西暦2410年になり原作通りアンスラサクスが復活した。それに伴い地球中で邪神軍団が人間を殺しまくっている。まったく旧世界の者たちはとんでもない生物兵器を作ったものです。
あの老人たちでさえアンスラサクスがあそこまで面倒な存在になるとは思いもしなかったらしいですね。とはいえ、そんなアンスラサクスと邪神軍団も真打が登場する前菜のようなものに過ぎないからこの世界の者たちはたまらないでしょう。
原作ではKCGに移住した一親皇家率いるエルフの集団は霊子動力炉の動力源となったが、ソウル・クリスタルの実用化によって彼らが霊子動力炉に使われて事もなく、KCGに現在も住み着いていた。
そんな中で、邪神群の中にKCGの防御シールドを超えてテレポート可能な者がいたためKCGが大打撃を受けて防御シールドを破られてしまったから、住民たちの避難までやらねばならなくなった。
ここで「それなら最初からKCGにいるエルフたちを避難させておけよ」と突っ込みを入れたい人もいるかもしれないが、アンスラサクス率いる邪神軍団とその正体である天使軍団は地球各地で現れて人類の虐殺をしているから、KCGにいなければ安全とは言えないわけです。
老人たちは起死回生の策としてD・Sを竜戦士と強制融合させようとしてもアビゲイルが拒否したためにそれができず、D・Sがアンスラサクスと直接戦う事になった。
その戦い自体はD・Sの活躍でアンスラサクスを撃破する寸前まで行ったが、正体を現した天使によってD・Sが封印されてしまう。
そんなわけで、現在は400年前と同じように正体を現した天使軍団によってKCGはタコ殴りされており、浮力を半ば失い緩やかに落下中という状態になっている。
そんなどん詰まりの状態で老人たちは「天使たちよ。もっと力を見せてみろ」と高笑いしている。ぶっちゃけいっちゃっているね。
「さてと、霊子動力炉か」
この世界の霊子動力炉は原作と違ってかなり小型化されている。それこそスーパーロボットに搭載できる程だ。
それだけに原作の様に霊子動力炉中枢部で派手に戦闘するなどできないが、その変わりに霊子動力炉付近で激しい戦闘が起きていた。
「この箱舟はもう駄目ね。ここは私とアイシャに任せて貴方たちはここから脱出しなさい」
「……良いのか。死ぬぞ」
私の言葉に正気になったのか、老人たちは私にそう尋ねた。
「もはやどこにいても大差ないわ。だったら特等席で天使の力を見てみたいからね」
「そうか、わかった。では後は任せた」
そういうと、老人たちはその場から出ていった。そんな老人たちとは別に私とアイシャはそのままデータを取れるだけ取ることにする。言うまでもないがこの場に残る事は死を意味するが、勿論、私たちは死ぬつもりなどない。
「がはっ!?」
データ収集に集中していると、いきなり何かに腹を貫かれた。見ればそれは天使の手だった。視線を動かすと私の隣でデータ収集をしていたアイシャも天使に腹を貫かれていた。テレポートか。天使は瞬間移動して後ろから私たちを攻撃してきたのだろう。
そして、天使の次の攻撃で私は意識を失った。
「やれやれ、やられちゃったよ」
地球から、いや太陽系からもかなり離れた場所の宇宙空間に待機していた巡洋艦の一室で、私はそう愚痴た。
先ほど天使に殺されたのは私たち本人ではなく、私のコピー・ホムンクルスだ。私たちはそのコピー・ホムンクルスをこの位置から遠隔操作していた。
元々『スレイヤーズ』の世界にはエリスがやったようにコピーを遠隔操作する技術はあったから、それを発展させて、ここまで離れた位置からコピーを遠隔操作できるようにした。その為、私たちはアンスラサクス復活の少し前にコピーと入れ替わり、地球から遠く離れたこの場所から私たちのコピーを遠隔操作していたのだ。
このコピーの操作方法はVRゲームのような感じで、アバターの代わりにコピーを動かしていた感じですね。だからコピーが殺されてもRPGで自分のキャラクターが死んだのと同じ感覚です。
本当にこのコピーは実に役に立ってくれました。私たち自身が遠隔操作していたのもあるが、あの老人たちでさえ、コピーだと気付かなかったのだ。
これで、エウロペアの十二賢者のエリーゼ・ペルティーニとアイシャ・ペルティーニは死亡したという形になるだろう。
後はエウロペアの十賢者がやる筈だった仕事をあの老人たちにやってもらえばいい。
やっていることがかなり姑息ですが、原作を知る私としてはこれ以上地球にいるなどできません。主人公じゃあるまいし、天使と悪魔から人々を守ろうなんて思っていませんよ。というか極端な事を言えばこの世界の人間が絶滅しようが私たちにはどうでもいいのだ。
「エリーゼこれからどうする?」
「そうね。もうこの世界で得られるものはないし、天使と悪魔の最終戦争に巻き込まれるのもいやだから引き上げましょう」
目的だった竜戦士もとっくに完成しているから、当然ながらその製造技術もちゃんと把握している。この技術は後々に役に立つでしょう。
こうして、私たちは天使と悪魔の最終戦争が繰り広げられている地球を無視して、430年ほど過ごしたバスタード世界から撤退した。
解説
■コピー・ホムンクルス
『スレイヤーズ』の世界で登場する人間の複製。コピーは通常は自我が存在せず、実験用に用いたり別の魔術で遠隔操作するという使い方が主流となっている。大概の人間であれば外見だけでなく才能などもコピーできるが、流石にエリーゼたちのチート能力のコピーは不可能なので、例え本人が遠隔操作してもその戦闘能力は格段に落ちる。
■エリス
『スレイヤーズ』の登場キャラクター。赤法師レゾの側近の魔道士で、レゾのコピーを魔術で遠隔操作していた。