はい34話です。
昨日は飼い猫の脚が脱臼してしまい、投稿どころじゃなかった…←
残酷、吐糖注意。
「」←日本語
『』←英語
ではどうぞ!
ーー人里から少し離れた場所ーー
樹齢数百年にもなるであろう、大木の上。
人間の胴体より遥かに太い枝に、一人の男が座っていた。
『おーおー、派手に燃えてんなー』
「バレットM82A1」を手に、取り付けられた可変倍率スコープを覗く男。
ボサボサの頭に、無精髭が目立つ、険しい顔立ち。
薄汚れたジャンパーを羽織り、同じく薄汚れたデニムを履いて、泥や埃、血に塗れた履き古されたワークブーツを履いた、お世辞にも綺麗とは言えない見た目の男だ。
『中々エゲつないな、妖怪ってのは元からあんなもんか?』
バレットを構えたまま語り掛ける、すると先程まで誰もいなかったはずのもう一本の枝に、一人の巫女が立っていた。
『妖怪、ですからね、それより頼まれてた物持ってきましたよ』
薄緑の長髪を揺らしながら、巫女が小さな袋を男に手渡す。
『おお、悪いな…やっぱこれがないと始まらないぜ』
『ビーフジャーキーが一番の好物って珍しいですね、まぁそれでも食べながら頑張ってください』
男は小さな袋からビーフジャーキーを取り出し、口に入れる。
黒胡椒がたっぷりとまぶされたソレをクチャクチャと噛み締めながら、再びスコープを覗き始めた。
『変わった事はないですね?じゃあ引き続き監視をお願いします、では…』
『ああ、またな』
『…そうそう、また欲しい物があれば言ってくださいね』
『ああ、分かった』
『トレバー、頑張ってください…もうすぐ終わりますから』
『そうだな…ありがとよ、早苗』
そう言って巫女は姿を消した。
男、改めトレバーはスコープ越しに二人の少女を発見する。
『…ハクタクと蓬来人その1…見~つけた…♪』
トレバーの口許がグニャリと歪んだ。
ーーグレンのトレーラーハウス(改装済み)ーー
現在、ヴィクトリアと椛の二人しかいないトレーラーハウスのリビングで、椛が正座しており、その前に仁王立ちしたヴィクトリアがいた。
「で、お兄ちゃんの部屋でシてしまったと?」
「……はい…」シュン
「言い訳は?」
「…ご…ごめんなさぁぁい!!」ブワッ
何故こんな事になっているのかと言うと…
~以下回想~
「うぅ…グレンさんがまた行っちゃいましたよ…」
「大丈夫だよ椛ちゃん、お兄ちゃんならその内ケロッとして帰ってくるから」
「そう、ですよね…グレンさんなら大丈夫ですよね…!」
「じゃあ私洗濯してくるから、椛ちゃんはお部屋のお片付けお願いね♪」
「解りました!任せてください!」
「さて、お部屋のお片付け…先ずはこのリビングから!」
~少女清掃中~
「ふぅ、終わりました、次は台所!」
~少女清掃中~
「次はお風呂!」
~少女清掃中~
「次は私の部屋…は…散らかってませんね…じゃあ厠!」
~少女清掃中~
「…疲れた、ちょっと休憩…確かヴィクトリアさんの部屋は触っちゃ駄目なんですよね」
~少女休憩中~
「休憩終わり!次は……ぐ、グレンさんの…///これは仕方ないですよね、グレンさんは片付け出来なそうだし!よし行くか!///」
~少女侵入中~
「…失礼しま~す…ああ、もうグレンさんの匂いが…///ん?これは…」
<グレンの枕>
「ぐ、グレンさんの…枕ッ!////」
グレンの枕を発見した椛は、辺りを頻りに見渡し、誰にも見られてない(当たり前)のを確認すると、枕に手を伸ばした。
「……少しだけ…///」
椛は枕に顔を埋めると、クンクンと匂いを嗅ぎながら枕に頬擦りする。
そのまま我を忘れて、グレンのベッドにダイブ。
黒いシーツにくるまりながら思う存分堪能した。
「…幸せ…///」
恍惚とした表情で椛は呟く。
まるで発情した犬である←
「…んん…っ…///」
枕に顔を埋めながら、とうとう自慰を始めてしまう椛。
眼を閉じて体を捩り、艷やかな声を上げる。
「ふぁ…っ…ん…///」
