今回はサリエールちゃんがメインです。
僕の作品を読んでる人にとっては結構エモい…かも?
日々ヤミマジュウ達は街に出現し、人々を恐怖に陥れて街を壊していくのを辞めようとはしない。
しかし、人々はヤミマジュウが現れる度、事態を収集すべく退治に来てくれる戦士達がいる事を知っている。
「だぁぁぁぁっ!」
「はっ!」
サリエールがヤミマジュウの放った火炎弾を横に切り裂き、その後ろから出てきたブレイダがヤミマジュウに強い一撃を与えた。
そして、二人は逃げ遅れた人々の前に並び立ち、ヤミマジュウの方を向いて武器を構えた。
「ガードナーです!救助に来ました!」
「皆さんは指示係に従って早く逃げてください!」
「分かった!行くぞ!」
「うん!」
「早く逃げよう!」
「お姉ちゃん、頑張って!」
二人は子供の方に振り返って応援に笑顔で返した。
人々は自分と自分の子供を連れて急いで走っていった。
後方にはガードナーのロゴが入った制服を着た局員が立っており、人々の避難誘導を行っていた。
局員からの通信が入り、ブレイダとサリエールの二人は通信機に手を添えた。
『ブレイダさん、サリエールさん、A区からD区までの避難が無事完了しました!』
『避難者の数も市民の数と一致しています。数人怪我人がいますが、命に別状はありません』
「分かりました。後の指示は司令官である玲司さんに従ってください」
『かしこまりました』
そう言って局員からの通信が切断された。
「よし、手早く片付けよう」
「うん、ここから一歩も通さない!」
「ガァァァァァ!」
ブレイダはヤミマジュウが吐いてきた火炎弾をブライトサークルを出して反射させて相殺させ、その横からサリエールが飛び出した。
「やぁぁぁぁぁっ!」
サリエールは鎌を振り上げて空中で縦に三回転し、遠心力も利用してヤミマジュウの頭に鋭い斬撃を与えた。
「グァァァァ!」
「ごめんね、すぐ終わらせるから!」
そう言ってブレイダはヤミマジュウの周りにブライトサークルを展開し、勢いをつけながら反射してエネルギーを溜め始めた。
「ガァッ!」
ヤミマジュウが火炎弾を吐こうと口を開けた瞬間、サリエールは鎌を振りかざし、光よりも早く刃にエネルギーを溜めた。
『FATAL END』
『BANNICING SMASH』
「捉えた」
「正面から叩く!」
二人の必殺技が同時に直撃し、二人が着地して立ち上がると同時にヤミマジュウが爆発した。
ヤミマジュウがいた場所には手のひらの大きさと小動物とそれよりも大きいヤミノチカラの水晶が落ちていた。
「やった…勝った…よかった…」
そう言ってブレイダは武器を下ろした。
「任務完了。お疲れ、ブレイダ」
「うん、お疲れ、サリエールちゃん」
サリエールは静かに笑い、ブレイダも無邪気な笑顔で二人はハイタッチをした。
『ブレイダ、サリエール、まだやる事は残ってるけど、とりあえずお疲れ様』
玲司から連絡が入り、二人は先程と同じように通信機に手を添えた。
「お疲れ様です…それで、やる事とは?」
『ああ、炎の鎮火とヤミマジュウの元となった動物及びヤミノチカラの水晶の保護だ。炎の鎮火に関しては後から消防隊が来るが、放置して大きな火事になってもいけないからな』
「消火活動をするのは良いけど、どうやって消すの?」
『放水ユニットを積んだバジン達がそろそろ着くはずだ。それを使って出来るだけ火を消してくれ』
すると、遠くから誰も載っていないファイズバジンとカイザバジンが二人の前に走って来た。
二機の荷台にはガードナーの消化用の制服とヘルメット、そして水鉄砲のような銃と水の入った大きなタンクが積まれていた。
『少し見た目はアレだが、消化にはしっかり使えるものだ。制服とヘルメットを着用して、タンクを背負って水鉄砲で火を消すんだ。タンクと水鉄砲は繋がっているから補充の手間はない』
玲司に言われて見てみると、水鉄砲とタンクはチューブの様なもので繋がっていた。
『消化隊もものの数分で来るから、目につく範囲で火を消しておいてくれ。既に大きいものや目につかないものは消化隊に任せるんだ、いいな。無理して怪我はするなよ』
「分かりました!」
「分かりました」
そう言って玲司は通信を切り、二人は言われたとおりヘルメットと制服を着用し、タンクを背負って水鉄砲を構えた。
「こう言うのは初めてだから慣れないが…とりあえずやれるだけやろう」
「ええ。今はやれることをやるだけね。ブレイダはそっちの方の消化をお願い。私はこっちの方をやるわ」
