拝啓 お父さん、お母さん。このたび俺は魔王になりました、助けてください。 作:のろとり
やっぱり海楽と雷鳴を書いてると、シリアスな筈なのに気が抜けます。
え、私はどう思ってるかって?書いてて滅茶楽しいですよ、少しとは言えギャグ系が書けるので。
「あぁ~気持ちいい!」
海楽が新・魔王の攻撃を受けて、陸に上がった魚のように体を動かす。
「ジャマヲスルナァ」
新・魔王は一度海楽を見たが、興味が失せると今度こそ魔王を仕留めようと腕を挙げる。
だが忘れてはないない。ここに来ているのは海楽だけではないことを。
「させない!」
振り下ろした腕は空良が腕と元・魔王の間に入って、白雲から貰った剣を両手で持って受け止める。
そうして元・魔王が一時的にとは言え助かったように見えたのもつかの間……
「くっ、うぅ」
空良の足元の地面が少しばかり凹む。
前に戦ったときよりも強くなっている新・魔王、その攻撃に耐えきれず、新・魔王の腕に元・魔王ごと押し潰れされそうになっているのだ。
「魔王おおぉ!」
そこに走ってくる一人の人物が居た、雷鳴である。
雷鳴は新・魔王の元へ一直線に走っていく。
新・魔王は警戒すべき相手が来たことにより、少しばかり視線をずらして雷鳴を見る。
もちろん空良に止められてる腕は退けずに、まるで「攻撃してきた瞬間に潰すぞ」と人質にしているように。
「おおお!?」
だがそんな考えは裏切られ、雷鳴は新・魔王の横を通りすぎて何処かへ走り去っていった。
「アァ?」
明後日の方向へ「止まれねぇええ!」と叫びながら走っていく雷鳴に気を取られ、呆気に取られた新・魔王。
その隙を空良は見逃さない。
「はぁ!」
力が弱まった瞬間に剣を無理矢理押し上げ、振り下ろされた腕を跳ね返す。
しかしその勢いでボディががら空きになってしまった。
「痛みぃ!」
新・魔王が空良のがら空きになったボディに攻撃する前に、海楽が飛び込んで代わりに攻撃を受ける。
空良に攻撃が当たることは無かったが、勢いは殺すことができず、空良を巻き込んで後ろに吹っ飛ばされる。
「サッサトオワラセルトシヨウゥ」
今一度止めを刺すために拳を振るう。
雷鳴は何処か行った、空良と海楽は吹っ飛ばされて間に合う距離ではない。
今現在、元・魔王を守れる者はここには居ない。
「魔王様あぁあ!」
そう、
新・魔王の前に現れた切れ目から、元・魔王を助けるべく白雲が飛び出してきた。
白雲は拳が当たる寸前に、元・魔王を引っ張り直撃を避けた。
拳の風圧で吹き飛ばされたが、生きているし怪我もしていない。
「合わせなさいゴリラ!」
「お前が合わせろや氷マン!」
白雲が飛ばされた直後に、切れ目から出てきた狼男と雪女が攻撃をする。
狼男は新・魔王を直接殴り、雪女は鋭い氷を新・魔王の首や目に当てた。
「ザコガァ」
しかしそんな攻撃は無意味である、蚊に刺された……否、それ以下としか思ってないだろう。
二人は既に分かっていた、自分の攻撃なんか効かないことに。それは当の昔に知っていることだ。
それなら自分達に出来ることはなんだ、ダメージを与えられないなら、他に任せればいい。ほんの一瞬だけ気を逸らすことが出来ればいい。
「はぁああぁ!」
新・魔王の後ろから切れ目が現れ、ミサが空中に放り出された。
ミサの能力は強い、それこそ元・魔王や空良に大ダメージを与えられるほどに。
だがその能力でも新・魔王を倒すことは不可能に等しい。それでもダメージを与える程度のことは可能だ。
(もう一度、勇気を振り絞る! みんながやっているように、恐怖に打ち勝つ!)
刹那、全員の視界が爆発でいっぱいになった。
狼男と雪女は急いで白雲の元へ跳ぶ、例え間に合わずに多少喰らったとしても、別の場所に待機してるコーランによって回復してもらえるため、ダメージを受けたとしても戦闘に参加することは可能だ。
「ぐうぅ……」
爆発が起こり、海楽が盾になってくれて空良達と、跳んできた狼男と雪女を守った。
とは言え爆発からは守れても、爆風を全て受けることは難しい。
海楽の後ろで吹き飛ばされないように、全員なんとか踏みとどまる。
「……どうなったんだ?」
爆発が収まり、狼男が言葉を溢す。
みんなが辺りを見るとそこには、ミサを中心に広い更地が広がっていた。
ミサの能力を初めて、そして改めて見た者は「まともに喰らっていたら……」と考え、ぞっとする。
一人だけ直に喰らって、顔を赤くしてる人物が居るが。
「ほら、さっさと回復するよ」
その光景をぼんやりと眺めていると、切れ目から出てきたコーランがみんなの元へ駆け寄る。
それを見て少しばかり気を緩めながら、ミサを切れ目を使って自分達の近くに飛ばした。
「ナカナカダナァ」
そんな余裕がないことは分かっているのに。
まだ倒れてないのは分かってはいた、自分の想像を越えるほどの自分だと言うのは、それでも今の威力を見て「もしかしたら」と淡い期待を抱いていなかったと言えば、嘘になる。
「ぶべらば!」
そんな空良達の元に何処かに走っていった雷鳴が飛んでくる。
雷鳴の顔は誰かに殴られたように凹んでおり、前が見えてるからすらも分からなかった。
「痛い、痛い……なんて痛いんだ。ってか、人の顔を凹ますってどういう教育受けてんだ!」
何事もなかったかのように、顔が戻って誰かに怒っている辺り、平気そうに見えるが。
「シラナイナァ」
雷鳴の行動になんだか気が抜けそうになったとき、さらなる恐怖が舞い込んでくる。
先ほど元・魔王の『輝光』で目がやられていた、新・魔王が空良達の元にやって来たのだ。
新・魔王が複数居ることを知っていた者も、知らなかった者も全員気を引き締めた。
最大級のピンチです、助けてください。 by白雲
【伏線集】
・新・魔王が持ってる海楽の指輪
・元・魔王と商人の話
・『マジン』
・地獄に居た新・魔王の行方
他に何かあったとしても忘れました。
あ、そうそう。忘れない内に言っておくと、新・魔王は四体居ます。
《新・魔王A》
空良と元・魔王に倒された
《新・魔王B》
地獄に居たけど行方不明
《新・魔王C》
目がぁあああになった奴
《新・魔王D》
元・魔王を後ろからグサリってした奴
完結後にキャラ設定と裏話の投稿
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両方いる
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両方いらない
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キャラ設定のみいる
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裏話のみいる
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作者に任せる