二人の魔女   作:ADONIS+

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4.鶏が先か、卵が先か

 村人が魔女を捕らえたという話を聞いた。原作通り美神と横島がこの時代に来たようだ。原作通り姉のマリア姫と美神たちが話をしていたので、私たちが美神に会う事にした。

 

「エリーゼ! それにアイシャも!」

 と、美神が私たちの名を口にしたのは少々驚いた。

 

 思わずアイシャと顔を見合わせるが、すぐに美神に向き直った。

 

「貴女たちとは初対面のはずなのに、何故私の名を知っているのですか?」

 としらを切る事にした。

 

 本当は美神の事を知っているが、それを説明するのに原作知識の事を言わねばならないので、ここは白を切るしかない。それに確かに私は美神たちとは初対面なので嘘を言っていない。

 

 しかし、美神たちが私たちの事を知っているという事は、この世界の20世紀末に私たちがいるということだろう。

 

 正直言ってこの世界は魔女狩りとか色々と鬱陶しいから、ある程度知識や技術を吸収したらこの世界から出ていくつもりだったので、この事は意外であった。

 

 こうなると私が約750年後にこの世界の日本に行って原作の舞台に関わる事が因果律で決定されているという事だろうか?

 

 いや、そこまで厳密に因果に縛られることはないだろうから、何も強制的に行くことになるとは思わないが、時空の辻褄合わせの為には行った方がいいだろう。

 

 彼らが未来から来たからこうなったのか。それとも未来の私が原作介入をしようとした為にこうなったのかは分かりませんけどね。

 

 まぁ時間移動は因果律を覆す行為だから、鶏が先か、卵が先かという議論になりかねないので、深く考えても結論は出ないだろう。

 

 これは今考える必要はない事だ。後750年はあるのだからその時になって考えればいいだろう。

 

 

 

 私たちが白を切ったために、美神は過去に来た為に面識のない状態となったと、理解したようだ。

 

 次にカオスの話題になって美神とマリア姉さんが話し込んでいると、ゲソバルスキー男爵率いる暗黒騎士団が村を襲撃してきた。

 

 これに対してバロンが迎撃して奮戦するもゲソバルスキー男爵によって倒されてしまった。そう書くとシリアスに見えるが、ゲソバルスキー男爵が骨を投げてそれを無防備に飛び上がってキャッチするのはすごく間抜けだった。

 

 機械なのに犬としての習性があったことが敗因といえるだろうが、ある意味カオスの作品らしいといえるね。

 

 おまけに精霊石の結界もゲソバルスキー男爵がマリア姉さんの盗撮写真につられてマリア姫と横島が結界の外に出てしまって無駄になってしまいピンチになった所にカオスが帰って来て敵を薙ぎ払った。

 

 しかし、あえて言わせてもらおう。リモコン操作を間違えてカオスフライヤー1号を自爆させてしまったとか間抜けにも程があるぞ。あれほど間違えるといけないからリモコンで自爆できるようにするなといっておいたのに。

 

 所謂自爆スイッチはロマンですというやつかな?

 

 それもいいかもしれませんが、間違えないで下さいね。あのカオスフライヤー1号なんて私が稼いだお金が湯水の如く使われているんですよ(泣)。

 

 

 

「そうかそうか。ワシ以上の天才が城を占拠している上に貴様らは未来から来たと言うのか」

 と、カオスは頷いていた。

 

「しかし、分からないわね。未来ではカオスは老人になっていたのに、エリーゼとアイシャは外見が全く変わっていなかったわ」

「ふむ、そうか」

 と、カオスが私たちに視線を向けて来た。

 

 美神たちのせいで私たちが不老長寿になっている事がばれてしまったので、その辺りを上手くごまかさないといけないね。面倒な事です。

 

「確かに私たちは独自の延命処置を施しているけど、それはカオスとは異なる方法を用いているからその違いの所為でしょうね」

 と、答えておいた。

 

 その際に、延命処置の内容を聞かれたが、「秘術だから答えられない」と、突っぱねておいた。いくらなんでも異世界のナノテクノロジーによって延命処置を施されているとは言えませんよ。

 

 幸いこの時代の錬金術師や魔女たちも本当に切り札と言える秘術は他人に教えないのが当たり前だったので、私の言葉が受け入れられた。

 

 ここでバロンに仕掛けられた立体映像投射機によって、ヌルが出てきてカオスと会話になった。ヌルはカオスを勧誘するが、カオスはマリア姉さんの言葉を聞いて人情を優先して、それを断った。その時に、美神がカマをかけてヌルが魔族である事を暴いた。

 

 

 

 ちなみにヌルとの戦いでは美神と横島だけでなく私とアイシャも加わって激しい戦闘をやりました。ヌルは魔族一術に長けるというだけあって手強く、おまけに本来魔族は人間界ではほんの一部の力しか使えない筈なのにヌルは地獄炉のバックアップを受けて人間界でも全力で戦えるのでかなり面倒だった。

 

 カオスが地獄炉を停止した事で一気に逆転してヌルを倒すことに成功したものの、力不足を痛感したものです。

 

 私とアイシャはチート能力から人間の限界を超えた200マイトもの霊力を保有していたが、ヌルは強かったのでかなり苦戦した。まぁこの世界では人間よりも動物の方が霊力が高かったりするし、そもそも人間の霊力限界値というのもかなり低いから、本当に面倒だよ。

 

 それはともかく、これでヌルは倒されて領地の平和が戻りました。美神たちもカオスによって無事に未来に送り返された。最もその際に美神がカオスの所蔵品をちゃっかり盗んでいたのは余談である。




解説

■鶏が先か、卵が先か
 これは因果性のジレンマで、平たく言えば「ニワトリとタマゴのどちらが先にできたのか」という問題である。

■カオスの延命処置
 ドクター・カオスは古代の秘術を使って千年以上生きている。最も常人よりは遥かに遅いが老化しているので、その秘術は完全な不老になるというワケではない。

■マイト
 霊力の強さを表す単位で、100マイト辺りが人間の限界であるが、エリーゼたちはそれを大幅に超えている。
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