不細工でもモテたい   作:駆け出しの一般人

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素人作品なので温かい目で御願い致します。




29、総力の大侵攻・後

「しかし、瓦礫まみれじゃな・・伊吹君生きておるのか?」

 

「おーい、伊吹君」

 

元気な声で叫んでたというが・・何故返事をしないんじゃ。

返事が無いな。ふぅ・・・ん?誰かの足か。まさか寝ているのか~?

 

 

「伊吹君、なに寝て・・」

 

違う!ふざけている場合ではない。

 

「大丈夫か!しっかりするんだ!伊吹!おい!」

 

こんなに血がそれに乾きかけている・・・止血しなかったのか!?いや、してある。そんなに傷が深かったのか!

 

「今助けを・・」

 

冷たい?何故だ?・・・焔が死んでいる?

 

=元帥だ!至急、救護班は輸血キットを持って舞鶴の執務室跡まで来い!早くしろ!=

 

ーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「・・っ!き、救護班はどこだ!明石!どこだ!」

 

「は、はい!!!」

 

「今すぐ執務室跡まで輸血キットをもって行け!早くだ!」

 

「わ、わかりました!!!」

 

 

 

「ん?なんか明石が慌てて瓦礫に向かっているぜ?」

 

「元帥が怪我でもしたんじゃないか?」

 

「アハハ、大量出血でも?」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーー

 

まだか!救護班は!

 

ガラガラ

 

「どうしまし・・」

 

「早く、出来るだけの手当てを!」

 

「な、なんで・・提督が・・」

 

「明石!まだ可能性があるかもしれん!早くやるぞ」

 

「い、いや・・なんで・・」

 

「・・クソが!!」

 

伊吹・・可能性は0ではないだろう?復活してくれ、頼む・・

 

「ダメなのか!?血が足りない!もっと必要なのか!?」

 

「もう無理です・・」

 

「なっ・・明石!」

 

「無理なんです!!」

 

「何を根拠に!可能性があるかもしれんだろ!」

 

「もう・・死んでますから、私だって手当てしたい、したかった!でも!見た瞬間死んでるって・・わかってしまった!現実を受け入れたくなかった!」

 

「・・・」

 

死んでる?冷たい手足だ。青くなってきてもいる。そうか、死んだ。軍神は死んだのか・・

 

「明石、担架はあるか」

 

「・・・はぃ。おりだだみじぎが・・ごごに・・」

 

「そうか、運ぶぞ、そっちを持ってくれ」

 

「グスッ・・」

 

恐らく・・艦娘達はパニックになるだろう。此処は隠れて運ぶか

 

ーーーーーーーーーーーーーーーー

side弟

 

ん?艦娘から死角となってる場所から出てきた?何の意味が・・・

 

「やっと戻って・・・」

 

まさか?兄さん?確かめるしかないだろ!

 

違う・・兄さんじゃない!違う!

 

「元帥!これは!・・兄さん・・?」

 

「あぁ、失血死だ」

 

「嘘だ・・ありえない・・何故助けを呼ばなかったんだ!兄さん!」

 

「今は、病院へ搬送する。車の手配を」

 

「あぁ・・・」

 

兄さんが・・死んだ?誰のせいだ?答えは決まっている・・深海棲艦だ・・コロス、一匹残らず殲滅だ。

 

何故助けを呼ばなかった、無線を持っているだろ。。此処には明石が居た。飛んでこれるはずだ。なんでだ?なんでなんだ!

 

「伊吹君!」

 

「・・・ハッ!い、今呼びます!」

 

 

 

「楓さん、どうされました?元帥も艦娘から見えないところから出て行ってしまいましたし・・お願いです、話してくださいませんか?」

 

呉の真鶴と佐世保の紅月さんか。話すか・・どうする・・いや、話すしかないのか。

 

「紅月さん、真鶴さん落ち着いて聞いてください」

 

「今運ばれたのは、兄、焔です」

 

「怪我でもしていたんですか?」

 

「いえ・・」

 

「なんですか?」

 

「・・・。死んでいました」

 

「・・・なっ!冗談なら悪趣味でないの?」

 

「・・・」

 

「本当なの!ねぇ!答えて!嘘って言って!」

 

「本当です。すべて・・本当に・・死んで」

 

「嘘よ・・嘘よ嘘だ嘘だ!」

 

「後で、病院から正式に報告が来ると思います」

 

「・・・ぁぁあ」

 

真鶴さんは理解が追い付いていないようだな。仕方がない、好きな男が死んだと言われたんだ。無理もない。でも、なんで俺は今普通なんだ?なんでだ?悲しいはずなのに、冷静になっている。なんでだ・・・分からない分からない!

