ラブライブ!!サンシャイン!〜文学少女の恋煩い〜   作:花陽ラブ

15 / 50
文学少女、家出する

今日も部活が終わり

少し、暗くなるのが早くなった季節

俺はもう少しで家って所である物を見た

 

「……何をしてるの」

 

「………」

 

良く見る髪型に良く見る制服

間違いない、マルちゃんだ

俺の家の近くでしゃがみこんでいた

 

これは…ケンカしたのか

 

「マルちゃん…ケンカしたの?」

 

「……」

 

マルちゃんは黙ったまま、首を縦に振る

なるほど、だからか

 

マルちゃんはたまーに、おばさん達とケンカをして

俺の家に家出をする

まぁ、家が近いのに家出と言うのか…

そして、1日過ぎれば

謝りに行くのがいつものパターンだ

 

「とりあえず、家に入りなよ」

「ここじゃあ寒いしね」

 

「お邪魔します…」

 

家に入れたら、母が電話をしている

多分、マルちゃんの家からだろう

俺は自分の部屋に向かい

マルちゃんも着いてきた

 

部屋に着いて、俺はマルちゃん用の座布団を用意し

俺は自分用の座布団に座った

 

「で?今日の家出の理由は?」

 

「……オラが」

「オラが、楽しみにとっていた期間限定ののっぽパンを食べちゃったずら!!!!」

 

そう、マルちゃんが家出する理由は

大体、食べ物関係だ

普段はおっとりしているマルちゃんが怒るのも食べ物関係だ

こんなのが半年に1回はある

 

「なるほど、のっぽパンを…誰が食べたの?」

 

「みんなずら…」

 

あぁー、そうなんだ

大概はおじさんかおばさんだが

みんなと来たか

 

「オラ、もう帰らないずら」

「もう、正斗くんの家族になるずら」

 

家は近いけどね

なんてツッコミはしない

こんなに拗ねてるマルちゃんも久しぶりだな

余程楽しみにしていたんだな

なんて思っていたら、母が部屋まで来て

お菓子を持ってきた

 

「これ、花丸ちゃんにあげなさい…好きでしょう?」

 

俺は母から受け取り

何かを確認したら

のっぽパン、期間限定:栗味

と書かれていた…マルちゃんが食べられたの

これなのでは

まぁ、マルちゃんには渡すけど

 

俺は拗ねているマルちゃんに近付いて

のっぽパンを差し出す

 

「これ、良かったらってお母さんが…」

 

「!??」

「こ、これは…オラが食べたかったのっぽパンずら!」

 

やっぱり

さっきまで拗ねていたマルちゃんが目をキラキラさせて

嬉しそうに食べている

はは…わかりやすいな

 

「じゃあ…もうみんなの事を許してあげるよね」

 

「……うん」

 

ゆっくり頷いたマルちゃん

良かった〜、解決出来た

もう7時か

晩御飯の時間だな

 

「晩御飯、ウチで食べるよね?」

「食べ終わってから家まで送るよ」

 

「ありがと!頂くずら」

 

俺は嬉しそうにしているマルちゃんの頭を優しく撫でた

 

「な、なんずら」

「オラ…子供じゃないずら」

 

少し恥ずかしそうにしている

マルちゃん、俺は可愛いと思って

ずっと撫でてみた

 

「や、やめるずら!髪の毛がぐしゃぐしゃになっちゃうずら」

 

少し、じゃれあってからやめようとした瞬間

 

 

「もぉー!やめるずら!!」

 

マルちゃんが俺を押し倒す形になり

思っている以上にお互いの顔が近くになり

俺はめちゃくちゃドキドキした

 

お互いにすぐ離れた

 

「ご、ごめんずら」

 

「ううん、大丈夫…」

 

 

お互いに耐えきれなくて

ご飯を食べに下に降りて

晩御飯を食べた

 

ご飯を食べ終わってから、俺はマルちゃんの家まで

送り

別れる所だ

 

「もう、ケンカしたらダメだよ?」

 

「う、うん…今日はありがと」

「ま、またね…」

 

さっきの事もあり

マルちゃんは緊張しているのか

目を合わせてくれない

まぁ、仕方ないか

 

「またね…バイバイ」

 

「バイバイ……あっ」

「待って!」

 

帰ろうとした

俺の腕をマルちゃんは捕まえてきた

 

「あ、あの……また頭撫でてほしい…ずら」

 

少し恥ずかしそうに

顔を赤くして、俺に言ってきた

マルちゃんにしたら、珍しく甘えにきている?

まぁ、俺は嬉しいからするけど

 

「……よしよし」

 

「へへ…ありがと、元気貰ったずら」

 

満足したのか、満面の笑顔でそう言って

自分の扉まで歩いていった

そんな彼女を見て、俺は可愛いなと思って

 

綺麗な月を見ながら

俺は家まで帰った


▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。