「うん、分かった。それじゃ、また後で」
ブレイダはブライトサークルに乗って飛び出し、サリエールも自身の飛行能力を使って火を消しに飛んだ。
ファイズバジンとカイザバジンも変形して武器を放水ユニットに持ち替え、消火活動を始めた。
「…ねえ、サリエールちゃん」
ブレイダはサリエールにだけ通信を繋げた。
『どうしたの?ブレイダ』
どうやらサリエールも向こうで通信を受けてくれたようだ。
「わたし、サリエールちゃんと友達になれて良かったって、心の底から思う」
『…ふふ、よしてよ、今更。私達はずっと一緒に戦っている仲間じゃない』
「うん、それもあるけどさ…わたし、実は皆の笑顔を守りたい、って夢とは別の夢があるの」
『別の…夢?』
「うん。この戦いが全部終わって、ちゃんと落ち着いたら、普通の女の子として、普通の女性として生きたいの。運命の人と出会って、色んな場所に行ってデートをして、やがて結婚をして、子供が出来て…誰かを支えて、支え合って生きていきたい」
『結婚…か。良いね。相手が出来たら教えてね』
「うん。相手が出来たら、みんなにちゃんと報告するよ」
『ふふ、楽しみにしてる。…あ、でも、変な男だったり、頼りない男
だったら追い払っちゃうかも』
「ええ!?そ、そんなぁ…」
『冗談よ。ブレイダが選ぶ相手なら大丈夫だよ。絶対』
「そっか…良かった…ありがとう、サリエールちゃん」
『うん。私も、全部終わったら…』
すると、遠くから消防隊の乗った消防車が到着したのが見えた。
「あ、来たみたいだよ」
『…そうみたいだね、それじゃ、さっきの場所に』
「うん」
二人はファイズバジンとカイザバジンの元に降り立った。
近くには三十名ほどの消防隊員達が並んで立ち、隊長らしき若い男性が一歩前へ出た。
「ガードナー消防隊です。ブレイダさん、並びにサリエールさん、消火活動の協力ありがとうございます。ここからは我々に任せてください」
そう言って隊長が敬礼をし、隊員達も敬礼をして、ブレイダとサリエールの二人も慌てて敬礼をした。
「こちらこそ、お役に立てて良かったです、消火活動頑張ってください」
「ええ、お二人も、ヤミマジュウ退治お疲れ様でした。お気をつけて」
「は、はい、ありがとうございます」
そして、隊員達はいくつかの班に分かれ、それぞれの消防車に乗って消火活動を始めた。
「じゃあ、行こっか」
「え、ええ」
ブレイダとサリエールは変身を解除し、変形したバジンに乗り込み、ガードナーの基地に帰った。
ブレイダが家に帰り、サリエールと神凪は基地の仮眠室にいた。
「それで、どうしたの?急に相談なんて」
「それが…その…最近、少し変なの」
「変?どういう事?」
そう言いながら神凪はマグカップを両手で持ってジュースを口に含んだ。
「ヤミマジュウと戦っていて、いつもブレイダと一緒にいて、私とブレイダはいつしか友達ではなく、親友になったと思うの。休日も一緒に色んなところに遊びに行っているし、一緒にいる時間も長い」
「まあ、そうね」
「それで、わたしはブレイダの事を友達として好きなの。いつも助け合って、戦ってて、とても頼りになる最高の親友」
「うんうん」
「でも、いつからか、ブレイダと一緒にいるとこう、胸が苦しいというか…なんとも言えない複雑な感情が湧いてくるの。これって…何…かな」
「…そうね…」
神凪は一息ついてマグカップを置いた。
「きっとそれは、貴方に限らず、全ての生物が持ってる一番大切な感情」
「一番大切な感情…?」
「ええ。あなたは、ブレイダとどうしたい?素直に言ってごらん。私にだけ」
「…私は、出来ることなら、ずっと、ブレイダと一緒にいたい…どんな事になってもいいから、ブレイダとずっとずっと…一緒にいたい…だけど…」
「…」
神凪は静かに、真剣にサリエールの言葉を聞いていた。
「…だけど、私は女だから…ブレイダの夢は叶えてあげられない…一番大切な人の夢を壊す事はしたくないのに…ブレイダの事を考えると、胸を締めつけられるみたいに、とても苦しくなる…」
サリエールは静かに涙を流した。
「…サリエールちゃん、貴方が今一番好きなのは誰?一番大切な人だって思えるのは、誰?」
「…ブレイダだ。ブレイダが一番大好きで、一番大切な人だ」
「なら、もうやる事は一つじゃない。ブレイダに自分の思いを伝えてごらん。大丈夫、しっかりと伝えれば悪いようにはならないよ」
「…ありがとう」
「いえいえ」
サリエールは涙を拭い、ブレイダに電話をした。