 

「真鶴さん、紅月さん、艦隊と一緒に一時帰ってもらっても良いでしょうか。弟として、御願いします。そして、この事実は時が来たら艦娘の皆さんに話すつもりです。どうか、秘密にしてもらえないでしょうか?」

 

「・・あああ」

 

「御願い致します・・どうか・・」

 

「わ、わかりました。また後で」

 

「はい」

 

秘密と言っても一日二日の有効期限だ。スグにバレル。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーー

side?

 

 

「提督、遅くない?マジで」

 

「そうだな、他の提督も、居なくなってしまうし・・」

 

「此処はみんなで勝利の祝いをする場面かと」

 

「そうだなぁ・・・」

 

「提督さん、どうしたっぽい?」

 

「きっと、あんなこと言ったから恥ずかしくて出てこれないんだクマ」

 

「にゃ~」

 

「潜水艦も範囲に入っているでちかね」

 

「当たり前だろ」

 

「フフフ、怖いか」

 

「いきなりどうした天龍、嬉しさから頭が逝ったか?」

 

「ち、ちげーよ!言ってみただけだ!」

 

「あ、佐世保と呉が帰るみたいだぜ?」

 

「東もっぽい!」

 

「なんか目が赤いが・・何かあったのか?」

 

「ん~、知らん、そういえば、明石の姿も見えないが」

 

「長門、知らんのか?慌てて誰かを助けに行ったみたいだぜ?」

 

「そうなのか・・まぁ、提督が来るまで入渠だな」

 

「いつまでかかることやら」

 

「「はぁ・・」」

 

ーーーーーーーーーーーー

side弟

 

呉、佐世保そして俺を置いて東には帰らせた。横須賀は元帥の考えで残るみたいだが・・何が目的か

 

「!?元帥、兄は!」

 

「今頃、病院で救命措置を受けているだろうだが・・」

 

「そうですね。分かります。言いたいことは」

 

「元帥、何故艦隊を残したんですか?」

 

「分からんか・・」

 

「はい?」

 

「提督が死んだといきなり聞かされたらどうする?」

 

「・・・半信半疑」

 

「んー、現実を受け入れないだろう。徐々に真実だとわかったらどう行動すると思う?」

 

「・・・」

 

「敵を作るんだよ。誰のせいで死んだだとかな。それによって自分を責めたりあるいは他人を。しまいには自殺まであるかもしれん。仲間同士傷つけあうのは・・焔君も望んでないだろう」

 

「監視役ですか」

 

「そうじゃな・・居なかったら必ず傷つけあいが始まる」

 

「・・・」

 

プルプル

 

「・・・病院からじゃ」

 

「もしもし、上城だ」

 

『軍病院の医師です。搬送された伊吹さんの死亡を確認しました』

 

「そうか、死因は」

 

『失血死です』

 

「そうか、ご苦労・・・」

 

「元帥・・・」

 

「死亡が確認された。失血死だ」

 

「・・・クソが!!」

 

「落ち着け、楓君」

 

「元帥・・何故兄は助けを呼ばなかったんでしょうか?無線があったはずです」

 

「・・・壊れていた」

 

「なっ!?では叫べば!」

 

「グラウンドから執務室までの距離はかなりある。叫んでも微かに聞こえるか聞こえないかの度合いだろう」

 

「では!明石が言っていた元気に叫んでいたのはなんですか!」

 

「恐らく・・・助けを呼ぶ声だったのもしれない」

 

「・・・助けを呼んでた?なのに誰も気づかない?ふざけるな!」

 

「私に当たっても仕方が無いが・・・」

 

「も、申し訳ないです」

 

「さて、楓君。このことをどう艦娘達に伝えるか」

 

「そ、そうですね。やはり落ち着いてから話すべきでは?」

 

