拝啓 お父さん、お母さん。このたび俺は魔王になりました、助けてください。 作:のろとり
あああああああ、ごち○さキタァァァァァ!!
ああああああああ!!
「サくしゃが五月蝿いから代役として話すゼェ。
コんかいは戦闘シーンが思い付かなかったのデェ、イろいろと酷いことになってるそうダァ。
サくしゃが煩いのとは関係無いけどナァ」
「オもしろイィ、ジつに面白いゾォ!」
新・魔王は背中から生えている翼を羽ばたかせていた。
対する元・魔王は竹トンボのようにアホ毛を回し、空を飛んでいた。
その二人の下には多くの瓦礫と倒れている新・魔王の手下達が居た。
「【……奇遇だな】」
二人は空を飛びながら近づき、拳と拳がぶつかる。
その衝撃で瓦礫と手下達が吹き飛ばされる。
数回拳がぶつかるだけで二人の下にあった瓦礫や手下達が殆ど吹き飛び、平地となる。
最も、地下から出たため部屋だった場所は瓦礫が埋め尽くされているため、平地とは言いがたいが。
「クらえ喰らえ喰らエェ!」
新・魔王は右腕の大砲を元・魔王へ向けると、大砲から黄色い球を放った。
その球はバチバチと音がしており、まるで電気……いや、雷を想像させる物であった。
その球が四つ向かってきていると元・魔王は分かった。
「【……『封印』】」
元・魔王は両手の指から、禍々しい色をした黒い鞭を十本出現させた。
その鞭を部屋があった瓦礫を全て持ち上げた。
部屋だった場所は柱が全て無くなっており、あるのは白い膜に包まれている四人だけだ。
そして床と壁……特に一部分以外の壁はヒビがとても酷い状態である。
その瓦礫を使い、黄色い球を閉じ込めた。
瓦礫が少しずつ黄色い球を圧縮しており、瓦礫が元・魔王からの力を失い落ちていく頃には黄色い球は消滅していた。
「【……弱すぎるな】」
「オいおイィ、ナに勝った気になっているんダァ」
新・魔王は元・魔王に近づき、左手で頭を鷲掴みしようとした。
しかし元・魔王はそんな見え見えな攻撃に引っ掛かることなく後ろに逃げようと……
「【……かはっ!】」
したが、後ろから攻撃を受けた。
元・魔王は思わず周りを見渡すが、居るのは新・魔王と倒れている手下達だけである。
そう周りを見渡していると、新・魔王に頭を鷲掴みされた。
そうして新・魔王は右腕の大砲を光らせながら、零距離でビームを放った。
先ほどの黄色い球は
「【……グファ!】」
元・魔王はビームに巻き込まれながら、地面を抉っていった。
地面に着いてから数メートル後に止まれた。
「オいおイィ、ソの程度カァ?」
新・魔王ははがっかりしていた。
最初は驚いたが、所詮は数段パワーアップした程度。
もう終わらそう。そう思ったが、何か違和感を感じた。落ちているのだ。
翼を羽ばたかせて体制を建て直そうとするが、上手く飛べない。
それに右腕が異様に軽く感じる。
新・魔王はゆっくりと体の右側を確認すると……
「フッざっけんなナァ!」
右側の翼は根元しか残っておらず、右腕に関しては機械部分……もとい、大砲が消えていた。
元・魔王の右腕からは、腕を包むように黒い稲妻が走る手刀が生えていた。
「【……おいおい、その程度か?】」
元・魔王は同じ言葉で返した。
新・魔王は怒り狂った。
どんな風に勝つか、周りの状況はどうなるか。そんなことはもうどうでも良かった。
地面に着陸した新・魔王は、元・魔王に近づきがむしゃらに攻撃した。
しかし、そんな子供のぐるぐるパンチと同等の何も考えていない攻撃は意味が無い。
「【……エンド】」
元・魔王は新・魔王を上に投げ、全力で蹴り飛ばした。
そのまま部屋だった場所に不時着し、壁をぶち破った。
「【…………】」
元・魔王はきちんと倒せたかの確認と、完全に消滅させるために歩を進めた。
元・魔王は余裕に見えるが、そうではない。
身体能力を何重にも魔法で強化。
久し振りに魔法の使用。
体が戦いの記憶を思い出して動きが良くなっているが、疲れていた。
これ以上戦うと勝てるか分からないので、もう倒れてることを祈りながら。
まだ倒れてなかったら、助けろください。
【オマケ】
「ねぇ魔王」
「【……雪女か、どうした】」
「あんたって、ネーミングセンス無いわよね」
「【……何も、言うなッ】」
「私が悪かったから、泣かないでよ」
「キタァァァァァ!」
「【……のろとり、五月蝿い】」
「深夜に青いツナギ着ているあの人の曲を歌ってたとは思えないわね」
「何で知ってんだ?」
「ひ・み・つ」
「オロロロロロ……」
「ちょ、ちょっと何よ!」
「いや、設定としては若い体だけど、中身は500越えてるから」
「ぶっ飛ばしてやるわよ!」
「すいませんしたぁ!」
「【……じゃ次回な】」
完結後にキャラ設定と裏話の投稿
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両方いる
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両方いらない
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キャラ設定のみいる
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裏話のみいる
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