「椛ちゃん、お兄ちゃんの部屋は掃除しなくて…い…い……から……うわぁ…」
「……………う、うわあああああッ!!!!キャアアアアアア!!!/////」
~回想終了~
「物凄く反省しております…どうかグレンさんにはご内密に…」ウルウル
「………」チラッ
「…うぅ……」ウルウルウルウルウルウル
「…ハァ、分かった…分かったから泣かないでよ」
「ほ、本当ですか!?ありがとうございますっ!」パァァ
二人がくだらない問答をしている頃、トレーラーハウスの外には五人の妖怪が集まっていた。
全員が人型の上級妖怪である。
「此処だ、行くぞ」
「全く…何故我等がこんな事を…」
「東風谷から直々の特例だ、ぼやいてる暇はないぞ」
「けどよ、高がガキ二匹だろ?俺達が出る幕じゃねぇよ」
「そう言うな、何でも一匹は白狼天狗らしい、気を抜くなよ」
五人の妖怪達は、トレーラーハウスを取り囲む。
窓、扉、天窓。
全ての侵入口で合図を待つ。
その頃、椛が不穏な空気を感じとる。
自らの能力を使い、索敵を開始した。
「……ヴィクトリアさん、囲まれてます。数は……五人、既に配置は完了してる様ですね」
「!!…相手は?強いの?」
「……妖力からして、かなり………私一人では厳しいですね…」
椛が腰に差した刀に手を伸ばす。
出会って間もない頃、グレンから渡された刀であるソレを、椛は毎日欠かさず手入れしていた。
「私も戦うよ」
「…ソレ…撃てるんですか?」
「お兄ちゃんから教わってるからね…前に突き出して、脇を締めて、頭を狙って撃つ」
ヴィクトリアはグレンの銃、「ベレッタM92F」を持ち出し、マガジンを確認してからスライドを引いた。
「…ヴィクトリアさん、私が奴らの気を惹きます。どうかその間に逃げてください」
「なッ!?駄目だよ椛ちゃん!私もたたか」
「ヴィクトリアさん!貴女は戦闘に慣れてない…ハッキリ言います、足手まといなんです…」
「………」
「だから逃げてください、出来る限り時間は稼ぎますから…」
ーーバキッ…バリィィン!!
椛がヴィクトリアに近づいた瞬間、強固に閉ざされていた筈の防弾窓が吹き飛ぶ。
鉄扉と防弾ガラスが部屋中に散乱し、それに反応し遅れた椛が反射的に刀を握る。
「ハッ!!」
振り向き様に抜刀、斬り掛かる椛。
素早く力強い、そして回転力の掛かった斬撃である。
「グアアア!!」
背後の妖怪の腕をそのまま切り落とす。
血を地面に撒き散らしながら、妖怪は大きく仰け反る。
「ふんッ!」
流れるような太刀筋で、妖怪の首を狙う。
咄嗟に避けるも、間に合わずに妖怪は首を落とした。
「早く逃げてくださいッ!」
椛は必死に叫んだ。
だが、その声に反応する者の意識は、既に無くなっていた。
「一人目確保」
妖怪の腕の中に、意識が無くなったヴィクトリアがいた。
力無く腕を垂らしている所を見ると、どうやら気絶させられたらしい。
「な…ッ!貴様どうやって入った!?」
「お前に説明してやる道理は無い…ッ!」
「うっ……ぐ……」
ヴィクトリアを抱いていた筈の妖怪が、一瞬の内に椛の目の前に現れ、鳩尾を突いた。
急襲により、意識を失う椛。
その様子を外から見ていた一人の妖怪が呟く。
「良いよなー、お前の瞬間移動、滅茶苦茶便利じゃねーか…まぁこれで任務完了だな。帰還するか」
「コイツどうする?」
首を切り落とされた妖怪の死体を、一人の妖怪が蹴る。
「ああ、置いとけ、自業自得だ…慢心しやがって、ほら帰るぞ」
妖怪達はヴィクトリアと椛の両手足を縛り、黒い麻袋を頭に被せてから、二人を何処かへと連れ去って行く。
滅茶苦茶に荒れたリビングに残るのは、一枚の置き手紙だけだった。
「グレン・ブレスウェート
愛する妹と白狼天狗を救いたければ、明日午後八時に無縁塚に来い。
無論一人で来るのを進める、二人が無傷のまま会いたいのならな。
お前は幻想郷に関わり過ぎた。
お前が来なければ二人を殺す、一人で来なくても殺す、解るな?
