はい37話です。
今回も多分おかしなところがあると思います←
『英』
「日」
ではどうぞ!
グレン・ブレスウェートは先走っていた。
大切な妹と、大切なペット(椛)を奪われた怒りのあまり、正気を失ってしまっているのだ。
彼は大きなバイクに跨がり、真っ暗な道をヘッドライトで照らしながら、エンジン音を轟かせ魔法の森へと向かう。
魔法の森の向こう側、再思の道の先にある「無縁塚」へと向かうために。
『クソが…思い知らせてやるぜェ!!』
そしてこのテンションである。
それに置き手紙には、明日の午後8時に来いと書かれていた筈だったが、グレンは頭に血が上り過ぎているので、その事すら忘れてしまっている。
そんなグレンに、更に追い討ちを掛ける出来事が起こった。
ーー……プスンッ
奇怪な音を立てながら、いきなり停まるエンジン。
この音の正体はモチロンーー
『………ファァァァックッ!!』
ーーそう、ガス欠である。
ーーその頃、グレンが走る道の外れーー
グレンが走るおよそ600メートル以上離れた所、それなりに背が高い木の上に彼女はいた。
『…やっと人を見つけたわ~…少しアレな人っぽいけど…大丈夫かしら…』
肩まで伸びた綺麗な金髪が特徴的な、これまた軍服姿の女性で、背中には「ボーイズ対戦車ライフル」を背負い、手には「エンフィールド」を構えている。
か細い体の何処に、そんな力があるのだろうか?と見る者すべてに思わせるような装備だ。
そして彼女の大きな眼は、暗闇の中でありながらも、600メートル以上離れた位置にいるグレンをしっかりと見据えていた。
彼女は思う。
彼処まで行くのに、時間が掛かりそうだな、と。
『…行くしかないわね~』
彼女はゆっくりと木を降り始めた。
一方その頃、グレンの苛立ちがピークに達していた。
いきなりこんな世界に飛ばされ、訳の解らないまま戦いを強いられ、地底に調査へ向かえば殺され掛け、挙げ句の果てには二人の家族を拐われ、助けに向かえばバイクが途中で動かなくなった。
彼の拳に力が入り、その拳を力任せに木へと叩き付ける、俗に言う八つ当たりだ。
『…走って行くしかねぇか』
グレンの背には、大量の装備が詰まった愛用のバックが背負われていた。
このバック、重量はおよそ40㎏を悠に越えている。
こんな物を背負ったまま、妖怪が蔓延る魔法の森を抜けるのは自殺行為に等しい。
だがグレンに考えている時間は無かった。(と言うより無いと思い込んでいた)
『…クソッタレ…』
『あらあら、あなた大丈夫~?』
グレンがバイクを蹴り倒したのと同時に、間延びした女の声が聞こえた。
グレンはベルトで巻いたホルスターから、「M1911A1」を素早く抜き取り、振り向きながら構える。
『…テメェ、ナニモンだ?』
『……落ち着きなさい、私はあなたの敵では無いわ…だから銃を下げて…?』
俺が銃を向けた先には、コッチに銃を向けた女がいた。
それにこの女のカッコと銃は…一体どんだけ前の装備だ?
『ハッ、信用出来ねぇな…テメェから先に銃を下げてくれんなら少しは信用してやるよ』
女の目を睨み付ける。
だが目の前の女は、物怖じする所か溜め息混じりに銃を下げた。
何なんだこの女は……
『…これで良いかしら~?』
『……チッ』
グレンは、女性に向けた銃口を外す。
そしてそのまま銃をホルスターに押し込んだ。
ソレを見た女性は再び溜め息を吐いてから、同じように銃口をグレンから外す。
『で?テメェはナニモンだ?』
『私はセラス、セラス・リオノーラよ~』
『…名前だけ言われても…どう反応すりゃ良いんだよ』
『あなたは~?』
『…グレン、グレン・ブレスウェートだ』
『そう、グレンね~……グレンって、出身はカナダ?』
『アァ?…まぁ、そうだが…やっぱ俺訛ってんのか?』
『少しね~、カナダか~…そう…』
『……んだよ?』
『ふふ、別に~』
『…おかしなヤツだ』
『それより訊きたい事があるのよ~』
『ア?』
『此処は…何処?』
『……ハァ?』
こうして二人は打ち解け(?)た。
ーーとある一室ーー
堅牢に造られた扉が、何者の侵入も脱出も阻む小部屋の中に椛とヴィクトリアはいた。
いわゆる、刑務所の独居房の様な部屋だ。
扉の外には、二人の妖怪が「H&K MP5」を持ち、扉の前を見張っていた。
「………う…ッ、此処は…?」
「椛ちゃん!大丈夫!?」
殺風景な部屋に、似つかわしくない二人の一人。
ピクリとも動かなかった椛が、ようやく目を覚ました。
「ヴィクトリアさん……ヴィクトリアさんこそ大丈夫ですか…?」
「私は大丈夫…薬嗅がされて眠らされただけだから」
どうやらクロロホルムなどの薬品を使われたらしい、何とも滅茶苦茶で強引な連中である。
「…兎に角、此処から出ない…ッ、と…」
椛が体を起こそうと試みると、腹部に激痛が走る。
どうやらトレーラーハウスで受けた、鳩尾への一撃のダメージがまだ残っているらしく、少しでも動こう物なら痛みを感じた。
〈君達~元気か~い?〉
「ッ!」
「だ、誰!?」
部屋に備え付けられたスピーカーから、男の声が聴こえた。
ヴィクトリアは身構え、椛はようやく体を起こした。
〈取り敢えず三つ、お前らに教えてやる〉
〈一つ、俺の名はトレバー、お前らの監視役だ〉
〈二つ、お前らは人質だ、グレンを誘き出す為のな〉
〈そして最後の三つ目、グレンが誘いに乗って来たらグレンを殺す。そしてお前らも殺す。以上だ。精々最期の時間を二人でゆっくり悔いなく生きて欲しい〉
そう言って、スピーカーの電源が切られた。
椛は額に汗を浮かべ、ヴィクトリアに至っては顔面蒼白だ。
「…このままだと、グレンさんが」
「そんな事、させない…!」
二人は必死に考える、この牢獄から逃れる方法を。
はい37話でした
少し短めですがご了承ください!
あとセラスの口調とか変だったら教えてください!
感想、批判、アドバイス、誤字脱字指摘
お待ちしております!
ではまた次回!