一年戦争終結後、ジオン共和国(終戦により公国から共和国に戻った)に連邦軍が駐留して、ジオン軍の武装解除が行われて軍事施設やMSなどの軍備は接収された。これによって戦争が完全に終結したかに思われたが、それは大間違いであった。
地球連邦は占領したサイド3から様々な技術を接収したが、(この際にモビルスーツ開発技術だけでなくニュータイプの研究データも接収されている)同時に今回の戦争のカギとなっていたミノフスキー粒子やモビルスーツなどの技術が日本からジオンに提供されていたものであったという衝撃の事実を知る事になった。
これには地球連邦政府も頭を抱えた。彼らはこの戦いが大日本帝国が書いたシナリオによって引き起こされたことを理解したのだ。これに激怒した軍上層部の一部は大日本帝国の討伐を主張したが、これはあまりにも無謀な事であった為に退けらえた。
そもそも大日本帝国は地球連邦樹立以前からの脅威であり、決して侮れない存在であった。特に技術力にいたっては空間跳躍を可能にするなど、地球連邦では逆立ちしても太刀打ちできない圧倒的な差があった。
そんなとんでもない相手に戦いを挑むとなると、技術力の差を押しつぶすほどの物量で挑むしかないが、そんな大軍勢を用意して動かす余裕など疲弊した今の地球連邦にはなかったし、ジオン残党などの反連邦勢力が存在する為に地球圏の防衛を疎かにできない。
更に地球圏と火星の距離も問題だった。当然ながら大軍で火星まで行くとなるとその補給の維持は容易な物ではなく、日本軍に補給を絶たれて叩き潰される危険性が大きすぎるのだ。また火星圏での戦いは日本に地の利がある為、その点でも連邦は不利だった。
これらの理由から大日本帝国に攻め込むというのは自殺行為であった為に、それが実行されることはなかった。この点では彼ら連邦は賢明であった。もし、この無謀な遠征をやっていれば地球連邦軍は大敗するだけでなく、日本の報復で徹底的に叩きのめされてしまい、その権威は地に落ちていただろう。そうなれば後の宇宙戦国時代の到来を待たずに地球連邦が崩壊していた事は間違いなかったのだ。
地球連邦が日本を下して真の人類統一を果たすには、ともかく足場を固めて力を付けなくてはいけない。こうして、地球連邦は戦前よりもスペースコロニーの抑圧を強める事になる。
しかし、彼らのこの行動は大間違いだった。そもそも圧倒的な大日本帝国に対抗する為に力を付けようと焦り安易にスペースノイドを搾取したから、日本に付け込まれて一年戦争を引き起こしてしまったのだ。それにも関わらずここで戦後処理を上手くできなければ日本に対抗する処の騒ぎではなくなるのだが、彼らがそれを後悔するのはかなり後の事であった。
ジオン公国が敗北したが、一部のジオン軍は連邦軍の接収を免れてジオン残党となっていた。それらのジオン残党は主に地球圏に潜伏するか、アクシズに集結することになる。尚、この世界では火星圏は日本の領域であるという認識が常識であった為にジオン残党が火星圏に落ち延びてくることはなく、彼らはアクシズに向かう事になる。
このアクシズこそが後のネオ・ジオンの母体となる存在であるため、日本は戦前からジオンを支援する一方でアクシズにも支援していた。本国から遠く離れたアクシズにとってこの日本の支援はとてもありがたく、特に敗戦後にジオン残党が落ち延びて来た為にこれまで以上の食糧とエネルギーが必要になり困窮すると、(言うまでもなくアクシズの自給率はそれほど高くない)事態打開の為にアクシズは日本にこれまで以上に頼る様になった。
当然ながら、これはアクシズにおける日本の影響力増大を意味していたが、困窮するアクシズはなりふり構っていられなかった。
ちなみにアクシズに対する支援はガンダムファンであるトリッパーが主体となって取り仕切っていた為に、シャアやハマーンからサインを貰うなどミーハーな行動をする者が多かったが、上記の理由からアクシズは日本側に配慮しなければならないので、余程無茶な事でない限り日本側の要望は通っていた。
そんな中で地球圏ではデラーズ紛争が勃発した。このデラーズ紛争は地球圏に潜伏したジオン残党の中でも最大勢力であるエギーユ・デラーズ率いるデラーズ・フリートが地球連邦で宣戦を布告して勃発した。まあ、その前にも連邦の新型MSのガンダム2号機を奪取するなどいろいろやっているみたいですが、このデラーズの演説ははたから見ると突っ込み処満載であった。
そもそも日本支部からすると『機動戦士ガンダム0083~STARDUST MEMORIES~』ではジオンをやけに美化しすぎのような気がする。ソロモンでの核兵器使用は地球連邦軍だけを標的にしているからいいけど、星の屑作戦で北米穀倉地帯にスペースコロニーを落下させたのはやり過ぎである。あれで民間人がどれだけ死んだか想像もできないし、地球環境に対して与えたダメージはかなり大きいはずだ。正直悪役みたいに書かれているシーマや連邦軍の方が常識人に見える。
しかし、日本支部からすれば地球圏の混乱は日本の国益にかなう物であるため歓迎できるものであった。彼らの行動も見方を変えればよくあれだけの戦力で連邦にあれほどの打撃を与えた物だと感心出来なくもないのだ。
このデラーズ紛争後、ジオン残党の脅威を認識した地球連邦はティターンズを結成させてジオン残党狩りを行う事になるが、その手段はあまりにも強引かつ苛烈であった為に、これがまた新たな火種を産むことになる。
解説
■日本の領域
第二次宇宙遷都以前の日本はサイド3を主な領域にしていたが、第二次宇宙遷都以降はそれを放棄して火星圏を領域にした。その為、宇宙世紀においては地球にある日本列島と火星圏が日本の領地という扱いになっている。ただし日本列島に関しては自然のゆりかごに戻すという建前の元に無人化していたにも関わらず、地球連邦からの不法入国者が勝手に住み着いているため日本の反発を買っている。
■デラーズの演説
日本支部からみればジオン公国の降伏は正式の物であり、それが無効であるというエギーユの主張は非常識な物だった。更に南極条約はジオン降伏により無効になっているので、連邦が核兵器搭載型MSを生産しても問題ない。おまけに連邦が核兵器搭載型のMSを生産した事を非難した癖に自分でそれを使用しているなどデラーズの行動は支離滅裂であった。勿論、日本側は空気を読んで公式に突っ込む事はなく、それに対してノーコメントで通している。
■星の屑作戦(ほしのくずさくせん)
デラーズ・フリートが実行した作戦で、その目的はコロニー落としで北米大陸の穀倉地帯を壊滅させることで、地球の食糧自給率を低下させて、宇宙に対する食糧依存率を高める事である。これによって地球連邦におけるスペースノイドの地位と発言力の向上を狙ったものである。事実この影響もあってか、『機動戦士ガンダムUC』ではコロニー共栄圏(サイド共栄圏)という思想がこの上なく地球連邦に致命的なものになってしまった。