まぁ雑種雑種言われても困りますけどな。
ぐぉおお~…かひゅ~…
近くで寝息が聞こえる。
どうもここは水槽のなかじゃないらしい。
やけにもふもふして温かい。
…ん?
なんでオレは水槽から出てるんだ??
「ん~…あと5分まってお母様…」
「?!」
あのバーサーカーの声が背後から聞こえる。
そして後ろからオレをぬいぐるみか何かのように抱き抱えてきた。やめろ気持ち悪い!!
いや、アベルの口からお母様なんて言葉が出るのもおかしいが。
「ん?何か酸っぱいぞこの羊……」
「誰が羊だこのド低脳キラー!!」
オレの罵声で目が覚めたらしくアベルは急に暴れだした。
「なんでお前が俺のベッドで寝ている!!」
「知らねーよ!!むしろオレが聞きてえわ!!」
取り敢えず部屋がぶっ飛ぶまでアベルと喧嘩した。
だんだん趣旨が逸れていつのまにかオレは背が低いことを罵られていた。コンプレックスを逆撫でされて余計腹が立つ。
「お前殆どアイリスと身長変わらないじゃないか!!
そんなのだから羊と間違えるんだ!!対してもふもふもしてなかったが!!」
「ほざけアンタがでかすぎんだよ普通の人間は190もあるやつは匆々いねえよ!!あと羊と間違えんなもふもふ要素どこにもねえだろ!アホか?!」
「アホっていう奴のほうがアホってブライトが言ってたぞ!!」
「ブライトの言うこと真に受けるあたりアンタバカだよ!!」
「「うるっせえぞジョシュアども!!」」
バンと音を立ててAIとカインが怒鳴り込んできた。
アベルの怒りの矛先はオレからカインに変わって、カインに襲い掛かった。
「チッ、いつまで経っても覚えないんだな…物分かりの悪い弟は嫌いだよ」
わざとカインは腕にブレードの攻撃を受けた。
カインの倍返しでブレードを持ったアベルの腕は真っ二つに裂ける。
片腕がもげてもアベルは怒声を上げてカインに突っ込んだが、カインはさっきから表情を変えずにスイッチを掲げた。
「アンタの首が飛んでもいいのか?」
それを見るとアベルは嫌々カインに攻撃するのをやめた。相変わらず冷酷な奴。
「こうなるから俺は反対したんだけどな…」
「何か知ってるのかお前?」
「知ってるも何もねぇ…アンタ寝てたから知らないと思うが、長雨で地下水が壁をぶち破ってな、その」
「長い、10字以内にまとめろ」
「アンタの収容室が水没した」
「うん………
…うん??」
「アンタの部屋に地下水が流れ込んで水没してんだっつの」
それで代わりに俺を収容する部屋が空いてないから俺はアベルの部屋に移されたらしい。
幸か不幸か前回の収容違反で散々暴れて疲れた俺は不覚にも爆睡していたから移動は難なく進められたそうだ。
バーサーカーの抱き枕になるくらいなら起きてりゃよかった。
クソッ、何の罰ゲームでオレがあのバーサーカーの抱き枕にならなきゃいけないんだ。
7/1にかきはじめてカインの日投稿間に合わねーなと思ってたらぎりぎり間に合ってすごく嬉しい…。
次はアベルの日に…間に合うかなぁ。いや、間に合わす。アベルさんだから何がなんでもやるぞ私は。