二人の魔女   作:ADONIS+

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※34~42は、『新世紀エヴァンゲリオン』と『斬魔大聖デモンベイン』のクロスオーバー世界が舞台になります。


新世紀エヴァンゲリオン×斬魔大聖デモンベイン
34.裏死海文書(使徒戦役編)


 私たちがデモンベイン世界を引き上げた後、監察軍でこれまでのデータを元に専用の鬼械神カーリーとドゥルガーを完成させた。これでベヅァーに対抗しうる力を一応手に入れた。

 

 しかし、これでやる事が終わったと怠けるつもりはなく、私たちは次の研究に入る事にした。その研究対象とは宇宙のタマゴだ。

 

 実はGS世界でアシュタロスの技術を回収していた際に宇宙のタマゴの技術も入手していたのだ。これまでは優先順位が低かったから後回しにしていたが、あれは興味深い物です。

 

 宇宙のタマゴの素材は個人で入手するには手間が掛かるが、監察軍を通して調達すれば簡単に入手できたのもありがたかった。

 

 これで宇宙のタマゴを作るわけですが、ここでどんな世界を作ろうかと考え込んだ。

 

 宇宙のタマゴを使えば、大概の下位世界そっくりの仮想世界どころか、原作が存在しないオリジナルの仮想世界だって意のままに作ることが出来る。

 

 しかし、そんな物を作ろうとするならば自分で世界観をあれこれ決めておかないといけない。小説の作家とかならそういうのは得意だろうが、私たちは作家ではないからね。それに所詮は興味本位の実験にすぎないから、そんな事で頭を悩ますのも面倒だった。

 

 そこで、ネットの二次小説でよくあるクロスオーバーに挑戦することにした。これは二つ以上の原作の世界が融合している物で、物語の関係からその世界観を無理やり融合させる為にカオスな設定になってしまう二次小説が多いが、作り物の世界だから問題ないし、既存の物語を応用するだけなので手間はそれほどかからないだろう。

 

 そんなわけで、取りあえず『新世紀エヴァンゲリオン』×『斬魔大聖デモンベイン』というクロスオーバーの組み合わせにすることにした。というもの前世でエヴァ世界とデモベ世界のクロスSSを読んだことがあり、エヴァ世界の『裏死海文書』をデモベ世界の魔導書にすることが出来るか興味深かったからです。

 

 ここで完成した宇宙のタマゴに世界観の設定をして置く。

 

 まずデモベ世界では人類誕生前に旧支配者とかが地球に君臨していたが、それらは邪魔なのでクトゥルフ神話系の邪神や種族などは創造こそしたものの、天の川銀河に干渉してはならないと制約を加えておいた。だから彼らは他の銀河系を領域にしていた。

 

 こうして天の川銀河をフリーゾーンとして確保して、適当な地球型惑星で第一始祖民族を私の奉仕種族として創造しておいた。この辺りはマスターテリオンが作り出した火星人みたいなものですね。

 

 彼らは天の川銀河に存在する唯一の知的生命体として大いに繁栄したが、母星が寿命を迎え滅亡の危機に陥ってしまった。これは惑星である以上仕方がない事だ。形ある物いつかは壊れる。それは惑星として例外ではない。

 

 私はそうした事態の際に一つの命令を彼らに与えていた。それは原作の様に『自分たちを生命の根源の姿に戻していくつかのグループに分かれて月に乗り、新たなる惑星に向かえ』というものだった。

 

 私が上手く調整しておいた事もあり、原作通りアダム乗せた白き月が地球について、遅れてリリスを乗せた黒き月が地球に降りた。また黒き月が地球に落下した際に月形成のジャイアントインパクトが発生した。その後、アダム由来の使徒は活動を停止状態となり、リリス由来の人類が地球で繁栄することになる。

 

「さてと、本命の魔導書を用意しておきますか」

 

 まず魔導書作りで良質な材料は適当な霊木を材料にした紙だ。そこでDQ3世界で入手した世界樹の枝を使う事にした。

 

 この世界樹の枝はかなり昔に手に入れた物であるが、固定化の魔法できちんと保管しておいたのでまったく劣化していない状態だ。

 