『もしもし?サリエールちゃん?』
「ブレイダ、大事な話があるの。マンションの前で待ってて」
『?分かった…』
そう言ってサリエールは仮眠室を出てブレイダの元に急いだ。
すると、街の方で爆発音がし、サリエールは街の方を向いた。
街の中にヤミマジュウが出現し、ヤミマジュウが暴れ回っていた。
「…!トランスオン!」
サリエールの着ていた制服がバラバラに分解されて弾け飛び、光となって消え去ってサリエールは変身を完了し、ヤミマジュウの元に飛び立って行った。
「サリエールちゃん、遅いな…」
ブレイダはマンションの前でサリエールの事を待っていた。
腕時計の針は夜の八時を指し、辺りもすっかり暗くなっていた。
「大事な話、ってなんだろう?サリエールちゃんどこか遠くに行っちゃうのかな…それとも、また何かガディサイト達と関わっちゃったのかな…」
「グァァァァ!」
サリエールは血の止まらない肩をおさえながら、鎌を強く握って飛び上がった。
顔も血に濡れ、スーツもボロボロになっていた。けれど、サリエールは止まることなく、ヤミマジュウの元へ進んだ。
「はぁ…はぁ…ここで…倒れる訳には…いかないの…私を…待ってる…人がいるから…!」
「グァァァァ!」
「フルパワー全開!ブレイダ…力を貸して!」
サリエールはブレイダがいつも言う口癖を真似してリアクトキューブを展開した。そして、刃にエネルギーを素早く溜めた。
『FATAL END』
「一瞬の加速なら負けない!」
サリエールはヤミマジュウが攻撃するよりも素早い一閃でヤミマジュウを切り伏せ、ヤミノチカラは水晶となって地面に落ち、小動物も気絶したまま地面に寝そべっていた。
サリエールは変身を解除して制服姿に戻り、ブレイダがいるマンションに足を引きずりながら必死に向かった。
「…ブレイダ…」
「…!サリエールちゃん!どうしたのその傷!?とにかく早く手当しなきゃ…」
「…ふふ、ありがと、ブレイダ…これくらい、なんでもないよ…」
そう言いながらサリエールは倒れそうになり、ブレイダはそれを慌てて支えた。
ブレイダはサリエールを自分の部屋のベッドに寝かせ、傷口を消毒して絆創膏を貼り、血を拭いた。
「これで良し。大丈夫?サリエールちゃん」
「うん、ありがとう、ブレイダ。大分楽になったよ」
そう言ってサリエールは何とか身体を起こした。
「…そう言えば、百合さんは?」
「今日は夜勤。なんか新しく作るんだって」
「そっか…」
「それで、大事な話って何?まさか…またガディサイト関連?それともどこかに行っちゃうの?」
「…ううん、そんなんじゃない。その逆。私は…ずっと、ずっとずっと、あなたと一緒にいたい。全てが終わったら、ブレイダと二人で暮らしたい。子供は作れないけど…あなたと家族になりたい…」
「…」
ブレイダは呆気に取られ、目を見開いた。
「…だ、ダメ…かな。そ、そう…だよね…お、女同士って…おかしい…よね」
すると、ブレイダが唐突に大粒の涙を大量に流し始めた。
「ど、どうしたの?そんなにイヤだった?」
「ううん、違うの…違うの…嬉しくて…」
「え…?」
「サリエールちゃんが自分の気持ちを言ってくれて、今とっても嬉しいの。わたしもね…サリエールちゃんの事が…」
ブレイダもサリエールに自分の気持ちを告げた。とてもとても短く、シンプルだが、思いがストレートに伝わるような言葉で。
それを聞いて、サリエールも泣き出した。
二人の涙とその笑顔はとても美しく、宝石の様に輝いていた。
「…全部終わったら、また二人で色々話し合おう」
「…うん。ずっと一緒にいようね」
ブレイダはいつもと変わらない無邪気な笑顔を見せ、サリエールも屈託のない笑顔を見せた。
人間の中には完璧な人間なんていない。だからこそ、支え合い、助け合って、愛し合って生きていく。そのパートナーが異性でも同性でも、同じ世界同士でも別の世界同士でも関係ない。お互いが幸せなら、それが一番だ。
今回はここまでです。
なんでこんな話にしたかって言うと、身内がそろそろ結婚するらしいんでちょっとこんな感じの話にしてみました。
いやね、ぼくもこの二人には結ばれて欲しいんすよ…
でも、簡単に結ばれちゃあつまらない。
なので、思いを伝える前に少し苦戦させました。(言うほど苦戦してないかもだけど笑)
では、ここら辺で失礼します。
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