はい38話です
今回もおかしな所があれば言ってくださいね←
ではどうぞ!
ーーグレンのトレーラーハウスーー
グレンとセラスが邂逅した後、グレンの様子がおかし過ぎる事を察したセラスに、グレンは半ば強引に連れ帰られた。
グレンさえも敵わない程の腕力って…一体どうなっているのだろうか。
『だから!俺は行なきゃならねぇんだって!』
『良いから~、あ、此処?』
『は…なせッ!イテェんだよテメェ!!』
『……散らかり放題ね~、掃除しなきゃダメよ~?』
『余計な世話だッ!』
トレーラーハウスの扉を開け、そこにグレンを押し込むセラス。
セラスも続いてトレーラーハウスに入った。
『クソ…』
『…何があったの~?』
『テメェにはカンケェねぇよ』
グレンは腕を前に組み、威嚇しながらセラスを睨む。
セラスはヤレヤレと言った表情で辺りを見渡す。
室内は滅茶苦茶で、棚が倒れ、枕の綿が散乱し、割れた食器や破かれた本などが所せましと落ちている。
その中で、手を付けられず投げ捨てられた一枚の紙が目に入った。
『あらこれ…』
『テメェ何勝手に触ってんだ!』
『……成る程ね~…あなたが怒るのも納得だわ…』
セラスは紙に書かれた文字を読み、グレンに向き直るとグレンの頭を撫で始める。
するとグレンの顔がどんどん赤くなり、額に青筋が浮かび上がった。
『……止めろ』
『ん~?』
『止めろってんだッ!!!』
セラスの腕を叩き落とし、キッと睨み付ける。
それを見ても、セラスはグレンを恐れる気配が無い所か、笑みを浮かべながらグレンを見詰めていた。
グレンは感じた事の無い感覚に、戸惑う。
『…何見てんだよ…?』
『…私は、あなたの味方よ~…?』
『ア…?ウルセェよ…テメェもどうせ哀れんでるだけだろうが…そう言うの何て言うか知ってるか?「偽善者」ってんだぜ?クソ女』
グレンはへらへらと笑い、セラスを挑発する。
だがセラスは怒る事無く、相変わらずの笑顔を浮かべたままグレンに近付く。
『…寄んじゃねぇ』
思わず後退りするグレン。
そんなグレンに構わずセラスはグレンに近付き、グレンをぎゅっと抱き締めた。
『…あなたは今不安定になっているの、大丈夫よ、あなたは一人じゃない…私がいるわ~…』
『……訳わかんねぇ…いきなり抱き着いてんじゃねぇぞ』
『あら、抱き締めたつもりよ~?』
『なぁ、テメェ…一人じゃねぇっつったな?』
『えぇ』
『そうだよな、確かに俺は一人じゃねぇ…だがな、今アイツ等は…訳も分らねぇまま捕まってやがる。今だって二人で震えてるかも知れねぇ…だからじっと何かしてらんねぇんだよ』
グレンはセラスを押し退け、その肩を掴み呟く。
真っ直ぐな眼差しがセラスの眼を貫抜き、あまり免疫の無いセラスは思わず赤面してしまった。
『……そう、判ったわ~』
『そうか、ならさっさと出て行…』
『私も協力するわ~』
『いや出て行けよ、俺今良いこと言ったろうが』
『良いから、私、狙撃には自信あるんだから~』
『………解った、勝手にしやがれ』
『勝手にするわ~、あと、行くのは明日よ~?この置き手紙に「明日の午後8時」って書いてあるわよ~』
『……ハァ?』
『だから~、あなたの早とちり。今行っても多分誰もいないわよ~』
『……マジかよ、やっちまったな』
『ふふ、やっちまってるわ~、て訳で。今日は泊めてね~?』
『………マジかよ』
ーー魔法の森、午前0時13分ーー
俺がカールさんと出会ってから、もうすぐ一時間が経とうとしていた。
カールさんは相変わらずの敵対&警戒心剥き出しで、右手に銃を持ったまま俺の後ろを歩いている。
正直、何時撃たれるかと堪った物じゃ無い。
「あの~、カールさん?」
「ア?」
「…済みません、誠心誠意謝ります」
「お前…まさか」
「迷いました、でもわざとではありません!」
「テメェ!」
カールさんが手に持つ、銃が俺の方に向く。
ヤバイ!殺られる!
ーーパァン……パラララ…パァン
俺が目を強く瞑った瞬間、銃声らしき音がが森に轟いた。
だがカールさんが撃った物では無い、少し遠くから聴こえた銃声の発生場所は…まさか!?
