魔法科高校の無信仰者   作:苺ノ恵

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*閲覧注意* 以下にはメタ(re



ヴァイス中尉「総員、傾注!!大隊長より、訓示!!」

デグレチャフ少佐「諸君、由々しき事態だ。本作【魔法科高校の無信仰者】のお気に入り登録数が1000人を突破した」

グランツ少尉「1000人!?そんな馬鹿な!!」

モブA「4.5日前まで300人足らずだったというのに!!」

モブB「敵の陽動作戦では?誤報の可能性は!?」

デグレチャフ少佐「残念ながら、優秀な観測士からの入電だ。誤報の可能性は低いだろう」

グランツ少尉「クソッ!!何故このような事態に…!」

デグレチャフ少佐「気持ちは分かるが落ち着け、グランツ少尉。冷静さを欠けば敵の思う壺だ。奴らは待っているのだよ。我らが穴倉から出てくる、その時をな」

グランツ少尉「しかし大隊長殿!!このままでは調子に乗った作者が今後、とんでもない駄作に走るやもしれません!!」

モブA「そもそも、閲覧数が伸び始めたのが我らの戦闘シーンではなく大隊長殿の入浴シーンというのが可笑しな話なのです!!」

モブB「その通りです、大隊長殿!どうせならもっとセレブリャコーフ少尉の入浴の様子を詳細にリポートしていただかなければ!!」

モブC「何でいつもヴィーシャだけ!?私を誘ってくださらないとはどういう了見ですか大隊長殿!!私、ずっと大隊長殿のお部屋のお風呂で待ってたんですよ!お陰でのぼせて、身体を冷やしたら湯冷めして風邪気味です!責任とって私に添い寝しながら看病してください!」

デグレチャフ少佐「セレブリャコーフ少尉。そこのストーカー痴女を摘まみだせ」

セレブリャコーフ少尉「はっ!!」

デグレチャフ少佐「諸君らの意見はよく分かった。諸君らの言う通り、作者を調子に乗らせぬよう、今の内に奴の性根を完膚なきまでに叩いておく必要がある。___我々の行動は全世界に覗き見られている!その軍服に刻まれた祖国の意思に今一度の忠義を捧げよ!ペンを手に取れ!間食のチョコレートを切らすな!!活字に飢えた物語の亡者共に、創作の愉悦というものを叩きこんでやれ!!!」

隊員一同「「「「「ハッッッ!!!」」」」」





ターニャ・デグレチャフ「待たせたな、兵士諸君____【読書】の時間だ!」





存在I「どうしてこうなった…」





episode10.

 

 

 

 

 

 

「お兄様、お帰りなさいませ」

 

「ああ、ただいま。深雪。戸締りはちゃんとしていたか?」

 

「もう!お兄様は私を子供扱いし過ぎです!」

 

「すまない。だが法律上、俺たちはまだ義務教育を終えていない子供だからな」

 

「その子供を放任しているあの人たちに比べればお兄様はずっと大人です。高校に通い始めれば今の環境も変わります。そうすれば、お兄様を煩わせる人たちも…!」

 

「深雪」

 

「…すみません。直ぐにお夕飯のご用意をしますね」

 

「手伝うよ。この食器をテーブルに配膳すればいいかな?」

 

「そんな、お兄様の手を煩わせるなんてこと…!」

 

「俺がそうしたいんだ。深雪、俺に手伝わせてくれないか?」

 

「………お兄様はズルいです…」

 

「人が悪いからな」

 

「ふふふ…【悪い人】ではありませんでしたか?」

 

「ふっ…そうだな」

 

「それではお言葉に甘えて___」

 

 

 

 

 

 

_________________________

 

 

 

 

 

 

 夕食を終えて暫く深雪と談笑していた俺は、スクリーンに例のメールを映し出し、事の顛末を説明した。

 

「飛行術式…ですか?」

 