以上だ、是非良い結果になると願っている。」
ーーにとりの家ーー
「…私達河童は、もう残ってない」
にとりが涙ながらに話始める。
浅木はそれを神妙な面持ちで聞いていた。
「ある日、私が何時ものように使えるものを探しに川に行ったら…見慣れない妖怪がいてね、私は咄嗟に隠れたんだよ」
「そしたらその妖怪のね、様子がおかしいんだ…機械みたいな動きでさ、それを木陰から見てたらさ、いきなり襲われて…気絶して…………」
「次、目が覚めたら…いないんだよ、他の河童が」
「あはは、おかしいでしょ?一人もいないんだよ……探しても探しても、呼び掛けても返事が無いんだ…」
「すぐ判ったよ、アイツがやったって、あの妖怪の仕業だってね…それでこの前アイツを見たんだ……アイツさ、旧都に続く道に入って行ったんだよ」
「私怖くてさぁ…逃げて…逃げて逃げて、走って逃げて…部屋にこもって…それで…」
「もう良い、大丈夫だ…大丈夫……」
震えるにとりの肩を、浅木が抱く。
フルフルと首を横に振りながら、にとりは浅木に抱き着いた。
「……何だこの状況」
「あれ?グレンくん起きたの?」
「アア、てか頭イテェんだけど…何でだ?」
「さぁ?知らないな~♪」
目覚めたグレンが最初に目にしたのは、翠の髪の少女が見知った男と抱き合っている場面だった。
「テメェ、マリサに言い付けてやる」
「おいグレン、何故そうなる!?」
「ウワキだろ、ウ・ワ・キ」
「違うわアホ!!」
「誰がアホだクソが!!」
「クソだと?クソって言った方がクソだろ!」
「なにガキみてぇな事言ってやがんだテメェ!」
「まぁまぁ、落ち着きなよ~」
「「ウルセェ!」」
「……君たちの方がうるさいよ!!」
三人の言い争いを見ていたにとりは、唖然とした表情から一変、微笑みを浮かべる。
「ふふっ…」
「「「!?」」」
「あ、いや…何か久し振りでさ…こんなに賑やかなの…」
照れ臭そうに笑うにとり。
それを見て浅木と碧生の表情も柔らかくなる、グレンはつまらなさそうに鼻を鳴らす。
三人が瀕死になり、にとりによって救われてから5時間が経っていた。
三人の体力がある程度回復したのを見て、ようやくにとりから解放された三人は、それぞれの家路につこうとしていた。
「……おい浅木、アレ見ろ」
グレンが何かに気付き、指を指す。
「ん?何だ……って、まさか!?」
そう、人里から大きな黒煙が昇っていた。
空が赤く染まる程の炎が人里を焼き尽くす。
「グレン行くぞ!碧生は先回りして生存者を探してくれ!」
「了解、じゃあ向こうで」
碧生は自身を電子化し、人里へ向かう。
グレンはバックを背負うと、浅木の肩に掴まる。
「行け!」
「よし、にとり、また来るから…」
「…気を付けて、嫌な予感がする」
「ああ!行くぞ!」
こうして浅木とグレンも、人里へ向かうのだった。
はい34話でした。
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ではまた次回!