東方四面楚歌   作:ソーヤー麺

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はい30話です!


今回は表現的にヤバイ箇所があるので要注意!



ではどうぞー 






30話 翠の河童と悪夢の過去  後編

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーー3月8日、快晴ーー

 

ここんとこ一気に暖かくなった。

今日も昼に起き、飯を食ってヴィナを学校に迎えに行く仕事を終え、酒を飲んで一日を過ごした。

 

日本のショーチューって酒は中々イケる。

それに麦も芋も米も液体で飲めるのは良いな、お手軽で健康にも良さそうだ。

 

なんて言ってたらヴィナにキレられた、やれやれホントにウルセェヤツだ。

 

                  グレン

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーー3月9日、快晴ーー

 

明日は仕事だ。

また遠出しないといけないらしい。

正直メンドクセェ、だがこれも生きるためだ。

 

ヴィナの傍にいるのは俺だけ、ヴィナの家族はもう俺だけなんだ。

俺だってそうだ、ヴィナしかいない。

ヴィナの為ならなんでもヤってやる、殺しでもなんでも。

 

寝る前に銃のメンテナンスをしとこう。

 

 

                   グレン

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーー3月10日、曇りーー

 

特になし、強いて言えばヴィナが猫を飼いたがってる。

猫ならギリギリ良いか、仕事から帰ったら飼って良いと伝えよう。

 

さて今回は何人死ぬかな。

 

                    

                   グレン

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーー3月11日、雨ーー

 

パキスタンのシリアに来た。

水は不味いし空気は乾燥してるわで最悪の気分だ。

早く仕事終わらして帰りたい。

 

ついでにホテル従業員の対応も最悪だ。

 

 

                   グレン

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーー3月11日、快晴ーー

 

今日は現地の部隊と合流した。

君は今日から共に破壊工作をする同胞だ、頼りにしてるぞって言われた。

 

レジスタンスは嫌いだ、装備がショボいしロクに訓練もしてねぇ素人ばっかだからな。

 

だから今日も沢山の人間が死んだ、爆発音が耳から離れねぇ。

睡眠薬持ってくればよかったな。 

 

 

                   グレン

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーー3月12日、快晴ーー

 

一時間も眠れなかった、寝不足でイライラする。

レジスタンスの一人が俺の協調性のなさに文句を垂れやがった。

 

イライラに拍車が掛かる、ブッ殺してやろうか?

 

ヴィナが恋しい、帰りにペットショップに拠ろう。

 

 

                   グレン

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーー3月13日、雨ーー

 

シリア軍の将軍様を殺った、レジスタンスの依頼通りにみんなの前で首を切り落としてやった。

一様に歓喜する様を見て俺は思う、コイツらも俺も狂ってやがるってな。

 

苦しみもがく将軍の首をノコギリで切るのほ中々骨が折れた。

ジッとしないわ血で汚れるわ睨まれるわ、ホントに良い迷惑だぜ。

 

明日には帰れる、血塗れの腕に猫を抱いて帰ろう。

 

 

                   グレン

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…えっと、まだ読むの…?」

 

にとりが顔を青くしながら浅木に問う。

浅木は無言で首を横へ振る。

 

「もう良い、ごめんな…にとり」

 

「壮絶、だねぇ…」

 

三人はウンウンと頷きながらグレンを見る、すると思いもよらぬ言葉が聞こえた。

 

「…読めよ」

 

「え…」

 

「良いから読めよ、テメェらが見たがってた日記の中だよほら見ろ、見ろよ」

 

「グレン、落ち着け…俺たちが悪か…」

 

「ウルセェよ、早く見ろ」 

 

「………分かった、私読むよ…続きからじゃなくて良いよね?」

 

にとりは浅木達を見て、これは収拾がつかないと思ったのか、再びグレンの日記を読み始めた。

グレンは恐い顔をして浅木と碧生、にとりを睨み続けている。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーー11月2日、雨ーー

 

ヴィナを学校に入れてから半年近く経った。

俺は堕ちて行く一方で毎日酒を飲んで、ヤクをキメて女を抱く。

 

