二人の魔女   作:ADONIS+

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39.連敗

 第五使徒ラミエルが襲来。これに対して未だに使徒戦の優先権を何とか確保していたネルフは迎撃を開始した。

 

 この時ネルフの戦力は初号機の修理が完了しておらず、参号機もまだ到着していないという状態だった。その為、使える戦力がエヴァ零号機(相田ケンスケ)とエヴァ弐号機(惣流・アスカ・ラングレー)だけであり、ケンスケが訓練を始めたばかりであることを考えると、最強の戦力はアスカの弐号機である事は間違いなかったが、そのエヴァ弐号機が地上に出た途端に荷電粒子砲で狙撃されて大破した。

 

 ぶっちゃけると、ミサトは偵察も牽制もないまま馬鹿みたいに正面に出して磔にされただけという醜態を世界にさらしてしまった。前回は何とか戦いらしきものが出来ていたが、今回は論外であった。

 

 この事態にネルフだけでなくゼーレも大慌てになった。何しろ後がないから何としても今回の使徒をネルフが殲滅せねばならないが、この時点でネルフは外部組織に対する特務権限を縮小されており、原作の様に戦自の陽電子砲や日本全土から電力の徴発などはやりたくてもできなかった。

 

 そこでゼーレは日本政府内のゼーレの草を動員して無理やりヤシマ作戦を実行させた。これには裏死海文書に第五使徒には日本全土の電力を集めれば勝てるという記述があったからだ。

 

 また、その様な事ができたのは、この世界のゼーレはジオフロントがある日本を重要視して念入りに抑えて現内閣をゼーレの傀儡にしていたからである。

 

 かくして、この世界でもヤシマ作戦が実施されて、ネルフは最後の戦力であるエヴァ零号機が日本全土の電力を集めた陽電子砲による使徒迎撃を試みたが、これが失敗に終わった。というのも原作ではエヴァを二体使って陽電子砲と盾を運用していたが、この世界では零号機だけなので盾がなかったからだ。

 

 電力を集めて陽電子砲を発射しようとすると、第五使徒も荷電粒子砲を発射したためにお互いの砲が大きくそれてしまったのだ。そこに第五使徒が再び荷電粒子砲を打ち込んだ為に陽電子砲とエヴァ零号機は大破して、この敗北で戦力を失ったネルフは国連軍に指揮権を移譲した。

 

 

 

アイシャside

 

「そんなわけで、ネルフは指揮権を国連軍に移譲いたしました」

 と、アイシャはエーファの報告を聞いていた。

 

「ヤシマ作戦をこの世界でやるとはね。てっきりこの世界では取りやめになると思っていたから意外だわ」

 

 今までの工作で、ネルフの特務権限をあれだけ削ればヤシマ作戦は実行不可能だと予想していたが、まさかゼーレが日本政府を使って無理やりやるとは思ってもいなかった。

 

「でも、やり過ぎたわね。かえって状況が悪くなっているわ」

 

 ヤシマ作戦でネルフが使徒殲滅に成功していれば使徒殲滅機関としてのネルフの体面を保つ事ができただろうが、失敗しては逆効果だ。こうなるととんでもない負担をさせられた日本のゼーレ離れが起こるだろうし、こちらがそれを煽るのも難しくないだろう。この際、日本をゼーレから離反させるというのもありだ。まぁ今は使徒殲滅が先だから、さっさと出撃しますか。

 

「虚数展開カタパルト展開、ドゥルガー出撃!」

 

 使徒殲滅の為にアーカムシティから第三新東京市に転移する。座標は第五使徒の真上だ。それは使徒はその構造から真上が荷電粒子砲の死角になっていると予想できたからだ。

 

 別にドゥルガーなら荷電粒子砲が命中してもビクともしないが、アイシャはマゾではないので無暗に攻撃をくらうつもりはない。

 

「レムリア・インパクト!」

「昇華!」

 

 真上から強襲するドゥルガーに対して第五使徒はATフィールドを張るが、それは無駄な抵抗だった。確かに第五使徒のA.T.フィールドは強力であるが、ドゥルガーのレムリア・インパクトの前にはひとたまりもない。

 

 そもそもドゥルガーのレムリア・インパクトはディス・レヴの無限力によりデモンベインのレムリア・インパクトよりも遥かに強力なのだ。そんなものをくらえばA.T.フィールドも紙装甲にすぎず、一撃で使徒は消滅した。

 

 尚、この鮮やかな使徒殲滅によりネルフの失態がより強調されてしまったのはいうまでもないだろう。

 

 

 

日本side

 

 現在の日本では政変が起きていた。というのもゼーレの草であった内閣が解散したからだ。

 

 そもそも使徒戦が始まってからというもの日本は踏んだり蹴ったりという状況だった。第三使徒戦で戦自は被害を受けた上にN2兵器で自国の街を壊滅させてしまうという失態を犯してしまうだけでなく、第四使徒戦ではゼーレの命令により国連軍に指揮権の移譲を厳禁された上に使徒を第三新東京市に誘導する事になったのだ。

 

 その為、戦自は第四使徒に原作より激しい攻撃を加えたが、それは使徒の反撃を受けることになり、戦自は大打撃を受けた。これだけでもヤバい事態であったが、ヤシマ作戦が内閣に止めを刺した。

 

 当時の内閣を初めとして日本上層部に入り込んでいたネルフの草たちがゴリ押しして実現したヤシマ作戦であるが、その被害額は目を覆わんばかりだった。

 

 まず前置きとしてセカンド・インパクト後の日本は人口の激減によって電気需要量が激減しており、これによって日本にある電力会社が作る総電力量が低下してしまいヤシマ作戦の目標電力に届かなかった事を指摘しておきます。

 

 こうなると戦自の基地や、付近の自家発電を持つ病院などから電気を無理やりかき集めて、更に陽電子砲に電力を送るために収束地点などでは、戦自や民間の技術者を協力させていた。つまり、日本中から必要となる電力、機材、技術者を投入していたわけで、その結果、人工呼吸器などに頼っていた患者や、緊急手術が必要だった患者などが、数百人単位で死亡してしまった。その為、犠牲になった患者の遺族や無理やり働かせた技術者たちに対する補償もとんでもない出費となり、その上日本中が一時的に停電になる事で日本経済に大打撃を受けた。

 

 これでネルフが勝っていればまだマシだっただろうが、これほどまでに負担にもかかわらず結果が敗退であり、一方で国連軍のロボット(ドゥルガー)は使徒をあっさりと殲滅してしまった。その結果、政界と財界では大いに揉めるだけでなく、国民から政府への非難が殺到してマスコミによって政権が徹底的に叩かれることになりゼーレ派の多くが失脚した。こうして、日本国内でゼーレの勢力が一気に低下していった。

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