。

寝てはいけない、寝たら死ぬぞ!

まるで雪山に遭難した登山者の様に、自分に自分で言い聞かせていた、もちろん脳内で。

 

「……うぅ、」

 

だが、どれだけ言い聞かせても限界は限界、限界と言うのはこれ以上は無理って事だ。

うん、アホだから説明ベタな俺は、兎に角、衰弱しきっていた。

そして俺は……

 

ーーー意識を手放した

 

 

 

(……ここは、どこだ、暖かい?いや、柔らかい…木でも草でもない…そう、まるで…)

「…毛布……?」

 

「お、目が覚めたか?」

 

俺は、まだ深く深くに潜り込んでしまった意識を、無理やり引っ張り出す。

今、幻聴でなければ、少女の様な声が聞こえたと思うんだが……

 

「ん……?夢か…?」

 

「おいおい、寝惚けてないでしっかりしろよ…何時まで寝てるつもりなんだ?」

 

いや、確かに少女の声だ…

だがおかしい、あんな森で、況してや気絶した俺が何で毛布にくるまりながら可愛い声を聞いてるんだ?

 

「おーい、お前大丈夫か…?」

 

可愛い声の主が毛布にくるまる俺の顔を覗く。

俺は、まだ半分寝ているのだろう。

意識はハッキリしてきたが瞼が重く、開かない。

……ゆっくりと開いてきた、人工の物であろう光源、部屋を電球が眩しく、明るく照らす、ゆっくりと目を慣らし、その声の主を見ると…

 

「………魔女?」

 

と、俺の口からは自然と声が漏れていた。

 

「おう、私は魔女だぜ?」

 

魔女の格好をした自分は魔女だと名乗る少女は、口許を綻ばせ、ニンマリとした笑みを浮かべた。

いやいや、可愛いけど…この子、お花畑かな?

 

「今、スッゴい失礼な事考えただろ?」

 

「え、何で分かったんだ?」

 

「そりゃあ魔女だからな、お前の心を読むくらい…って、やっぱり考えてたのかよ。」

 

久しぶりに人間と話した、やはりあんなことがあった後だからだろうか、人間嫌いな俺が人間話して安堵していた。

例え相手が、自称魔女のコスプレお花畑少女だとしても、だ。

そして久しぶりに、笑うと言う行為を堪能していると、不意にグゥーと間の抜けた音が響いた、俺の腹から、かな?

 

「ん?なんだ腹が減ってたのか?しょーがないな、私が手料理を振る舞ってやるぜ」

 

するとコスプレ少女は立ち上がり、キッチンとも見てとれる部屋へと移動していった…ってかこの部屋汚ッ!!!

てか家が汚い!!ゴミとか蜘蛛の巣とか埃とかヤベェ!

何て考えながらゆっくりと体を起こす。

どうやらソファーに寝かされていたらしく、上からは薄い毛布が掛けられていた。

どうやら、彼女は俺を助けてくれたらしい。

後でしっかりお礼を言わないとな……

恩人の部屋を、汚物を見る目で見ていると、鼻歌らしき物が聞こえてくる。

遅れて何かを煮る音と、良い匂いが……ヤバイ、腹減った。

しばらく悶々としながら項垂れていると、大きな鍋つかみを装着した彼女がグツグツと煮えた土鍋を笑顔で運んできた。

 

「お待ちどーさま、ほら魔理沙特製アツアツキノコ鍋だぜ!」

 

土鍋を新聞紙が敷かれた上に乗せる。

ん?ぶん、ぶんまる?聞いたことない新聞だな。

さて、鍋を見てみると一見食用には見えない様な、毒々しい彩りのキノコや見るからに美味しそうなキノコなどがたくさん煮られていた。

 

「ほら食べて食べて、大丈夫、毒キノコは入ってないから」

 

笑いながら言う少女、まあ、信用してみようか。

小皿にキノコを取り分けると、箸でキノコを摘まみ、恐る恐る口へ運ぶ………………美味い、美味い!

 

「お、おいおい、そんなに焦って食うと火傷する…って、聞いてないし」

 

俺は、彼女の忠告を無視して俺は一心不乱にキノコ鍋を掻き込み、胃に納めた。

ようやく落ち着き、箸を置いたのは、鍋のキノコが1つ残さず消えてからだった。

 

「……行き倒れを助けてもらっただけじゃなく、飯までご馳走してもらって、本当にありがとう」

 

俺は深々と頭を下げて最大限の感謝の意を伝えた。

 

「いや、別にいいよ、キノコ取りしてたらたまたま行き倒れがいたから、連れ帰って飯食わせただけだし」

 

またニンマリ笑う彼女にもう一度お礼を伝え、俺は疑問に思う事を伝えた。

 

「そう言えば、名前を聞いてなかったな、俺は浅木だ、普通に浅木って呼んでくれ」

 

「浅木か、私は霧雨魔理沙、魔理沙でいい」

 

「しかし、良く俺を運べたな?図体だってデカイし、重かっただろ?」

 

「そうでもないさ、私の魔法に掛かれば余裕だからな」

 

魔法……か、

 

「なあ、魔法沙…ここは、この世界は何なんだ?化け物がいたり、魔法使いがいたり、訳がわからん」

 

「……浅木、なるほどな、なるほどなるほど」

 

魔理沙はニヤニヤと笑みを浮かべた

 

「な、なんだよ、」

 

「いや、この世界の名前は、幻想郷、妖怪と人間の共存するもう1つの世界さ」

 

なんだよ、それ…

妖怪と人間が共存……?

普段の俺なら、アホか!の一言で片付けていただろう、だが俺は確かに、妖怪に襲われ、魔女に助けられたのだ。

これは紛れもない事実だ。

それから俺は、気が付けばこの世界にいたこと、妖怪に襲われて逃げたこと、逃げ切れずに殺され掛けたこと、そして、謎の力で妖怪を殺したこと。

 

「あー、それは多分浅木が持ってる能力だな」   

 

「の、能力?何だそれは」

 

「うん、幻想入りした生き物は全てとは言わないが、大概が能力を持って幻想入りするんだ。しかしあの妖怪を惨殺する程の能力か、大したもんだ」

 

魔理沙はそう言うと腕を組みながらウンウンと頷いた、そしてこっちを見ると。

 

 

 

「ま、幻想郷に、地獄にようこそ!」

 

 

魔理沙はニンマリ笑いながらそう言った

 

 

 

 

 

 

 

 




3話目終わりましたー、

次回も出来るだけ早く投稿します、ではまた次回!
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