「ああ、以前から構想は練っていて、漸く開発に着手しようと考えていた矢先にこの依頼が来た」

 

「国防軍からの依頼ということは、国は今回の件を公にするということなのでしょうか?」

 

 深雪は整った眉を顰めながら、俺が国交問題に対する道化を演じさせられる事態を懸念したのか、幾分か機嫌を損ねた声音で問う。

 

「勿論、今回の件を公にすれば新ソ連との友好関係を結びたがっている連中にとって、これほど美味しい話はないだろう。世論だってその方向に靡く筈。だが、心配はいらない。今回道化を演じるのは、この開発案を提案した方らしい」

 

 コントロールパネルを操作しスクリーンの画面をスクロールする。

 

「ターニャ・デグレチャフ___エレクトロニクスを併用した魔法開発の技術的権威だ」

 

「ターニャ・デグレチャフとは…あの【ポケット・マギクス】の開発者ですか?」

 

「そうだね。ターニャ・デグレチャフの研究理念はいつでも【公平である】ことにある。嘗て市民平等を謳った社会主義を皮肉った演説は、今でも有名だ」

 

 プロフィール画面に添えられたデータを目で追っていた深雪は、あるフレーズに目が止まったように、パネルに置いていた指を離した。

 

「『嘗て人類はみな等しく魔法師だった。だからこそ平等という概念は私たちから等しく魔法を奪っていった』…。魔法を使用できない方が自衛のために一次的に魔法を使用できるようにする…。デグレチャフ氏の研究は、自身の思いに反しているように私には感じられるのですが?」

 

「俺は社会主義を皮肉った彼女の背景には、共産主義に対する強い嫌悪があるように思える。しかしそれは同時に、資本主義への陶酔を意味することではない。それが【公平である】という彼女の研究理念に則った成果なのだと俺は思う」

 

「人の心は儘ならない…ということでしょうか?」

 

「そうかもしれないね」

 

 俺に人並みの心があれば理解できたのかもしれない。

 

 ただ、その言葉を口にはできない。

 

 それはただの他人に傷を舐めさせる行為だ。

 

 俺はそれを望まない。

 

「案外、ターニャ・デグレチャフという女性は面倒な性格をしているのかもな?」

 

「お兄様?この世に面倒でない女性などいませんよ?」

 

「…そうだな」

 

「今、私を見ませんでしたか?」

 

「見てない」

 

「本当に?」

 

「本当だ」

 

「見て下さい、許しませんよ?」

 

「どうしろと言うんだ?」

 

 深雪は悪戯が成功したというような無防備な笑顔を振りまいて俺の手をとった。

 

「お兄様。私は…深雪だけは、何があってもお兄様の味方です。私のことを煩わしく思われても、私は気にしま___いえ、気にします。すごく悲しんで、いっぱい泣くと思います。それでも…深雪はお兄様に付いていきます。なぜなら深雪は、お兄様よりも素敵な方を知らないのですから。___今回の研究が成功することを心よりお祈りしております」

 

「ありがとう、深雪」

 

 俺は深雪には敵わない。

 

 改めてそう思わされた。

 

 今回深雪に共同開発の件を伝えたのは相談ではなく、事後承諾という面が大きい。

 

 俺の目的を成就させるのなら、今回の件は渡りに舟だ。

 

 研究の成果を出すのは早いに越したことは無い。

 

 しかし、それが深雪に害を与えるものなのだとすれば、俺はそのこと如くを消し去るだろう。

 

 繋がれた手に少しだげ力を籠める。

 

(だが、今だけは…)

 

 この平和な日常に、もう少しだけ浸かっていたい。

 

 互いの熱を伝え合うかのように俺たちはそっと肩を寄せ合った。

 

 

 

 

 

 




存在Iは何を考えているのだ?

前書きで完全に息切れを起こしているではないか?

まあ、たまには私も非番を貰わねばな。

貴重な休日だ。

大いに羽をのばそうではないか。

それではまた戦場で

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