拝啓 お父さん、お母さん。このたび俺は魔王になりました、助けてください。 作:のろとり
これで番外編最後に……なりますね。
久しぶりに調子が乗ってサラサラと書いてたら、いつの間にか番外編が終わってしまった。
では、最後の最後の話をどうぞ!
あ、一応言っておくと設定とかもあるので投稿自体が最後って訳ではないです。
平和となった世界。
自分達を
(【…………】)
そんな平和な日々を過ごしていたある日、元・魔王は自分とは違う人物が動かしている体から外の景色を見てぼんやりと自分が昔していたことを思い出した。
『……消えろ』
昔の魔王城で元・魔王は自身の夢を叶えようと努力していた。
それは幼馴染みのコーランのように弱き魔物でも安心して過ごせる世界を創ることであった。
しかし現実は非常であり、才能と努力で手に入れた力は恐れられ、自身を陥れようとする人物がわんさかと出てきた。
『ま、魔王様ぁぁぁああ!』
たった今も自身を裏切った魔物を消滅させたところである。
元・魔王は誰も居なくなった場所でため息を付いた。
自身はいつから他人を信じられなくなったのだろうか……と。
恐れられ、裏切られることを繰り返されていつの間にか他人が怖くなってしまったのだろうか。
『魔王、勝負だ!』
そんな毎日を繰り返していたある日、「勇者」と呼ばれる存在が自分に勝負を仕掛けてきた。
勝負は互角で、どっちが負けてもおかしく無いほどの命のやりとりであった。
だが元・魔王はある一つの感情が高ぶっていた。それは「楽しい」と言う感情であった。
今まで自分の全力をぶつけられた相手は居なく、正面からぶつかってきたは片手で数えられる程度。
元・魔王は自分に真っ正面からぶつかってくる「勇者」を好み、ずっと戦いを続けていたかった。
だがそんな願いが叶わないことは分かっている。
『……ハァ、ハァ』
ボロボロになりながらも元・魔王は立っていた。
その拳は勇者の腹を貫き、身体中が血だらけになりながらもその両足で立っていた。
『……俺の、勝ちだ』
拳を抜くと勇者は力無く地面に倒れたが、元・魔王もすの姿を見ると同時に勇者の上に重なるように倒れた。
『……体が、動かない』
魔力も殆ど底をつき、体もボロボロ。
指一本も動かすことが出来ず、このまま放置されれば数分もしない内に死んでしまうだろう。
そのため元・魔王は賭けに出た。
それは『自分を封印して力を取り戻すまで眠る』と言う方法であった。
自分を封印すること自体は今残っている微力な魔力でも簡単に出来るが、元・魔王が心配しているのは残された者達のことである。
『……迷ってる暇はないな』
その間にも自分は少しずつ体が冷たくなり、重りでも乗っているかのように瞼を開くのすら辛くなってきた。
元・魔王には既にどちらか選ぶ、という選択肢は無かった。残ったのはただ一つ、生きることだ。
『……封印』
そして元・魔王は自分自身によって封印された。
数時間後、無音となった部屋に入ってきたとある幼馴染みは、体が冷たくなって動かなくなっている勇者と封印されている元・魔王を見て、勇者と相討ちになったのだと仲間達に伝えた。
(【……信頼、か】)
昔なら使うことの無かった言葉である。
だが白雲、狼男、雪女、コーランと共に戦うアイツをの記憶を見て元・魔王は思った。
(【……昔なら考えもしなかったな】)
平和になり、戦う必要が無くなった今では分かる。
新・魔王からの攻撃を守るためにアイツらを魔法で移動されたのは、邪魔だと思ってではなく「仲間」として「信頼」している者を失いたく無かったからだろう。
(【……フッ】)
元・魔王は体の中でひっそりと笑い、一眠りし始めた。
あわよくばこれからもこの平和が続くように……と、自身には似合わないようなことを考えながら。
これからもよろしくな、助けろください。
【まとめ】
・魔王の願い「みんな仲良く、安心した世界を作る!」
・裏切ったり、恐れてくる奴いて悲しい
・てかそのせいでだーれも信用できない
・なんか勇者来たけど倒したー! けどボロボロなんで治るまで封印されてます
・復活したと思ったら体が乗っ取られてたでござる
・新・魔王との戦いで仲間を逃がしたのは「信頼してる奴を死なせたくないから」だろうな~
ッは~終わった終わった、おやすみなさい。
あぁそうだ、最後にあれ言っておくか。
読者の皆さん、番外編まで見ていただきありがとうございます! 魔王様達の番外編も終わってしまいますが、後少しだけ投稿するのでお付き合いください。では!