拝啓 お父さん、お母さん。このたび俺は魔王になりました、助けてください。 作:のろとり
長いねぇ……
あと何話で終わるとは言いません、言ったところで絶対に伸びるので。
「……ん」
ここは、いったいどこだ?
俺は目を開けると何も無い真っ白な空間で横になって居た。
前に元・魔王と会った空間に居るのだろうか……この空間と同じなのか違いが分からないな。
まぁそれは置いておこう。
確か俺は新・魔王から離れて、その後また別の新・魔王に攻撃されて……どうなったんだ?
死んだのか、でも死んだら転生すると思うんだけどな。
実際に俺は魔王になってたわけだし。
「お目覚めになりましたか?」
「……お前か」
後ろから声がしたので振り向くと、そこには商人がいた。
この空間はお前が造ったのか、俺の精神世界に入り込んできたのか知らないが、今話したいのはそれじゃないな。
「……俺はどうなった」
「貴方様は胸を貫かれて瀕死の重症です。ですが、なんとか生きています」
やっぱり、そうなのか。
分かってはいた。それでもアイツには勝てなかった。そのうえ新・魔王はもう一人居た。
そうなると新・魔王は複数居るのか。どうやって増えたのかは知らないけど、アイツを倒すことには変わらないな。
「……商人」
「はい、なんでしょうか」
このあと俺がどうなるかなんて、分かるのは商人だけだろう。なんの代償も無しに力を得られるのか、何か取り返しのつかないことになるのか。
なんにせよこの選択で「何か」が変わるのは確かだ。
「……あのとき俺が言ったことを覚えているか?」
「はい、覚えていますよ」
俺は商人と再開したときあることを頼んだのだ。
「俺を世界最強にしてくれ」そう言った。
ただ彼処で叶えてもらったとしても、どうなるかは分からないから条件を付けてもらった。
「……頼む、力をくれ」
俺が瀕死の重症、または動けない状況になったときに願いを叶えてくれと、少しズルいがそう頼んだのだ。
「承知いたしました、お客様」
商人は俺の頭にソッと触れて、ゆっくりと後ろに下がる。
しかし何も起こらず、騙されたのでないかと思った瞬間、体の底から
「……ガアアアァア!」
「あひゃひゃひゃひゃひゃ! 願いは叶えましたよぉ! お客様ぁ!」
商人のイラつくような笑い声すら聞こえないほど苦しくなり、俺は力に耐えきれずに地面に蹲った。
だが内側から溢れてくる力を押さえることが出来ずに、意識が遠退き始めてきた。
【……お前】
強い力が溢れてきて喋れるようになったのか、元・魔王の声がするがそれを気にすることが出来るほどの余裕は既に無い。
「……悪いな」
その謝罪は誰にだろうか、俺自身にも分からなかったが自然と出た言葉だった。
その言葉を最後に意識が無くなった。
「あひゃひゃひゃひゃひゃ! 願いは叶えましたよぉ! お客様ぁ!」
新・魔王といざ戦おうとしたとき、全員がその声のした方向を振り向く。
さっきまで居なかった人物を見て警戒をするが、それ以上にその人物を見ていると心の底から何か、不快な感覚が混み上がってきた。
「商人!?」
「なんでお前がここに? もしかしても俺に痛みをくれるのか!」
二人ほどその人物……商人を知っているが、みんなの耳には入ってはいない。
なんとも不気味な存在を前に、どう動けばいいか分からず、全神経を尖らせているからだ。
「…………」
その沈黙を破るかのように、動く人物が居る。
元・魔王である、傷は完全に塞がってないはずなのに、瀕死の重症であったことが嘘のように、起き上がった。
「…………」
しかし何か不自然だ。
さっきから何も喋らないし、身体中から一瞬で潰されるようなプレッシャーを放っており、何より胸に空いた傷が塞がっているのだ。
「…………」
俺を、助けてください。
【次回】
~『魔王』編です、助けてください。~
キリが良かったので、新しいのに入ります。
……今月中に完結するかなぁ?
完結後にキャラ設定と裏話の投稿
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両方いる
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両方いらない
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キャラ設定のみいる
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裏話のみいる
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作者に任せる