久しぶりに仕事が入った。

今回はある国の連合軍の手伝いらしい。

久しぶりの金になる仕事だ、ちょっとばかし気合いが入る。

 

チャチャッと終わらせてヴィナに金でも送ってやるか。

 

           

                   グレン

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーー11月6日、快晴ーー

 

ここ数日は日記を書く暇もなかった。

ペンを握るのも久しぶりだ、ずっと銃を握ってたからな。

 

ペンを握る手が震える、銃の反動を抑えるのに力を入れすぎたみたいだ。

無意識に力を入れすぎる。

 

どうやら俺がいるこの部隊は軍に見放されたらしい。

敵地で孤立、援助も無しとは、流石の俺にもキツイったらありゃしねぇ。

 

さっきから腹の虫が鳴り続け、喉が渇いて仕方ねぇ。

外からは絶えず銃声と爆発音が鳴り響き、男と女の悲鳴が聞こえる。

 

ここは地獄だ。

 

                   グレン

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーー11月7日、曇りーー

 

泣け無しの弾を撃ちながら殺した人数を数える。

15人はいた味方は、4人にまで数を減らした。

敵は減るところか日に日に増え続けている。

 

そろそろダメかも知れねぇ、空腹も限界に近い。

僅かな寒さも身を蝕む、チクショウ…遺言でも書くか?

 

ヴィナにもう一度だけ会いたい

 

                   グレン

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーー11月8日ーー

 

囲まれた、もうダメだ。

ポケットにコカインが少しだけ残ってたのが唯一の救いなのかも知れん。

これで気分よく死ねる。

 

ヴィナ、兄ちゃんを許さなくて良い。

真っ当に生きてくれ、愛してる。

 

 

                   グレン

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「次は…っ!」

 

にとりは驚愕した、次のページは全て血によって綴られていたからだ。

 

「……読むね…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーー ーー

 

肉は美味い、最高だァ!

 

外が騒がしいな、皆殺しにしてやるぜクソ雑魚共が!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーー11月10日、雨ーー

 

胃の中身を全て吐き出した。

 

どうやら俺は喰っちまったらしい、部屋中に肉が散乱してる。

外を覗いても誰もいない、昨日までの喧騒が嘘みてぇだ。

 

口許も含も髪も血でベタベタしてる、まるで悪魔みたいな姿だ。

 

部屋の隅にダルマになった仲間がいた。

目も口も抉られていて生きる肉塊になっている、昨日の俺がヤったのか?

 

兎に角気の毒だ、トドメを刺してやる。

ごめんな、おやすみ。

 

 

                   グレン

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーー11月11日、晴れーー

 

軍の助けが来た。

遅い、何をやってたんだと問い詰めると、準備に手間取ってたとかヌかしやがった。

 

やっと理解した、俺達は囮の為に捨て駒にされたんだ。

 

だが反論する気も起きなかった、予定より多目の報酬を受け取って帰還する。

 

帰りに銀行によらないとな。

 

                   グレン

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

今この場にいる、グレン以外の者は皆黙ってしまう。

浅木はグレンの顔をジッと見て、碧生は何かを考え、にとりは手にした日記帳を見ていた。

 

「どうした?テメェらが知りたがってた過去ってヤツだぜ?」

 

「グレン、俺たちが軽率だった、すまん」

 

「オイオイ浅木よォ?俺は謝ってくれなんざ一言も言ってねぇよ?」

 

「………」

 

「……ハァ、良いから返せ、もう何も言わねぇよ」

 

にとりは手にしていた日記帳をグレンに返す、そしてグレンの顔を見ながら呟いた。

 

「…大丈夫?」

 

「…大丈夫だ、助けてくれてありがとな」

 

 

 

 

 

「ううん、気にしないで…悪魔なんだから仕方無いよ」

 

 

 

 

 

 

 

 






はい30話でした!

感想、批判、アドバイス、誤字脱字指摘
お待ちしております!

ではまた次回!

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