「そうじゃな・・・修復材を手配しよう・・」

 

「はい」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

次の日

 

 

「舞鶴の皆さん、集まってくれてありがとう」

 

「おい!提督はどうした!一日も顔を見せないとはどういうことだ!」

 

「お、落ち着いてください、天龍さん」

 

「あぁ?理由を説明しろや!」

 

「私も知りたいですね」

 

「私も同感です。加賀さん」

 

「私もだな」

 

「わ、私もっぽい?」

 

「早く言え!」

 

「みんな・・落ち着いて・・」

 

「無駄よ電、聞こえてないわ」

 

「はわわ・・・」

 

「「「ざわざわ」」」

 

「うるせぇ!」

 

ピタッ

 

「提督・・俺の兄はな!死んだよ!深海棲艦の流れ弾でな!瓦礫で怪我して大量に血を流して・・死んだんだよ!」

 

「う・・そ」

 

「嘘じゃねぇ!!」

 

「な、なんで言い切れるのよ!」

 

「軍の病院から正式に報告が来たんだ・・」

 

「・・・どうして・・クソ提督が死なないといけないの・・」

 

「私が・・前線を下げたから?私が弱いから・・・?」

 

「対空砲が間に合わなかったから・・」

 

「私がもっと敵を倒してたら・・まだ足りなかったんですか・・?マダ?」

 

「俺らが調子に乗ってたから?」

 

「オレもだ・・」

 

「そうだよ・・お前らが悪い!すべて悪いんだ!あたしのせいじゃない・・・あたしじゃない・・」

 

「摩耶・・」

 

 

「・・・話は以上だ。後程、知らせを出す。解散だ」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

〇月〇〇日

 

弟、楓は舞鶴の艦娘達に焔が死んだ事実を報告するとそれを聞いた艦娘達は自分を責め始め、他人を責め始めた。艦娘達の心境は『無』であろう。何をするにもやる気が起きない。心の支えを失ったことにより気力がなくなっていたのだ。同じく残っていた横須賀の第一艦隊は保護、復興、声掛けなどのサポートをほぼ休まず行った。いつになったら終わるのだろうか。まるで・・薬をやっている人の世話をしているみたいだ。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「なんで・・・提督」

 

「みんな元気にならないと焔さんも悲しくなるんじゃないかな?」

 

「・・・そうかしら」

 

「えぇ、きっと天の国に行っても皆の事を見ているわ」

 

「・・・そうかしら」

 

「・・・えぇ」

 

 

 

「お前が・・お前が悪い!前線を!下げたから!」

 

「痛い!痛い!やめろ!金剛!」

 

「シネ・・死ぬんだ・・今すぐ死ね!!」

 

「や、めろ・・」

 

プシュー

 

「た、助かった・・・ありがとう」

 

「お構いなく・・」

 

 

 

「私は死ぬ・・クズ司令官に一言言わないと・・」

 

「何をしてるんですか!」

 

「やめて・・放して!!」

 

「ダメです!提督も望んでないです!」

 

「いや!放して!一発殴ってやるんだから!」

 

プシュー

 

 

「あ、ありがとうございます・・」

 

「え、えぇ・・・」

 

ーーーーーーーーーーーーーーー

 

〇月〇〇日

 

死の報告を受けてから数日、次第にその現実を受け止める人が増えてきた。中には私達の仕事を手伝ってくれる人も増えてきた。私達としては嬉しい。久しぶりに寝れるから。このまま、全員が受け止めてほしいと切に願う。そして、今日は新たな症状が出た。幻覚だ。榛名に現れた。枕を提督だと思い、世話をしている。見ていて心が痛くなる。何故、焔は艦娘達を残して先に逝ったんだ。今すぐ、捕まえて一発殴りたい。それと、精神安定剤足りるか不安になってきた。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「榛名!それは違いマース!」

 

「榛名姉様!抱き枕ですよ!」

 

「しっかりして!」

 

「え?何を言っているんですか?これは提督ですよ?皆さんの目、大丈夫ですか?」

 

「榛名・・・どうして」

 

「ひぇえええ」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

〇月〇〇日

 

