拝啓 お父さん、お母さん。このたび俺は魔王になりました、助けてください。   作:のろとり

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拝啓 読者様

たくのみカビゴン強くね?と思ってます。
「たくわえる」で防御方面あげて、相手が状態異常でダメージ受けて倒れるのを待つ。
そしてダメージ受けたら「のみこむ」で回復をする……この作戦地味だな。


【マジン】と魔王です、お助けください。 by商人

「…………」(【…………】)

 

もう一度元・魔王は飛んでいる新・魔王のところまでジャンプして攻撃しようと脚を曲げた。

また同じように攻撃を防がれるかもしれないが、空中にいる相手に攻撃する方法が相手に直接殴りに行くことしかないのだ。

魔法を使えたら……と悩むが、無いものをねだっても仕方がない。それに昔も体一つだけで戦っていた時期があったのだ。

昔と状況が同じになっただけ、ただそれだけなのだ。

 

「……あれは」(【……あれは】)

 

いざ脚を伸ばして新・魔王まで一直線で跳ぼうとしたとき、遠くから何かが飛んでくるのに気が付いた。

それは元・魔王のよく知っている人物であり、今更ながら居なかったことを思い出した。

 

「……使えるな」(【……使えるな】)

 

元・魔王は頬をあげ、飛んでいるモノをチラリと確認して新・魔王へと跳んだ。

新・魔王の真下から……垂直に跳んだので何処から攻撃してくるかは既にバレている。

 

「ワカッテンダヨォ!」

 

けれども元・魔王はあえて真下から攻撃した。

そんな見え見えの攻撃が当たることもなく、新・魔王にサッカーボールのように足元に跳んできた元・魔王を蹴る。

 

「……これを待ってた!」(【……これを待ってた!】)

 

その蹴ってきた脛を掴んで、元・魔王を蹴るために振った勢いで新・魔王の正面から背中を頭上を越えながや一回転し、新・魔王の背中を蹴って何処かへ飛んでいった。

 

「グァ!」

 

新・魔王は次の攻撃が来ると警戒して、重力に従って落ちる瞬間を狙おうと拳を握る。

だが後ろを振り返ったが、そこに元・魔王は居なかった。

 

「……海楽」(【……海楽】)

 

その元・魔王はが飛んでいった方向には、先程とは見えたモノ……否、人物と言った方がいいだろう。海楽が飛んでいるのが見えた。

正確には何かに飛ばされたのか、流されるままにまるでロケットのように飛んでいるのだが、元・魔王にとってはどうでも良かった。

 

「ああっ! きもちいいッ!」

 

飛んできた海楽を空中で踏み台として使い、弾丸のような目では捉えられないスピードで新・魔王の元へ跳んでいった。

海楽はそろそろ一周して戻れそうだったが、元・魔王に踏み台にされて30秒ほどで終わるであろう速さで短い世界一周をし始めた。

仲間を踏み台にしていいのかよ……と思うかもしれないが、海楽が蹴られた際に「気持ちいい」と言うドン引きするような言葉を言っているので恐らくは大丈夫だろう。

 

「……終わりだ」(【……終わりだ】)

 

「ナァ!?」

 

新・魔王は元・魔王の声が聞こえて急いで攻撃しようとするが、もう既に遅かった。

元・魔王の右ストレートが頬に入り、新・魔王は回転しながら吹き飛ばされ、地面を何回も大きく跳ねてバウンドした。

そして地面に擦れながら勢いが収まった。

元・魔王は止めを刺すため新・魔王の元へ跳んでいった。

 

 

 

 

 

「ガァ……アァ!」

 

「……じゃあな」(【……じゃあな】)

 

地面に倒れて動けない新・魔王を上から睨みつける元・魔王。

ちょうど空良達が居る場所に新・魔王が吹き飛んだようで、ボロボロな状態な空良達をチラリと見て「これで終わらせる」と言う気持ちを込めて脚をあげて新・魔王の頭を踏み、そのまま終わる……かに思われた。

 

「……ガッ!」(【……ガッ!】)

 

突如元・魔王があげて脚を下げて膝を着き、苦しみ始めたのだ。

息が切れ、酸素を少しでも多く取り入れようと肩で息をし、早く新・魔王を仕留めようとするが体に力が入らない。

そして身体中から白い煙を放ち始めたかと思うと、元・魔王は元の小さな体へと戻っていた。

 

「……もう、少しなのに!」

 

声も二重ではなく、一人分に戻っていた。

実は強大な力を手に入れられる【マジン】には大きな欠点があるのだ。

それは「『魔力』を大量に消費する」ことである。

普段とは比べ物にならない力を引き出しているのは魔力で、身体能力を何十倍にもパワーアップさせている。

魔法が使えなかったのも、魔力を身体能力強化に全て回しているため、魔法に使うほどの魔力が残っていなかったからである。

 

「……く、そっ!」

 

そんなことは知らない元・魔王。

いきなり【マジン】の状態で無くなったことと、あと少しと言う焦りで中々息が整わない。

その隙を見逃すほど新・魔王は甘くなかった。

 

「オシカッナァ」

 

ほとんど力は使いきり、今の新・魔王なら全快している元・魔王や空良でも軽く倒せるだろう。

しかし今、そんな力が残っている人物はここには居ない。

白雲は狼男や雪女を連れて何処かに安全な場所で回復させてるのか、ここに残っているのはミサと空良と埋まってる雷鳴のみ。

雷鳴は兎も角として、ミサは間に合うほどの距離に居なく、自然回復で立てるくらいまで回復している空良もフラフラの状態で助けられないだろう。

誰も元・魔王を救うことが出来ず、新・魔王の攻撃は───

 

ピンチ過ぎてマズイ、助けてください。 by雷鳴




味方を踏み台(物理)にする主人公。
正直扱いがなぁ……とは思います。

予定だとあと3話でこの作品は終わります。
(私の「あと〇話で終わります」の信用度は0%です、信じないようにしましょう)

完結後にキャラ設定と裏話の投稿

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