二人の魔女   作:ADONIS+

41 / 47
41.ネルフ崩壊

 第六使徒戦から暫くして国連軍がネルフ本部を襲撃して武力制圧した。まさか国連軍が攻め込んでくるとは思わなかったネルフは対応が遅れなすすべもなかった。

 

 これはネルフが研究所上がりで本格的な軍事組織でなかった事と、ネルフの装備が対使徒戦に特化しすぎて対人戦闘に向いていなかった事が大きかった。おまけにその不向きの武装すら使徒戦で甚大な被害を受けており稼働率が著しく低下していたから国連軍とまともに戦える筈がない。とはいえ、流石に原作の様に問答無用で皆殺しにするわけではなく、投降する職員は拘束して抵抗するネルフ職員は射殺するという形になっていた。

 

 ちなみにこの奇襲はエヴァパイロットのチルドレンたちがいない時間に行った為にネルフはエヴァンゲリオンを出撃させて抵抗する事さえできなかった。勿論、万が一にもエヴァンゲリオンが出撃したら国連軍の被害も馬鹿にならないから、念のために私とアイシャがスタンバイしていたが、出撃の必要はなかった。

 

 こうした中で私は電光石火の勢いでネルフ本部にあるエヴァ初号機とリリスを殲滅した。これでサードインパクトはどうあっても実行不可能になったのだ。

 

 国連軍がネルフ本部を制圧したという情報をゼーレが知った時には既に手遅れとなっていた。というより例えゼーレが情報を入手していたとしてもどうしようもなかっただろう。何しろゼーレ派の者たちは軒並みこちらに寝返ったのだから、彼らに味方は一人もいないのだ。

 

 こうなってしまっては世界経済に君臨する覇道財閥に対抗しうるとまで言われたゼーレもただの年老いた老人会でしかなかった。表と裏でゼーレが潰されて彼らの多くは死ぬか、すべての力を失ってただ潜伏するしかなかった。

 

 戯れに潜伏中のキール・ローレンツに会って抹殺しておいたが、あの男は私がエリーゼ・ペルティーニであると知ると驚愕していた。まぁゼーレが解析していた裏死海文書のオリジナルには作者名として私の名前が記載されていたからそれも当然であるが、裏死海文書の件で多少からかってやると面白いように反応していてそれなりに楽しめたね。

 

 他のゼーレメンバーに関しては放置しておいた。どうせ他の者が狩りたてるか老いて死ぬだろう。私がわざわざ殺すまでもない。

 

 その後、セカンドインパクトの真相や、サードインパクトと人類補完計画などの真相が公開されて、ゼーレとネルフは世界中から悪役として糾弾された。

 

 ゼーレのメンバーは雲隠れしてしまったが、ネルフ幹部たちは吊し上げにされてゲンドウや冬月などは処刑された。

 

 ネルフ支部も閉鎖されて建造中だったエヴァ量産機も実はサードインパクトを起こす為に建造していた事が世論の怒りを買って廃棄処分されることになった。

 

 中にはエヴァンゲリオンの戦闘能力に興味を持つ国家もあったが、その国にしてもエヴァがあまりに使い勝手が悪くコストがかかる事に、世論に逆らってまでエヴァの軍事利用を実行したりはしなかった。

 

 ただしその国もネルフやゼーレ関係の技術などを接収して自国の技術の発展に利用するなどやる事はやっていたりする。

 

 こうして一連の事態が収拾していくと、国連を中心とした各国の復興が進んで行く事になる。

 

 

 

「これで終了だね」

「そうだね」

 

 この世界で私とアイシャが干渉するべき事はもうないだろう。

 

「覇道鋼造と結んだ契約もこれで終わりだけど、一鉄お前はこれからどうするの?」

 

 覇道鋼造との契約においてサードインパクトの阻止の為に覇道財閥を興して存続させるという約束は既に終了した。その為、一鉄が覇道財閥を解体しても問題ない。といっても彼の親族がそれに納得するわけがないけどね。

 

「そうですな。これからは孫娘を後継者として育てて何れは覇道財閥を任せていこうと思います」

「ああ、あの子ね。確かに無難でしょうね」

 

 対抗馬たるゼーレが潰れた今では覇道の力は以前よりも遥かに高まっているそれこそ世界を経済的に支配していると主張しても何ら問題ないほどだ。

 

 それだけに覇道総帥の地位は極めて重いだろう。私の見る限り一鉄の後継者は逸材ではないが、それなりに使える人物だったので世界最大の覇道財閥の維持はできるだろうが、その後はどうなるかはわからない。

 

 しかし、それは彼らが自力で何とかするべきものであり、私の関与すべき問題ではない。不滅の国家が存在しないように不滅の財閥だってありはしないのだ。栄えようが滅びようがなる様になればいいし、そもそも利用価値のなくなった財閥がどうなろうが私の知った事ではない。

 

 どうぞ、好きにしなさい。

 

 

 

シンside

 

 僕の名はシン・シャルンホルスト。かつて碇シンジという名前だったけどね。名を変えたのはゼーレやネルフの人類補完計画の駒にならないように、覇道財閥に匿われたからだ。

 

 彼らの計画が潰れた後は素性を隠す必要はなかったが、ネルフ総司令だった碇ゲンドウの息子という立場は世間体が極めて悪く、今更碇シンジと名乗ってもデメリットが多すぎた。仕方ないのでシン・シャルンホルストのままで生きる事にしたのだ。まぁ碇シンジという名に未練があったわけではないから僕的にはどうでもいいけどね。

 

 ちなみにあれから十年が経ち僕はアメリカの大学を卒業して覇道総帥(一鉄)の孫娘の美樹お嬢様の執事になった。

 

 どうもエリーゼさんが僕の事を覇道総帥に頼んでいたらしくて、総帥は僕が大学を卒業するまでは足長おじさんとして生活の面倒を見てくれたし、卒業後も孫娘の執事という仕事を割り当ててくれた。

 

 自分に言うのも何だけど僕はそれなりの魔術師であるけど、だからといってそれで食っていけるわけではない。何しろこの世界では怪異とかは無いので魔導探偵みたいに魔術がらみの仕事を請け負う事もできないからね。そうなると下手をすれば非合法な事を仕出かしかねないから普通に働けるようにちゃんと大学を卒業させてくれた上に、適当に実入りのいい執事の仕事を斡旋してくれた。

 

 この執事という仕事にしてもリーラお義母さんから色々と仕込まれていたからそつなくこなせたし、いざとなれば魔術師としての超人的な能力を駆使してSP代わりに働けるので、覇道財閥にとっても僕は有能な人物だった。

 

 そんな僕が持っている裏死海文書だが、精霊たるインデックスはここ暫く本の形態でいることが多い。というのも僕ほどの魔術師になると魔導書を使わなくてもある程度の魔術は行使できるので使う必要がなかったからだ。

 

「よくぞ僕に魔導書を使わせた」とか言ってみたいなんて思っても、裏死海文書を使うに足るような敵なんて出てこないから使いようがなかったりする。

 

 まぁ強力な魔術師や怪異とかに頻繁に襲撃される世界というのも嫌だが、魔術がない世界というのもある意味物足りないものがあるね。

 

 しかし、よく考えると魔術なんて外道の知識の集大成だから魔術なんて広まらない方が社会にとっていい筈だ。怪異に至っては論外だしね。そう考えればこの世界は常人にとっては暮らしやすいいい世界なのでしょう。

 

 それに折角サードインパクトの危機を乗り越えて存続することになったのだから、この世界をよりよくしていくべきだろうね。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。