拝啓 お父さん、お母さん。このたび俺は魔王になりました、助けてください。   作:のろとり

39 / 131
拝啓 読者様

元・魔王の体が戻ったのでサブタイを少し変更。
『助けてください』から『助けろください』になりました。


彼奴許さない、助けてろださい。

「モぉおしまいかヨォ」

 

新・魔王はつまらなかった。

この世界で作った軍達を破った者が居るので、どの程度かと思えばこの程度でだったと。

本気を出せば一発殴るだけ終わるのだから。

噂によれば、底辺だった信頼を上げたと聞いたが所詮はその程度。

裏切り者が信用している人物とも聞いたが……仲間も弱かったから所詮はそんなものだと感じていた。

 

「ツまらんナァ」

 

次の世界に期待……いや、まだこの世界の人間に会ってないな。

そっちなら、まだ面白い奴が居るかも知れない。

……幹部の中に人間に似た奴が居たが彼奴は人間ではないと言ってたな。

そう思いながら元・魔王を消そうとしたその時……

 

「【……少し待てよ】」

 

動きが止まった。

手加減したとはいえ、自分の攻撃を受けて立っていられる奴がいるとは思ってもいなかったと。

元・魔王はゆっくりと体を動かし、新・魔王を見た。

顔には目しか付いていないため、正確には分からないが目が若干見開いているのを確認出来た。

それと彼奴(主人公)を後で一発殴ることにした。

 

「コれは面白くなるじゃねぇカァ」

 

「【……余裕なのも今のうちだ】」

 

そう言いながら元・魔王は拳を振るった。

新・魔王は偶然立ち上がっただけだと思い、棒立ちで攻撃を受けることにした。

絶望を与えてよろうと思いながら……しかし、それは失敗だった。

 

「ゴフゥ!」

 

腹に入った拳は、新・魔王の体をくの字に曲げるほどの威力があった。

新・魔王は数メートル吹っ飛ばされたが、綺麗に着地した。

あまりダメージが入ったようには見えないが、腹にはくっきりと拳の後が残っていた。

これには幾つかの理由があった。

果物の摂取による魔力増加に、魔力を使って身体能力上昇。

少しずつ体が戦いの記憶を思い出しているため。

新・魔王が無防備な状態で攻撃を喰らったため。

簡単に説明するとこんなものだろうか。

 

「【……おいおい、その程度か?】」

 

「クッカカカァ! コれは想定外ダァ」

 

新・魔王は切れ目から数体のゾンビを出してきた。

ゾンビは既に生命活動を終えているため、生物として認識されないのだ。

新・魔王は一度距離を取り、攻撃パターンを伺うことにした。

今まで通り物理しかしないなら、遠くからチマチマと攻撃すれば良いだけの話なのだから。

しかし、予想は外れた。

 

「【……小手調べか】」

 

元・魔王は目を閉じた。

本来なら、怪しい。またはチャンスだと思い急いで近づいて攻撃するがゾンビ達にそれを考える頭は無い。

ゾンビ達はゆっくりと元・魔王に近づいて行った。

 

「【……『岩石』】」

 

残り数歩と近づいてきた所で、元・魔王は目を開けた。

その開けた目でゾンビ達を見ると、ゾンビ達は足元から石に変わっていった。

時間が立つにつれ、石になっていき最後には全身が石になって動かなくなった。

 

「オォ……オイオイオイィ! ナんだよこれはヨォ、ヒさびさに骨のある奴に会えたナァ!」

 

「【……ご託は良い。かかってこい】」

 

新・魔王は切れ目からトラックを出した。

なお、生物は運べないので運転手は居なく、その代わりにアクセル部分に棒を設置して自動で走るようにした。

 

「【……『焼却』】」

 

元・魔王は顔の目の前には青い丸の中に炎のマークが書かれた物が浮かんだ。

その丸がゆっくりと回り始めると、炎のマークが光り始め勢いよく青い火が飛び出してきた。

『サン』は火の玉の魔法だが、『焼却』は簡単に説明すると火炎放射機である。

そのまま車のガソリンに燃え移るどころか、車を炭すら残さず焼き払い、黒い煙が部屋を充満させた。

だが、新・魔王もこの程度でやられるとはもう思っていない。

爆発で見えていないうちに、空に飛んだ。

その際に地下の天井が崩れ、城と部屋の天井の瓦礫が落ちてきた。

 

「【……ちっ】」

 

元・魔王は倒れている白雲達に『バリケード』と唱えた。

そうすると、白雲達は透明な丸い膜に閉じ込められた。

これは瓦礫から身を守るためである。簡単に言うとバリアだ。

 

「【……彼奴の精神が残ってるのか】」

 

昔は仲間なんて気にしなかったのに……そう思いながら、白雲達を見た。

突如元・魔王のアホ毛が竹トンボのように、回り始めた。

アホ毛は回転を止めることなく、速く回り始めて足が地面から離れた。

そのまま新・魔王の後を追うように、上へと飛び始めた。

 

魔法で飛ぶ方法を知りたい、助けろください。




ネーミングセンスが無い元・魔王。
理由 分かりやすくしたいから(作者曰く)

それと新・魔王の笑い声は気分で変わります。

完結後にキャラ設定と裏話の投稿

  • 両方いる
  • 両方いらない
  • キャラ設定のみいる
  • 裏話のみいる
  • 作者に任せる
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。