はい7話目です。
やはりコメントを頂けるとモチベーションが上がりますね、ありがたいです。
では7話目をどうぞ!
小さな指が、大きな指に絡む。
ちいさなおんなのこ
大きな掌が、小さ手を包む。
おおきなおとこのこ
ちいさなおんなのこの頬は鴇色に染まる、見に染みるような寒さ、それに震えるおんなのこ。
それでもおんなのこはそこから離れる事はしない。
帰る場所も、気持ちも無いから。
おおきなおとこのこは目深く帽子を被る。
その目に浮かぶ涙を悟られないように。
おんなのこは彼に告げる
「ここが…いいね」
おとこのこは彼女に答える
「ああ…山紫水明だ」
おんなのこは涙を流す、笑みを浮かべながら。
おとこのこは目を瞑る、涙を流さないように。
時の流れぬ取り残された地、其処に芽吹き続けるのは今は無き忘れ去られた筈の差別の名残。
幸せを願い続けた二人はやがて気付いた、今のままでは愛し合えない。
其処は山紫水明の地、二人の想い出が積み重なった場所。
一面雪化粧の施された山々。
目の前には星が散りばめられた様な輝きを放つ湖面。
「嗚呼、美しい」
「ええ、美しい」
「ねぇ、」
「なんだい」
「貴方に逢えて…良かった」
二人は口付けをしたまま、湖面に身を投げた。
……また夢を見ていたのか。
何故だろうか、酷く懐かしい気持ちなのは。
何故だろうか、俺が泣いているのは。
ゆっくりと寝ていたソファに座り直すと掌で顔を覆い、拭う。
何処かで見たような気がした様な…しかしやっぱり夢だと決め付けると俺は、目を覚ます為に顔を洗いに洗面所に行く。
冷たい水を顔面にぶつけ、激しく擦り付ける。
かなり目が覚めた、鏡を見る、少し窶(やつ)れたか?
「おはよう、浅木」
「ああ、魔理沙、おはよう」
顔を洗っていると、パジャマを着た魔理沙が入ってきた。
邪魔をしないよう、朝食を作ると伝えてキッチンへ向かった。
「チクショウ、忘れてた…」
そう、食材が無いのだ。
これには困った、食材が無くては料理が作れない、料理が作れないと食事が摂れない、即ち衰弱する、死ぬ。
ダメだ、俺はまだ死ぬわけにはいけないんだ!
「なあ浅木、何を怖い顔してウンウン唸ってるんだ?」
「怖い顔は余計だ、いや実は食料がな…」
「なるほど…、仕方無い、そろそろキノコだけじゃキツいし里へ行こうぜ」
「里?」
「ああ、人間の里だ」
人間の里…確か、話にも出てきた危ない場所じゃなかったか?
「なぁ、人間の里ってのは危険な場所なんじゃないのか?」
「ああ、それは少し前の話だ、今では昔ほどじゃ無いがそれなりに安全な場所だぜ?
慧音やその他の助けで今じゃ避難所みたいな役目になってる、そこに行けば食料をわけてもらえるはずだぜ」
「なら、何で魔理沙はこの森に住み続けてるんだ?
里の方が安全なら里に移れば良いだろ?」
すると魔理沙はバツの悪そうな顔しながら語った。
「実は、私の知り合いが近くにすんでるんだ…アリスって言うんだがな。
あんまりソイツから離れたくないんだ、心配だからな…」
「そうだったのか…なら二人で移れば…」
「無理なんだ、私も説得したんだけど…頑なに屋敷から出たがらないんだ。
だから、たまに私がアリスの家に食料を渡しに行くんだぜ、様子見のついでにな。」
そうだったのか…
なら俺に出来る事と言えば一つしかないな。
「よし、じゃあ二人で食料貰いに行って、二人でアリスって子に食料を渡しに行こう」
「そうだな、アリスだって私以外のヤツを見れば家から出てくれるかも知れないしな!」
俺達は用意をしてから、里を目指す事に決めた。
さて、俺の用意と言えば髪形を整えて靴を履くだけ。
はい簡単です。
用意が出来てから三十分ほど待っていると、奥から魔理沙が出てきた。
最初に逢った時と同じく、魔女の格好をして。
「さて、行くか」
俺は立ち上がる、だがそれを魔理沙に止められた。
「ちょーっと待つんだぜ、浅木に教えとかないといけない事がある」
「ん?なんだよ?」
「妖力を抑える方法だぜ、とりあえず浅木。
能力を使ってくれ」
いきなりだが確かにそれは必要な気がする、だから言われた通りに能力を使う事にした。
「ん……これで良いか?」
「お、おう…じゃあ私の言った通りにーーー
ーーそこから二時間、魔理沙にキッチリと教わった。
疲れた、結構疲れた。
何を教わったかと言うと、妖力の抑え方だ。
まあ、何と言うか言葉には出来ない様な事を教えられてそれを実施すれば抑える事が出来た。
「ふぅ、お疲れ様」
「ハァ、疲れた」
先に断っとくと別にやましいことはしてない。
断じてしてない、ラッキースケベに遭遇したりしてないからな。
「全く、事故とは言え乙女の柔肌を…」
「すみませんでした!」
「くくく、じょーだんだぜ」
魔理沙は意地悪く笑いながら、俺の背中をベシベシ叩いてくる、コイツ…やっぱ気にしてやがるな。
「おい、そろそろ出ないとヤバイんじゃないのか?」
「そうだな、じゃあ改めて出発だぜ」
こうして俺達は人間の里に向けて出発した。
いやはや魔法と言うのは便利な物である、魔理沙曰く箒が無くても飛べるが、私が跨がった箒に浅木が掴まれば二人とも飛べるぜ?と満面な笑みを浮かべながら言われたら箒に掴まるしか無いだろ?