 そこで大量に保管していた枝の一部を錬金の魔法で紙に変えて、一枚一枚手書きで記述しておいた。ついでにインクとかも高位の魔術師である私の血を混ぜておいたので材料としてかなり良質な物だ。

 

 ここで記載する言語は原作通り天使文字であるエノク語にした。このエノク語はバスタード世界でエルフの魔法文明が良く使っていたので、私たちもなじみ深い物でしたね。

 

 原作では死海文書とは第一始祖民族が記した生命の種やロンギヌスの槍の使い方を記したマニュアルや運用時の計画書を、写本したもので、その中で特に重要で秘匿されたものが裏死海文書だとされている。

 

 そこで、当たり障りがなく重要度が低いものは適当な書類に記載しておく一方で、重要な内容は裏死海文書に記載しておくとしよう。

 

 こうして完成した裏死海文書とその他の書類には固定化の魔法をかけて死海にある洞窟に収めておいた。後にゼーレの前身である宗教団体がこれを発見することになり、彼らによってサードインパクトが発生することになる。

 

 

 

 

 

 赤い海。サードインパクトによって発生した世界は生命が存在せず、ただ赤い海だけがあるそんな場所であった。そんな場所で私は一冊の魔導書を回収した。

 

『裏死海文書』

 

 それはエリーゼによって宇宙のタマゴの外で記述され、千年前にこの世界に送り込まれた魔導書だ。

 

「さてと、迎えに来たわ。インデックス」

 

 私のその言葉に反応して、裏死海文書のページが飛び散り周囲を舞う。やがて飛び散ったページが一か所に集まり一人の人影が現れた。それは白い修道女姿で銀色の髪に緑の瞳の10代前半と思わしき少女だった。

 

「エリーゼ様、お待ちしておりました」

「長きに渡りご苦労でした。それで成果の方はどうです?」

「はい。残念ながら私を使う事ができる魔術師はおりませんでしたが、千年の時間とセカンドインパクトとサードインパクトの原因となった因果により、私の魔導書の格は大きく上がりました」

「そうですか。やはり人類絶滅の原因の一つになったらそうなりますね」

 

 魔導書というのは経過した時間の長さと、どれだけ魔術師に使われたかで、その力が決まる事が多いが、因果の大きさも大きな影響を与えるのだ。

 

 そして、この世界ではアスカとシンジだけが生き残ったが、その二人もすぐに野垂れ死にしている。つまり人類は絶滅している状態なので、裏死海文書の因果はとても大きなものになっていた。

 

「でも、せっかく宇宙を作ったのに、こうもあっさりと滅びたのでは面白くないです」

 裏死海文書を用意してサードインパクトが発生するように誘導した私が言うのも何だが、この赤い海はつまらない。

 

「では、時間を戻してやり直してはいかがでしょうか?」

「そうね。そうしましょう」

 

 この世界は宇宙のタマゴの中に存在する世界で、私から言わせればゲームの中の仮想世界と大差はない。だからリセットボタンを押すようにやり直しも簡単にできるのだ。




解説

■宇宙のタマゴ
 GS世界のアシュタロスが作り出した新たなる宇宙の雛形。その内部には現実と同じ一つの宇宙が存在している。また宇宙のタマゴの内部は時間の速さを変えることが出来るので、外の世界では少しの時間であってもタマゴの中で長時間すごすことができる。エリーゼはこの機能を利用して本来なら数百億年単位の時間がかかる実験を短時間で行っている。

■火星人
 小説版『斬魔大聖デモンベイン軍神強襲』でマスターテリオンが作り出した奉仕種族。

■固定化
 物品を劣化させることなく保管する系統魔法(ゼロの使い魔)。エリーゼたちは大切な物品はこの固定化をかけて保管している。

■錬金
 土の系統魔法(ゼロの使い魔)の一つで、水銀などを使って良質の金を量産したり、様々な資源を作り出したりできる。エリーゼたちはこれを利用して資金調達を行っている。

■インデックス
 元ネタは『とある魔術の禁書目録』のインデックスで、恰好も同じ白い修道女姿だ。ただし安全ピンはさすがにない。魔導書『裏死海文書』の精霊であるが、エリーゼが裏死海文書にくくった人工霊魂が核となっている為、一般的な魔導書の精霊とは少々異なる。
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