今回のカインの感覚はそのときの感覚を思い出しながら書きました(´・ω・`)
段々涼しくなってきたな、SCP-073"カイン"だ。
それはさておき今日は珍しくイオンがちょっかいを出しに来ない。
出されても困るが…ここまで何もないと逆に変なSCPにちょっかい出してるんじゃないかと不安になる。
「おーい」
試しに部屋にあったホウキで天井をつついてみた。
サイト内を散歩する時は右手だけだから、本体が天井をすり抜けて返事をするだろう。
…そう思っていたが返事はなく、静かに天井の塵が落ちてくる。
……ものすごく嫌な予感がする。
なぜ収容違反のサイレンが鳴らないのかと財団のセキュリティを一瞬疑ったが、なんとなく鳴らない理由がわかった。
「ックシュン」
天井の塵でくしゃみをしてから俺は渋々イオンを連れ戻しに行くことにした。
まったく、俺はアイツの監視者か何かか?
サイト██ 廊下
廊下の角を曲がった時に人が壁に潜り込んだのが見えた。
そしてここだけやたらと甘ったるい匂いがする。
「106、何しれっと収容違反している。隠れたって壁に潜り込んだのを見たぞ」
すぐに壁にまた106が出てきた。
にやにやと薄笑いを浮かべて俺を見ている。気持ちわるい。
「なぁんだいるならいるって言ってくれればいいじゃないか♪探してたんだよ~」
「アンタ認識災害前も気持ちわるかったが人の姿になってもっと気持ちわるくなったな。
あと寄るなむせる」
「えぇ~人を探させておいて寄るななんて酷くな~い?」
「用件は何だ。言っておくが俺も今暇じゃないからな」
「キミも人を探してるんでしょ?」
急にこっちの考えを言い当てられて俺は黙った。
「………やっぱりアンタって気持ちわるい奴だな」
「えへへ~♪」
「褒めてねえから」
「まぁボクがキミを探してたのも彼に探してくれって言われてたからなんだけどね~」
106はゆっくりとポケットディメンションから出てくると
「案内するからついてきなよ♪」
俺の前に立ってずいずい廊下を歩いていった。
106が歩いたあとに腐敗した床が足跡のように続いている。
ついていく他にないから、嫌々俺は106のあとに続いた。
普通匂いは鼻が慣れてそのうち無臭に近くなるものだが、この甘い匂いはどうもそうはいかない。
そしてこの匂いは脳までドロドロと溶かしていく。
菓子作りや料理なんかで粉を液体や卵と混ぜている途中の、混ざりきってない状態。あんな感じにドロドロベトベトになってそのうち体に溶け出して、あまり深く考えられなくなりそうだ。
時々106は俺に振り向いて、例の忌々しい薄笑いを浮かべている。
はい、お待たせして申し訳ない。嫦娥でございます。
投稿が遅くなった理由としてはリアルが物凄く忙しかったんでね…夏休みなんてなかったんや……。
一応最低でも月1ペースを目標として書いておりますが、また1ヶ月以上長引きそうな場合は活動報告でお知らせ致しますm(__)m