「う、うわああ!ちょ、ちょっと待て!俺は高いとこ苦手なんだって!!」
「静かにしてろって!すぐにつくから!」
これが静かにしていられる状況か?
自分の腕力だけを頼りに空中を舞う状況だぞ?
サーカスか?空中ブランコか?
「無理無理無理!腕がヤバイ!」
「分かったって!」
そろそろ本気でヤバイ、腕がツる。
……待てよ?もしかしたら…人が空を飛べないっつう枷を外せば空を飛べるんじゃないか?
「浅木!行きまーす!」
「おい待て!早まるな!」
俺は能力を使いながら手を離した、能力を使ってるから地面に落ちても大怪我で済むだろ、多分。
「おおおおぉぉ……おお!!!」
「え!えぇ!飛んだ!?」
マジかよ…今、俺は空を飛んでる!?
スゲェ…てかこの能力、実は俺が考えてるよりスゴいんじゃないか?
「飛ぶって、こんなに気持ちいいんだな…」
「おい浅木!悟り開いてる場合じゃないぜ!
ちゃんと目を開けないと危ないって!」
澄んだ青空を自由に飛び回る。
こんなに清々しい気分は初めてだ。
ん?何かこっちに飛んで…
「ッ!!避けろ浅木!!」
魔理沙が叫んだが…遅かった、何とか避けようとしたが避けきれずに氷の塊が俺の腹にぶつかった。
「うっ!!」
俺は墜ちた、ぐんぐん地面が近付いてくる。
俺はそのまま…………
ーーードサッ!!
さぎ……あ…ぎ…………浅木!!
ゆっくりと目を開く、目の前には魔理沙の顔があった、必死に俺の名を呼び掛けている。
「……聞こえてるって」
俺は倒れた体を起こしながら呟く、体の節々が痛み、地面と一番最初に接触した右腕が軋む様に痛む。
「良かった…死んだのかと思ったぜ…」
「勝手に殺すな…い、ってて…」
俺は右腕を擦る、すると一瞬で痛みが引いた。
て言うか此処は何処だ?
「だ、大丈夫か?」
魔理沙が心配そうに此方を見詰める、可愛い。
「ああ、大丈夫だ、それより此処は?」
「んー…さぁ?」
「………は?」
「いや、浅木が落ちてさ、なりふり構わず捜し回ったからちょっと…」
魔理沙…お前ってやつは……
「はぁ…仕方無い、改めて飛んで行けば…」
「また攻撃されて、落ちて…今度は死んだら?」
「………歩いて行きましょうか」
魔理沙は、ジト目で此方を睨みながら呟く。
やれやれ、飛行訓練をしないとな…
「さて、そろそろ…」
ーーガサガサッ
「「!!」」
俺達は、同時に臨戦体勢を取った。
魔理沙はミニ八卦炉を構え、俺はファイティングポーズを取る。
さて、何が出る?妖怪か?鬼か?それとも仙人でも来るか?
なんて考えているとソイツは現れた。
「あたいったら最強ね!!」
青髪の幼女でした……
7話目でしたー。
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お待ちしています!
えー、次も出来るだけ早く投稿します!
ではまた次回!