拝啓 お父さん、お母さん。このたび俺は魔王になりました、助けてください。 作:のろとり
今回でまおたすが100話です。
ここまで、長かった……! まだ続くので喜ぶのは終わってからになりますけど。
「……行ったか」
俺は雷鳴が走っていく音を聞き、なるべく早く仲間を呼んでくれることを祈りながら新・魔王を睨む。
新・魔王は雷鳴をチラッと見たが、すぐに俺の方に目を向けた。
「…………」
今俺がやることはコイツを倒すことではない、時間を稼ぐことだ。
もしかしたら、チャンスかも、と考えずに仲間が来るまでゆっくりと粘ることだけを考える。
だが粘って、全員が集合したとしても勝てるのか?それに勝ったとしても、空良と一緒に新・魔王を倒したあとのように、何事も無かったかのように復活するかもしれない。
ならどうすれば……
「……ッ!」
俺が悩んでる間に新・魔王が拳を振るってきた。
とは言え今までも考え中に攻撃されてきたことがあったので、さすがに学習して警戒はしていた。
拳に当たる瞬間にしゃがんで、新・魔王の腹に拳を放った。
「ナカナカヤルガァ……」
しかし体が完全に馴染んできてるのか、前より強くなっている新・魔王にはそれほど効果は無かった。
脚を一歩を後ろに下げて耐え、殴ってきた拳の前に切れ目を出してきた。
「オレニハキカネェ」
その切れ目に拳が入っていき、俺の頭上に出てきた。
拳を開いて手のひらが見えるようにしてきたと思ったら、眩しい光りを放ち始めた。
「……まずいッ!」
俺は新・魔王の横っ腹を蹴り、その勢いを使って横に跳んで攻撃から逃げようとした。
だが新・魔王は俺の行動を先読みしていた。
「ヤッパリナァ」
次の瞬間、俺は後ろから謎の攻撃を受けた。
急いで後ろを振り向くと新・魔王が殴ってきたのとは別の、もうひとつの手が切れ目から出ていた。
さっきのはこれか……ダメージを受けたのは辛いな、あとどれぐらいで増援が来るか分からないのに。
「『輝光』」
仕方がないが、ここは一度逃げてアイツらと合流した方が良いかもしれないな。
俺は小さな光の弾を握り、眩しい光を放った。
「グァ!」
新・魔王は光を直視したのか、視界が回復してないようで目を痛めている。
さてと、新・魔王が見えるギリギリのところまで逃げるか。
「……ここでいいか」
新・魔王と無駄に戦っても、みんなが集まる前に倒されたら駄目だ。今はなるべく力を使わないようにして、こっちに注意を向けておくか。
何も焦る必要は無い、俺一人だと倒せないのは分かってるんだ、それに商人との「あれ」はどうなるか分からないからな……
「……新・魔王はまだ動いてないな」
ならここでジッとするか。
そう決めたとき、何処かから「グサリ」と何かを貫くような音が聞こえた。
「……え?」
最初はその音が何処から出たのか、何の音かも分からなかった。
何事かと思って周りを見ようとしたが、思うように体が動かない。それどころか、なんだか体が地面に吸い寄せられるように倒れ始めた。
「……は?」
さすがにおかしいと思い、新・魔王が俺の何かしたのかと思って、体を確認してみる。
すると俺の後ろから腕が生えていた。
赤い液体がべっとりと付いているため、誰のかは分からないが俺の右胸から生えていた。
「……ガッ、ゴフッ! な、にが?」
俺は訳も分からず、顔が横向きの状態で倒れたせいで、視界が半分隠れる。
何が起こったのか知ろうと思い、痛みで熱い体をなんとか動かして後ろを見る。
そこにいたのは……
「……ま、おう?」
『輝光』で目を痛めていたはずの新・魔王であった。
その事実を確認することに力を使い果たしてしまった俺は、なんとか保てていた意識が落ちて目の前が真っ暗になった。
死にかけです、助けてください。
【次回予告風のもの】
頑張って話の内容を巻いた結果、新・魔王と戦って一話で瀕死の重症を負うことになった魔王様。
これはヤベェ……みんな急いで、このままだと魔王が!
トマトジュース飲みまくったから気分が悪いとか、自然三銃士とか考えてる暇は無いんだよ、ほら急げよ!
次回
【集う仲間達です、助けてください。】
ここが最後の(雷鳴の)おふざけポイントになると思います。
ギャグやらないと落ち着かない症候群なので許してください。
完結後にキャラ設定と裏話の投稿
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両方いる
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両方いらない
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キャラ設定のみいる
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裏話のみいる
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作者に任せる