出合い方がアレ(1話参照)だっただけに仲はあまりよくない二人。
ヴぅぅ…眠い……頭が痛い…。
あ、よぉアンタら。SCP-073ことカインだ。
また寝てないのかって?
いや寝る分には寝てるんだが…最近はいざベットに入っても眠れなくてな。それでタブレットで記事を読んで寝落ちするころには夜中の2時だ。
当然ケイン博士に知られたら博士のことだ、無駄に俺を気遣ってくるだろう。あの犬博士…俺の心配する暇があるならアベルが脱走しないように祈ってろってのに。
だからケイン博士に気づかれないようにいつもより多めにコーヒーを飲んでた訳だが。
ゴッッ。
「…ああ?誰だ俺のシャツコーヒーまみれにしたのは……」
机をどつかれた拍子にコーヒーを溢し、文句を言おうとして顔をあげたが顔を見た途端その気は失せた。
見覚えのあるブロンドの短髪。
「勝手にアンタが溢しただけじゃない。あたしのせいならアンタの特異であたしにもかかってるでしょ」
「なんだ、173か…」
「番号で呼ばないで」
「お祭り猫」
「それはあたしだけどあたしじゃない。
伊波って呼んで」
「恋仲でもない奴を名前呼びしたかないな」
「はぁ、もういい…話がある。前座るわ」
呆れた様子で伊波は椅子を引いてふんぞり返り、こっちに足を投げ出した。この礼知らずな彫刻め。
「頭痛が酷いから手短に話せ。あと足をおろせ」
「アンタ機械とかねっと?とかいうの得意でしょ?ちょっとこれどういう意味か教えてほしいんだけど」
そう言って173はスマホの画面をいじったが、途中「あれ?」だの「違うこれじゃない」だの言ってたあたりまだスマホを使い馴れてないようだ。
「…時間かかりそうか?」
「この前博士に教えてもらったから直ぐ終わるわよ。こんな小さい機械ごとき…」
「あぁそう。じゃあ俺はその間にこのコーヒーまみれになったシャツを着替えてくる」
いくら俺でもひくもんはひくからな。
~数分後~
「問題の画面は出たか?」
着替えてきた俺は173の所に戻った。
すると173はさっきまで画面とにらめっこしていたのに、呆然と無表情で画面を見ていた。
そしてカフェテリアにいる職員はざわついている。
「…」
「どうした」
「…」
無言で渡してきたスマホの液晶には穴が開いていた。
「…液晶にヒビならわかるが、一応聞く。
どうしてこうなった」
「ちょっと力入れて押したらパキッて」
ちょっとなら液晶に穴なんか
開かないんだよなぁ?
はぁ、914に入れて直すか。
「ケイン博士、914使ってもいいか?」
「あんまり私事で使うものじゃないけど…まぁいいよ」
「わかった」
「カインまた隈が出来てるけどちゃんと寝てる?」
「……」
多機能フォームが知らんうちに変わってて特殊で太字にしたり出来ない…