「ま、魔理沙ァ!!」
「な!?お前待ちやがれ!!」
浅木は我を忘れて走る、それに負けじとカールも同じ様に走り始めるが、浅木の脚力に付いて行けずぐんぐんと差が広がっていく。
「ハァ…ハァ…クソ!足の速ェ野郎だなッ!」
かろうじでカールの視界の中に浅木がいるが、直に見失ってしまうだろう。
カールが諦め掛けた瞬間、浅木はいきなり立ち止まった。
「…………」
「ハァ…ハァ……お前…足速過ぎ…って、何だコレ…」
カールが見た物は、小さな家を包む。真っ赤な炎だった。
浅木は大きく目を見開き、膝からガクリと崩れ落ちる。
「……魔理沙…嘘だろ?嘘だよな…?」
「…オイ浅木、こりゃ一体どう言う事だ…?」
「魔理沙…魔理沙ァァァ!!!」
「なッ!しっかりしろ!気を確かに持て!!今行ったら死んじまうぞッ!」
燃え盛る家の中へと、入ろうとする浅木を羽交い締めにするカール。
浅木はカールを凄まじい力で振り解こうとする。
「離せッ!行かせてくれェ!!」
「バカヤロウ!お前が行ってもあんだけ燃えてりゃ助からねェよ!!」
「……魔理沙…クソ…」
泣きながら座り込む浅木、その傍らカールは考える。
(こりゃ…組織的なヤリ方だな、無駄がねェ…)
カールは、恐らくあの時聴こえた銃声により、対象を殺害。
残った証拠と死体を隠滅する為に、わざわざ家を燃やしたのだろうと結論付ける。
「…落ち着いたか?」
「……ああ、ごめんなカールさん…大丈夫だ…大丈夫……」
ゆっくりと立ち上がり、涙を拭いながらカールの腕を払い退ける。
浅木は燃え続ける炎をただ見上げていた。
ーー紅魔館付近ーー
アベルと碧生の二人は、来るべき襲撃者に備えていた。
アベルは肩に下げたライフル銃の装弾数を確認し、碧生は口一杯にマカロン(咲夜作)を詰め込んでいた。
「……君、良くそんなに甘い物ばかり食べれるね…?」
「…モグモグモグモグモグモグ…ゴクンッ、まぁね」キリッ
「そんなにカッコ付けられてもなぁ…」
「ほら来るよ、アベルさんガンバってね」
そう言ってガッツポーズをする碧生、アベルはそれを溜め息混じりに流した。
「数は……20から30、ってところかな…」
「まぁそんなモンか…所でアベルさんって「雨」はお嫌い?」
「…嫌いじゃないけど」
「そ、なら良かったよ」
碧生が天に向かって右手を翳す。
すると空が鳴り始め、雨雲が紅魔館周辺はおろか、幻想郷全域に広がって行く。
「……ボクはね、雨が大好きさ」
「…僕は、やっぱり好きじゃないかな…」
手に武器を持った妖怪の大群が、紅魔館を目指し突き進む。
突然降り始めた大雨にも怯むことなく手にした槍や刀を頭上に掲げ、大声を張り上げながら走り始めた。
「「「「「「「「ウォオオオ!!」」」」」」」」」
その光景を見ても、苦い表情1つしないアベルと碧生。
碧生はその大群に右掌を向けると、小さく呟いた。
「ライトニングボルト♪」
ーーバチンッ!!
けたたましい驚音が辺りを支配する。
碧生の掌から飛び出した雷の塊は、雨粒を経由する事で光速に匹敵する速さで妖怪達に叩き付けられた。
雷撃を受けた妖怪は、その身を弾けさせ、地面に赤い染みを作らせていた。
「……コワッ」
苦笑いのアベルが小さく呟く。
アベルは気を取り直すと、ライフル銃を構え、狼狽える妖怪の頭に狙いを付けるとゆっくり引き金を引き絞った。
ーーパァーン!!
乾いた銃声が鳴り響き、発射された弾丸が妖怪の頭を貫く。
弾丸が通り過ぎた少し後から、血が噴き出す。
続けざまに一発、また一発と引き金を引くアベル。
次々と倒れる仲間達を見た妖怪は、一気に士気を落とした。
「アベルさん、ヤるねぇ…」
「君も中々ヤるね…」
二人は顔を見合わせ、ニヤリと笑うと逃げ始めた妖怪達に追撃を喰らわせる。
悲鳴と絶叫と雨音が、紅魔館を包んでいた。
はい38話でした!
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ではまた次回!
現在挿絵作成中。
近日公開!