東方四面楚歌   作:ソーヤー麺

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1日1回、出来れば3回くらいは投稿したい。
今回、浅木は幻想郷の今を知る事になります。

では4話目をどうぞ!


一人目の男 世界の現状を知る

 

 

 

 

 

 

かれこれ3時間程、魔理沙から話を聞いていた。

窓の外は仄かに明るみを増していて、朝を告げる鳥のさえずりが聞こえる。

どうやら俺は、丸一日寝ていたらしく、魔理沙曰くもしかしたらもう目を覚まさないのではないか、と思うほどの熟睡っぷりだったらしい。

そう、既にこの世界、幻想郷に来てから二日が経っていた、自覚はないけど確かに二日だ、まあ大半の時間を寝ていたのでかなり短く感じた。

 

さて、魔理沙から聞いた話を纏めるとこう言う事らしい。

遠い遠い昔にこの幻想郷は創られた。

創ったのはスキマ妖怪と呼ばれる八雲紫と言う人物で、もう一人協力者がいる。

その人物は、幻想郷を代々守り続ける博麗大結界と呼ばれる物を管理している、博麗霊夢。

そんな幻想郷、元々の目的は妖怪と人間が共存出来る地を創りたいと言う名目で創られた。

だが最近になっておかしな事が起き始めた。

第一に、妖怪が異様に増え始めた事。

第二に、同じく人間が増えた事。

そしてそれは異変として認識され、その解決に博麗霊夢と霧雨魔理沙が当たった。

しかし、異変は解決される事はなかった、解決はおろか原因の糸口さえ掴めずに終わったらしい。

何時しか妖怪の数は三倍にまで増え、人間は四倍になった、そして遂に始まったのが、共食い。

妖怪には元より共食いの習性があった、しかし八雲紫の元ではそれは許されない。

そうして共食いはタブー化し、起こることは少なかった。

しかし、数が増えすぎた妖怪は、他の妖怪や人間を喰らい、力を強めていった。

妖怪は妖怪を喰らえば少しずつ強くなる。

妖力も、魔力も、少しずつだが上がる、そして強くなった妖怪を更に強い妖怪が喰らう。

そんな最上級妖怪に人間を、時には食欲を満たすため、時には玩具にするため、時には性欲を満たすために襲う、それが現実、過去に栄えたスペルカードと呼ばれる物を使った、弾幕ごっこは廃れ、暴力と力のみが正義の土地へ変わって行った。

幻想郷が均等を保つ為に力を使う強者達は、数を増やした最上級妖怪達に追い詰められる。

信じられない程の妖力、魔力を持った妖怪達は、あっという間に権力者達の居場所を奪い去った。

里には人と変わらぬ姿の妖怪が蔓延り、人間を家畜の様に飼っているものも居ると言う。

山では力に溺れた天狗や鬼が猛威を振るい、地下都市では毎日酒池肉林の宴が行われている。

他の場所も同じだ、毎日人間が死に、妖怪が強くなる。

大半の権力者が逃げ出すか屑妖怪のペットに成り下がったが、未だに戦い続ける者も居るらしい。

 

全く、ヘドが出るような話だ。

糞みたいな妖怪が最強になって、それまで頑張って来た者が家畜に劣る仕打ちを受ける。

何より可愛い娘が汚い妖怪の好きにされてると思うと俺の血管がぶちギレそうだった。

 

「魔理沙は、悔しくないのか?」

 

俺は、自然とその言葉を口にしていた、口にした瞬間にしまった、そう思った。

魔理沙は悲しそうな表情を浮かべると俯き、

 

「……悔しいぜ、悔しい、けど…勝てないもんは仕方ないだろ…?

今の私には、下級妖怪をギリギリ倒せるくらいの力しかない…こんなんで、上級妖怪はおろか!鬼なんかに勝てるわけないだろッ!」

 

アホみたいな理由でムカついてたのが一気に恥ずかしくなった。

俺は、魔理沙を心ない言葉で傷付けてしまったのだろう…

 

「魔理沙…すまない、失言だったな、悪かった」

 

俺は素直に頭を下げ、謝罪の言葉を述べた。

そして拳を固く握る、血が滲む程に強く…

 

「……大丈夫、熱くなっちゃったぜ、ごめん…」

 

魔理沙も頭を下げた、ゆっくりと頭を上げる俺、すると魔理沙も頭を上げ、言葉を紡ぎ始めた。

 

「実は…さっき話した霊夢、霊夢と私は…仲が良かったんだ。

異変を解決に行ったって、話したけど、その時、霊夢は…霊夢…は、っ…」

 

