31.セラエノ大図書館(デモンベイン編)
LUNAR世界から引き上げた私たちはとうとう念願だったデモンベイン世界に訪れた。死神の計画上この世界に来ることは最初から決まっていた事であるが、流石にいきなりこの世界に来てSAN値をガリガリ削るような魔術を習得するのはあまりにも無謀であった為に、千年に渡って様々な異世界を巡りながら自己強化を進めてきたのだ。
元々オカルトに対して千年に一人という稀代の才能があった上に、千年の間オカルト技術を研究し続けて精神を強化した私たちはそこいらの最高位の魔導書を見てもビクともしない程です。実際、私たちはセラエノ大図書館で大量の魔導書を読みまくっていますが何ともありませんよ。
えっ、セラエノ大図書館とは何かですか? まぁ確かにあそこは原作でもあまりでませんでしたね(汗)。
簡単に言うと、セラエノとはプレアデス星団にある惑星の一つで、そのセラエノに存在する旧支配者や旧神から盗み出した書物や石碑を初め数多くの本が所蔵されている大規模図書館がセラエノ大図書館です。
盗品が多いと言うあたり何か大英博物館を彷彿とさせるものですが、まぁその辺りはどうでもいいでしょう。重要なのはこのセラエノ大図書館がデモンベイン世界の魔術を学習する場所としては最高の場所であるという事だ。
最も地球どころか太陽系からもかなり離れているから、デモンベイン世界の文明レベルでは到底来ることはできないが、逆を言うと私たちの様に恒星間航行が可能な宇宙船を使う事ができる者なら問題なく来ることができる。こういう時は監察軍に所属していて良かったと思いますね。そんなわけで今回はここで魔術を習得する事にした。
大図書館というだけあって、ここの図書館の所蔵された所蔵数は相当な物で、私たちをして制覇するのに十年もかかりました。まぁ時間がかかったのは量の問題だけでなく、いくら耐性があっても一度に大量の魔導書を理解するのはちょっときつかったりしたので、読む速度を落としていたからだ。
ここで、たかが本を理解したぐらいでキツイと表現した事を意外に感じるかもしれませんが、魔導書の内容とか冗談抜きで外道の知識ばかりなので、常人だと読んでいるだけでドン引きするどころかSAN値をガリガリ削れます。といっても私にはそこまで影響しない。外道な事なら書物の中だけでなく実際に散々実行しているし、そんな物を見たからと言ってどうなるほど純粋ではありません。だから、ちょっときつい程度で済んでいる。
ちなみに私たちはボッチで図書館制覇を挑んでいたワケではなく、ラバン・シュリュズベリーというおっさんもいた。
そういえばこの人『機神飛翔デモンベイン』でも登場していたね。でも原作開始の30年前だから幾分か若いようですね。原作では老人だったのに、現在は中年男性という感じです。それでこのラバンはこの大図書館に所蔵されているとある石版の欠片からセラエノ断章の写本を作っていた。
そんなラバンですが、私たちがこの大図書館の書物や石碑などの所蔵物を制覇した事を聞くと驚いていましたね。というものこのセラエノ大図書館に所蔵されている外道の知識の量は凄まじいもので達人級の魔術師であっても人間ならば正気を保ったままそのすべてを習得するなど不可能だからだ。というか量が多すぎて僅か10年で制覇できる代物ではない。だからラバンから「お前たち本当に人間か?」と何気に人外扱いされた時には顔が引きつったりもした。
まったく本当に失礼な人ですね。あくまで私はチート能力者にすぎず、人外ではありませんよ。
実はラバンは私が来る前からここにいて、もう20年ほどここにいるらしい。そこで私が地球に行くと言うと一緒に連れて行って欲しいと頼まれたのでついでにラバンも宇宙船に乗せて地球に行くことにした。
まぁその際に宇宙船の事でラバンから少し聞かれたが、そこは適当に流しておいた。というか盲目の癖に宇宙船だと理解できるとは侮れない。魔術を使って把握しているのだろうけどね。
その後、ラバンとはアメリカに降りてから別れたが、私たちはアメリカ各地を旅しながら魔術の練習と悪の魔術結社や邪神崇拝集団などと戦う日々を送る事にした。デモンベイン世界は悪の魔術結社とか邪神崇拝集団というのがリアルに世界各地に多数あるので探すのに苦労しませんでしたね。
どうもこの世界では、魔術を何の制限もなく思う存分研究したいと思う魔術師が悪の魔術結社を結成したりしているようで、中々なくならないようです。というかこのデモベ世界では魔術師の就職先ってミスカトニック大学や覇道財閥あたりしかないと思う。そうなると、職に就けない魔術師が魔術を悪用して跳梁跋扈するのは当たり前かもしれない。
まぁ型月世界の魔術師もロクデナシだったから、デモベ世界の魔術師がそうであっても可笑しくはないけど、一般人からすれば迷惑な話です。
それはともかく、私たちはそんな生活を送っていましたが、ミスカトニック大学陰秘学科の推薦入学の知らせが来た。どうもラバンから私たちの事が覇道鋼造に伝わったらしくスカウトしているらしい。
さて、どうしたものか。実のところセラエノ大図書館を制覇した今となってはミスカトニック大学秘密図書館にはそれほど価値はない。
しかし、書物を理解して独学で習得するだけでなく偶には講師から学ぶというのも何か得る物があるかもしれないから悪くない。それにどうせ時間などいくらでもあるから最悪無駄に四年間を浪費したところで痛くもかゆくもない。
こうして私たちはミスカトニック大学に入学した。
私たちはその卓越した能力から講師たちに吸収できる物は吸収した。といってもあまり得る物はなかったけどね。それでもラバンの出張講義はそれなりに楽しめたからミスカトニック大学に来たのは失敗ではなかった。
大学三年生になるとミスカトニック大学の秘密図書館を利用できるようになったので図書館の制覇に乗り出したが、やはりめぼしい知識は収集済みであったので新しい知識をそれほど得ることはできなかった。
いくら世界中の魔導書を集めていると言ってもセラエノ大図書館の品揃えにはかなわなかったのだ。その事は予想済みだったので私もそこまで落胆はしていませんが、ちょっと残念です。
まぁミスカトニック大学の目玉とも言えるネクロノミコン・ラテン語版を見ることが出来たのがせめてもの慰めでした。