拝啓 お父さん、お母さん。このたび俺は魔王になりました、助けてください。   作:のろとり

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拝啓 読者様

平成最後の『拝啓(略)』の投稿です。

ここからは巻きで行きます。


仲間を、助けろください。

「【…………】」

 

元・魔王は目を閉じて腕を組んでいる。

これは決して、ふざけている訳でも寝ているわけでもない。

自分の魂を削って魔力にするのに集中しているのだ。

そのため周りがどんな状況から分からなく、物音も何か雑音がする程度にしか思っていない。

 

「喰らいなさい!」

 

雪女が手から『吹雪』を出す。

新・魔王にはそんな物は効かないと分かっているが、少しでも注意を逸らそうと目に向かって攻撃する。

 

「ドキヤガレェ!」

 

だが、新・魔王が腕を一振りしただけで吹雪があらぬ方向へ飛んでいく。

次に雪女は新・魔王の足元を凍らそうとするが、跳んでかわされる。

空中に居るときに、今度は狼男からの攻撃が来る。

 

「ドォリャア!」

 

狼男は新・魔王の背中に向かって回し蹴りをした。

新・魔王は首を180°後ろにして目からビームを出した。

狼男は空中に居たためかわせず、そのまま地面に落下した。

 

「『回復』」

 

一方コーランは、白雲を何回も回復させていた。

この四人の中で一番強いのは白雲だ。

新・魔王と白雲との差には次元が違うと言っても良いほどの力がある。

しかし、似たような力を持っているなら何か突破口があると思い、回復させていたのだ。

 

「コーラン、次は狼男を宜しく!」

 

体力が大体回復した白雲は新・魔王に向かって低空飛行で向かっていく。

新・魔王は向かってくる白雲に目からビームを出した。

白雲はビームを回転するようにかわし、切れ目を出した。

新・魔王は白雲が出した切れ目に向かって手をかざした。すると、切れ目が閉じてしまった。

 

「ナゼ同ジコトヲスルゥ?」

 

新・魔王は疑問に思ったが、閉じたはずの切れ目が開いていた。

驚いたが、同時に理解した。

切れ目を二つだし、一つは自分の正面。

もうひとつは一つ目の切れ目の後ろに出し、死角で見えなくしたのだと。

白雲は切れ目から磁石を取り出した。

新・魔王のアームのような手は磁気によって不規則な動きを始めた。

 

「コシャクナァ……」

 

新・魔王は手を引きちぎった。

機械で出来ていたのか、千切った腕からはバチバチと電気が流れている。

千切った腕を白雲に投げつけてた。

白雲は咄嗟に切れ目を出すが、すぐに新・魔王によって閉ざされる。

 

「ぐぅ……!」

 

白雲は空中でバランスを整えて、急停止する。

が、目の前を見ると新・魔王が拳を振りかざしていた。

白雲はなす統べなく吹き飛ばされ、元・魔王の近くに転がり体が起き上がらなくなる。

 

「ウットウシィ……」

 

新・魔王はコーランに近づき、蹴りで吹き飛ばした。

この四人の中で一番厄介なのは回復出来るコーランだ。

そして次に厄介なのが白雲。だが、白雲はもう倒したため残りは二人である。

 

「くそがぁぁぁ!」

 

狼男が凄い勢いで突進してくる。

新・魔王は自暴自棄になったと思い、蹴りで沈めようとする。

そして蹴りが当たる直前、シャボン玉のような氷の膜が狼男に当たった。

すると狼男の体が凍り、新・魔王からの攻撃はその氷に当たった。

氷は砕けたが、狼男には攻撃が来ずそのまま突進してきた。

 

「一発防いだわよ!」

 

実は雪女が元・魔王に使った技である。

最も、彼のときは元・魔王(転生者)が触れただけで割れてしまったが。

本来は氷の膜に触れた相手を凍らせる技である。

 

「オモシロイィ……」

 

新・魔王は目からビームを出し、狼男を吹き飛ばした。

そして吹き飛ばした先にいるのは雪女。

狼男と雪女はぶつかり、仲良く気絶した。

 

「【……溜まった】」

 

「チィ、スコシ遊ビスギタカァ」

 

新・魔王は元・魔王の方を向く。

元・魔王の体からは、魔力が溢れ出ていた。

恐らくこれが最後の一撃だろうと新・魔王は直感した。

これを喰らえば消滅してしまうと思ったが、慌てはしなかった。

『最後』なのだから当たらなければどうということはないと。

 

これで最期だ、助け……てください。

完結後にキャラ設定と裏話の投稿

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