ゆっくりと、絶え絶えに話す魔理沙の目には、何時しか涙が浮かんでいた。

そして嗚咽を混じらせながら顔を掌で覆い、泣き出してしまった。

俺は、悟った、霊夢になにかがあったのだろいか。

死別か、拐われたか、想像に耐えない様な事になったのかもしれない。

そう考えてる内に、無意識のまま魔理沙を抱き締めていた。

 

「……話さなくていい、今は何も…」

 

魔理沙は驚いた顔をしていたが、ゆっくりと俺の背中に腕を回し、胸に顔を埋めて泣いた。

可愛い女の子を泣かせるやつは許さねぇ…

 

「魔理沙、俺も戦うから、魔理沙は独りじゃないから。

会ったばかりの俺が言うのも何だけど、俺は魔理沙の味方だ」

 

そう言うと魔理沙は俺の胸をドンッと押した、え、何すんの?痛い痛い…

 

「な、何を恥ずかしいことを言ってるんだお前?

正直気持ち悪いんだぜ!///」

 

魔理沙は頬を赤らめながらどぎつい言葉を投げ掛けてきた。

てか気持ち悪いとかめちゃくちゃ傷付くわ、魔理沙よ。

 

「全く、可愛いくせに可愛いげがないな」

 

「かわっ!!可愛くないし可愛いげがないとか言うな!///」

 

この子、可愛いし料理は中々だし良い嫁さんになると思うんだ、主に俺の。

 

「ゴホンッ、さて、取り敢えずこの幻想郷で生きていくには能力を使いこなせる様にならないとあっという間に死ぬぜ。

だから浅木の能力が具体的にどういう能力か、そしてどれだけの力を持つか見ないとな。」

 

若干頬を赤らめたままの魔理沙がもっともな事を言う。

確かに、あのときは咄嗟だったから具体的な能力が解らず仕舞いだった。

それにどれだけ強力な力だろうが使い方を知らなければ宝の持ち腐れ、猫に小判豚に真珠だ、ん?違うか?

まあいいや、取り敢えず力を振るうにしても勝手を知らないとな。

 

「魔理沙、どうしたら良い?」

 

「取り敢えず能力を使って見てくれ、浅木が襲われた時に想った事を思い出せばいい」

 

「ん、分かった、行くぞ……」

 

あの時想ったのは、ひたすらに生への執着。

再び生きたい、生きたいと想った…すると、圧倒的な高揚感、そしてひたすらに冴える頭、まるで麻薬を摂取してるみたいだ。

麻薬なんかしたことないけど、今なら何でも出来そうだ。

 

「あ、浅木…っ、頼むから…妖力を抑えてくれ…っ」

 

魔理沙が苦しそうに呻く声で俺は現実に戻った。

そしてすぐに能力を抑え込めた。

 

「わ、悪い!大丈夫か!?」

 

「あぁ…大丈夫だぜ……しかし、凄まじいな、妖力に当てられてまだ体が震える…」

 

魔理沙は小さく震えていた。

 

「悪かった…しかし、これほどなのか…

なあ、魔理沙、俺の能力の効果が分かった」

 

「な、何なんだ?」

 

「俺の能力は、どうやら脳と体のリミッターを強制的に外す能力みたいだ、能力を発動させると一気に脳内麻薬が分泌され、人外じみた力を出せるらしい」

 

「………何か、根本的な物が違う気がするぜ、それだけじゃないと思う」

 

「?どういう意味だ?」

 

「だからーーー

 

ーーもしもし?

 

外から、若い男の声がした。

魔理沙に目を遣る、魔理沙の顔面は蒼白していた。

 

「………誰だ?」

 

ーーすみません、開けては貰えませんか?

 

「お、終わりだ…ぜ」

 

「おい魔理沙、どういうことだ?」

 

「この妖力…外にいるのは妖怪だ、しかも今まで気付かなかった…ってことは妖力を消せる妖怪、かなり強い力を持った妖怪だ…」

 

魔理沙は力なく笑いながら俺に説明した、途中何度も何度も外にいる妖怪は開けろ開けろと催促してきやがる。

多分魔理沙は絶望している、自分は死ぬんだ、と

だが魔理沙を易々死なせる訳がない。

 

「…今開けてやるよ、待ってろ」

 

「っ!浅木!」

 

「魔理沙!俺を信じろ、大丈夫だ」

 

今日初めて会ったやつに信じろ、そう言われて信じられるわけがない。

だが魔理沙には信じてもらうしかない。

それに俺には自信がある、俺は殺られない。

さて、可愛い魔理沙を助けるために一肌脱ぎますか、ってか、あれ?

 

 

 

 

 

 

 

 

(俺、鬱治ってね?)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




はい、4話目でしたー。次回は初戦闘!
次回も出来るだけ早く投稿します!


感想、アドバイス、批判、誤字脱字指摘お待ちしています、ではまた次回!
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