二人の魔女   作:ADONIS+

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※2~5は、『GS美神 極楽大作戦!!』の世界が舞台になっています。


GS美神 極楽大作戦!!
2.チート能力(GS美神編)


 13世紀の欧州。当時の欧州はオカルト全盛期だった。ヨーロッパの魔王ドクター・カオスを初めとする錬金術師、魔法使い、魔女たちが未だ大きな力を持っていた時代。

 

 しかし、当時それほど活発ではなかったとはいえ魔女狩りがすでに発生しており、既にその悪影響を受けて中世魔法技術に衰退の兆しが見えていた。

 

 そして、私が転生したのはそんな世界だった。

 

 私はスイス・イタリア国境付近の辺境領主の次女エリーゼとして転生した。家族構成は両親、一歳年上の長女マリアと私の双子の妹アイシャだ。

 

 これで気付いた人も多いでしょうが、私が生まれた家はドクター・カオスのパトロンだった領主の家で、更に死神の言った通り、妹のアイシャは私と同じトリッパーでした。

 

 ちなみに上位世界(現実世界)では魔女狩りは12世紀以降キリスト教会の主導によって行われて、数百万人が犠牲になったと言われていたが、実際にはこれは風説にすぎません。

 

 魔女狩りはもともと民衆の間から発生して15世紀から18世紀まで行われて欧州全土で最大4万人が処刑されたというのが通説で、魔女といっても犠牲者は女性だけでなく、男性も〝男性の魔女″という形で含まれていた。

 

 しかし、『GS美神 極楽大作戦!!』では1242年(13世紀)の段階で魔女が民衆に弾圧されている描写があり、マリア姫が取り成していなければシャレにならない状況になっていた。

 

 恐らくこの違いは魔女やオカルトが架空の物である上位世界と、魔女もオカルトも実在しているGS世界との差によって発生していると思われる。

 

 

 

 西暦1231年。四歳になり、ようやくある程度動けるようになった。

 

 赤ん坊時代は本当に困りました。まさか赤ちゃんプレイをやらされることになるとは思いませんでしたからね。今となっては黒歴史です。

 

 そんな私たちの前に死神が現れて転生特典について説明してくれた。

 

 私たちの転生特典は二人とも同じで、その内容は以下の通りです。

 

 1.オカルトの鬼才

 2.固有世界観

 3.理解

 4.分割思考

 5.高速思考

 

 それで、この五つの能力の詳細はこうなります。

 

【オカルトの鬼才】

 これは文字通り、ありとあらゆる下位世界でオカルトと呼ばれている分野に対して千年に一人という伝説的な偉人になれる才能です。これは霊能だろうが、魔術だろうが、関係なくオカルトであればOKです。

 

【固有世界観】

 実は魔法や魔術というのは、その世界観が適合して初めて行使可能になる汎用性のない代物なんです。例えば精霊のいない世界で精霊魔法を使えませんし、魔術基盤がない世界で型月系の魔術は使えないが、この能力は現地の世界観の壁を無視して自分の都合のいい世界観を現地世界に押し付ける事が出来る能力ですね。これによって本来ならば魔術が使えない筈の世界で魔術が使えたりします。

 

【理解】

 見たり聞いたり触ったりした物事を理解して完全に使いこなせる。

 

【高速思考】

 21世紀のスーパーコンピュータ並の速度で思考が出来る。

 

【分割思考】

 常に数百もの思考を同時にできる。

 

 これらのチート能力の中でも【理解】が一番便利だった。何しろ、書物の文字を見るだけで文字や内容を理解して使いこなせる。他人の会話を聞くだけで言葉を理解して使いこなせる。さらには様々な道具を触るだけでその構造を理解して使いこなせる。という能力なのだ。

 

 そんなチートになったから、現地の言葉をあっという間に習得して、更に親の書庫から様々な知識を手に入れました。その際、父の持つ書物の中に魔法技術やオカルト知識を扱っていた物がやたら多かったですが、よく考えれば原作でも田舎領主の父はオカルトアイテムや書物の収集家だったからある意味で予想通りです。

 

 最も父はただの辺境領主にすぎないし、そもそも13世紀は未だに羊皮紙が主流で、一応製紙技術が伝わっていた物の、製紙工場が欧州全土に普及していない上に、印刷技術もないのだ。

 

 こうなると本の大量生産など不可能で、必然的に本の数が少なくて貴重品となるので、あっという間にすべての本を読み終えてしまった。

 

 ちなみに知識の習得は【理解】に【高速思考】と【分割思考】を併用しましたね。こうすると、一冊の本をたった数秒で全部理解できます。そんな感じなので書庫は常人から見れば異常な速度で読破できました。

 

 両親はそんな私たちを天才だと大喜びしていましたね。まぁ喜ばれるのはいいですが、ここでは知識の絶対量が少なくて物足りなさを感じましたね。

 

 そういえば、原作では領主の父はオカルトを趣味にしていて、中央から追われた古代の秘術を継承している大魔法使いや錬金術師などを匿っていたらしい。その為、私とアイシャは魔女などのオカルト関係者と知り合いになった。折角なのでそうした方々に弟子入りして中世魔法技術やオカルト知識を教えてもらいました。

 

 実を言うと前世から魔法とか結構憧れがあって興味がありましたし、化け物染みた才能でそれらを面白いほど順調に吸収できた。師匠の魔女さんとかは私たちの異常な才能に興奮していましたね。きっと教える方もここまで才能があると、教えがいがあったのでしょう。やたらと褒めて熱心に教えてくれました。

 

 ここで彼女たちが私たちの才能に嫉妬するような小心者でなかったのは本当にありがたかったですよ。魔女狩りで追われていた人たちですが、根は善人でした。

 

 まぁ私とアイシャの化け物じみた才能で早期に「もうお前に教えることはない」と免許皆伝を貰うという結果になりましたけど。

 

 そんなこんなで十年ほどやっていたら、一人前どころか欧州最高の魔女になっていましたよ(笑)。

 

 それと、十年もオカルトだけやっていたワケではなく、知識取得のために死神に頼んで監察軍の電子書籍端末をもらって様々な知識を獲得しています。

 

 さすがに超技術を誇る監察軍だけに自分の周りにウィンドウ(空中モニター)を幾つも展開して電子データを読み取るなんてSFな事も当たり前にできました。

 

 こうして下地となる知識を確保した私は、それを利用して内政チートに励んだわけです。




解説

■世界観
 創作物にはすべからく世界観があり、それは物語の基盤ともいえる。これによってその世界の法則もそれぞれ違い、監察軍ではこの世界観の違いを把握してそれに対応する事を日常茶飯事にしている。

■電子書籍
 本を電子化した物で、監察軍の技術ならば小さな端末があればウィンドウを出してそのデータを読むぐらいは簡単にできます。

■ウィンドウ
 ネルガル(機動戦艦ナデシコ)が開発した空中に浮かんで表示されるモニター。監察軍ではそれを発展させて恒星間通信や異世界間通信にも使用している。なおウィンドウに触れても人体に悪影響はない。
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