世話から一週間が過ぎた。全員が提督の死を受け入れたようだ。私達はやっと休める。私達の艦隊は今まで以上に疲労しているだろう。下手な深海棲艦よりも手強いからな。元帥から貰った女神もなければ何人が命を落としただろう。何回大破しただろう。何回注射しただろう。本当に、今日まで頑張ってよかった。現状を見た元帥は明後日に葬式を行うらしい。舞鶴の艦娘達と、関わった幹部、提督で行われるみたいだ。

 

そして・・私達も改めて思った。偉大な人、大切な人は失ってから初めて気づくんだと。舞鶴の子たちを見ていて実感した。もし、上城提督が死んだら‥私達もこうなるのかもな・・

 

ーーーーーーーーーーーーーーー

葬式当日

 

舞鶴のグラウンドに所狭しと人が密集する。この日は、軍神の焔の葬式があるのだ。

 

過激派の連中はやはり姿を現さなかった。

 

「グスッ・・ヒック・・」

 

と言うような声が至る所から聞こえてくる。最愛の人を失った悲しみはどう理解しても気持ちに嘘は付けず、涙が自然と流れてくる。葬式は順調に進み、弟の挨拶の番となった。

 

「兄さん、今までありがとう。この国の未来を切り開いてくれて、元帥も含めて全員が感謝している。兄さんは堅い人柄だったから関わりにくい時もあったかもしれない。でも、此処に居る僕たち、そして今回これなかった他の鎮守府の人たち。町の人はとても慕っているよ。兄さんは誤解ばかり生んで勘違いして面白かったよ。艦娘達は皆泣いているけど兄さんの気持ちを受け継いで、真っ直ぐ、この国の為に尽くしてくれるよ。それに、兄さんは沢山の女性からモテていたよ。だから、安心して安らかに眠ってくれ・・・」

 

弟は参列者の方・・と言っても艦娘の方向だが、そっちに向いて焔が書き残した手紙を読む。

 

「今日は・・・

 

ー今日は、流石に死を覚悟したからみんなに手紙を書いてみようと思う。侵攻中指揮を執りながらだから内容はクソだ。許してくれ。恐らくこれを読んでいるという事は処分し忘れたか死んだかのどっちかだろう。

 

俺が死んで悲しんでいるかもしれないみんな!これだけは守ってくれ!!

 

1、仲間を傷つけない。

2、自ら命を絶とうとしないこと。

3、みんなで協力したらどんな壁も乗り越えられる。仲間を大切に。

4、いつも笑顔で、笑って生きよう!

 

だ。絶対守れよ。俺と最後の約束だ。破った奴は呪いに行くからな。覚悟しろよ。いつでも上から見ているからな。

 

まぁ、ガラになく書いたけど本当に今までありがとう。大好きだぞみんな!!

 

・・以上」

 

この手紙を聞いた艦娘達は今まで我慢していた人、泣いていた人関係なく、涙腺をさらに崩壊させた。

 

「提督・・・本当に貴方は・」

 

「ふふ、最後まで大好きって・・」

 

「最後ぐらい、本音こぼしなさいよ・・気を使ってんじゃないわよ・・」

 

「モテる男は大変ですわね」

 

「全く、この身朽ちるまで戦い抜こうではないか」

 

「まぁ、クズとの約束だから?仕方ないわね」

 

「みんな・・顔が赤いですよ」

 

「とにかく、今後私達の目標が決まったな」

 

「あぁ、倒して倒して終戦を迎えて焔にギャフンと言わせてやるわ!」

 

手紙を聞いてから艦娘達の中で決意が固まった。強く、しぶとく生きてやると。そして、約束を絶対守ると強く強く思ったのだ。

 

 

その時、優しく風が吹いた。その様子は火が地面を優しく燃やしているかのように・・。しかし、それは神様をも呼ぶ聖職者にしか見えない息吹であった。

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーー

 

同時刻 東京

 

 

「・・・この世界はもしかして━━━━━━」

 

 




誤字脱字がありましたら遠慮なくご指摘ください。

最後まで素人の作品にお付き合い頂きありがとうございました。沢山の人に見て頂き嬉しいです。

何か矛盾がありましたら報告ください。修正いたします。

感想は良い、悪い含めて是非、御願い致します。

今後、番外編として何か出すかもしれません。
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